『リトル・ダンサー』
原題: Billy Elliot
製作年:2000年
製作国:イギリス
作品について
スティーブン・ダルドリー監督。舞台演出家だったスティーブン・ダルドリーの長編映画監督デビュー作。その後『めぐりあう時間たち』(2002)、『愛を読むひと』(2008)、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(2011)を発表した。
リー・ホールが脚本。もともと舞台脚本家だった。1998年の戯曲"Dancer"を映画脚本に書き直した。後にスティーヴン・スピルバーグ監督・製作『戦火の馬』(2011)の共同脚本、デクスター・フレッチャー監督『ロケットマン』の脚本を手掛ける。
青春コメディドラマ映画(coming-of-age comedy-drama film)。
Amazon
Blu-ray DiscとDVDは吹き替え版が異なる。
感想
名作映画。
ノース・イースト・イングランドのダラムにある架空の炭鉱町エヴァリントンを舞台に、バレエダンサーを目指す男の子の葛藤や成長の物語。社会階級や、マーガレット・サッチャー政権時代の1984年から1985年に起きた炭坑作業員ストライキを背景に描かれる。
ブルーカラーの町なので、「男がバレエをやるなんてみっともない」という偏見を持つ人もいる。ビリーの家は労働者階級、先生の家は中流階級。
お父さんが子どもの夢を認めた描写は、ビリーの踊りを見てすぐに走り出し、先生を訪ねて、俺が必要経費を出すと言う演出。
子どものためにスト破りをする。
お父さんとトニーが泣き崩れるシーンもいいね。おばあちゃんもいい。
バレエスクールのオーディションで他の生徒を殴ったけれど、すぐに不合格扱いで排除せず、それも含めて合否の判定をすると面接を続行。
ピョートル・チャイコフスキー作曲『白鳥の湖』。
演出家マシュー・ボーンの『白鳥の湖』を引用している。ザ・スワンのオリジナルキャストであったアダム・クーパーが25歳のビリーを演じた。
ジェイミー・ベルはいい役者になったね。
ジュリー・ウォルターズは、翌年公開の『ハリー・ポッター』シリーズで10年間に渡りロンのお母さんモリー・ウィーズリーを演じた。
演出
編集で cross-cutting を多用している。
仕事でエレベーターで地下に行くお父さんとお兄さんと、上昇していくビリーを対比させている。
キャスト
ビリー・エリオット:ジェイミー・ベル;進藤一宏、矢島晶子
サンドラ・ウィルキンソン(ビリーのバレエの先生):ジュリー・ウォルターズ;立石涼子、火野カチ子
ジャッキー・エリオット(ビリーの父):ゲイリー・ルイス;池田勝、稲葉実
トニー・エリオット(ビリーの兄):ジェイミー・ドラヴェン;竹若拓磨、川島得愛
ビリーの祖母:ジーン・ヘイウッド;矢野陽子
マイケル・キャフリー:ステュアート・ウェルズ;小出達也、高乃麗
デビー・ウィルキンソン:ニコラ・ブラックウェル;米丘ゆり
ジョージ・ワトソン:マイク・エリオット;天田益男
ジェニー・エリオット(ビリーの母):ジャニーン・バーケット;鈴木紀子
25歳のマイケル:メリン・オーウェン;河野智之
25歳のビリー:アダム・クーパー;川村拓央
DVD版
その他:
水原リン
仲野裕
田中完
三宅健太
斉藤瑞樹
出口佳代
城雅子
BD版
その他:
神谷和夫
北川勝博
スタッフ
監督:スティーブン・ダルドリー
脚本:リー・ホール
製作:グレッグ・ブレンマン、ジョン・フィン
製作総指揮:ナターシャ・ワートン、チャールズ・ブランド、テッサ・ロス
撮影監督:ブライアン・テュファーノ
編集:ジョン・ウィルソン
音楽:スティーヴン・ウォーベック
製作会社:BBCフィルムズ、ワーキング・タイトル・フィルムズ、タイガー・アスペクト・ピクチャーズ、スタジオカナル、WT2プロダクションズ、Arts Council of England
配給:Universal Focus (英国)
配給:日本ヘラルド映画
提供:アミューズピクチャーズ、テレビ東京、博報堂、日本ヘラルド映画