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『花嫁のパパ』感想

『花嫁のパパ』
原題:"Father of the Bride"
製作年:1991年
製作国:アメリカ合衆国

 

 

作品について

チャールズ・シャイア監督・脚本(共同)。

ナンシー・マイヤーズ脚本(共同)・プロデューサー。

ヴィンセント・ミネリ監督『花嫁の父』(1950)のリメイク。その『花嫁の父』は、エドワード・ストリーターの小説が原作。続編にヴィンセント・ミネリ監督『可愛い配当』("Father's Little Dividend")(1951)がある。MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)製作。

ロマンティック・コメディ映画。

続編に、チャールズ・シャイア監督『花嫁のパパ2』(1995)、ナンシー・マイヤーズ監督の短編映画 "Father of the Bride, Part 3(ish)" (2020) がある。"Father of the Bride, Part 3(ish)" はNetflix独占配信。1990年代から第3作を開発していたが、development hell に陥っていた。

 

またエドワード・ストリーターの小説を原作とする、Gary Alazraki 監督 "Father of the Bride" (2022) が HBO Max で2022年6月16日から配信予定。キューバアメリカ人家族の物語で、アンディ・ガルシア主演・エグゼクティブプロデューサー。ワーナー・ブラザース・ピクチャーズとプランBエンターテインメントが製作。

それとは別に、ウォルト・ディズニー・スタジオが Disney+ 配信向けにリブートを開発中。

www.hollywoodreporter.com

 

 

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感想

おもしろい。30年前の時代性と、アメリカ文化が興味深いという意味でも。

原作小説や『花嫁の父』(1950)が20世紀半ばの話であったのに対し、製作当時の現代(1990年代)の設定に変えている。

娘が「結婚する」と発表した直後、幼少期の娘が「結婚する」と言い出す幻を見てしまう主人公。

娘の結婚を素直に喜べない父親。花婿とはセンスが微妙に合わない。

主人公の家は小金持ち、花婿の実家は大金持ち。結婚式の費用は花嫁の実家が払う。まるで持参金のよう。

自宅で冠婚葬祭をするものではないという教訓を教えてくれる映画。

 

末息子のマティを演じたのはキーラン・カルキンマコーレー・カルキンの弟。クリス・コロンバス監督、ジョン・ヒューズ脚本・製作『ホーム・アローン1&2』では、おねしょすると言われていた従弟のフラーを演じていた。

 

ヨハン・パッヘルベル作曲『カノン』。

フェリックス・メンデルスゾーン作曲『夏の夜の夢』より『結婚行進曲』。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲『管弦楽組曲』第2番 メヌエットとバディヌリー。

 

エンドクレジット後タッチストーン・ピクチャーズのロゴの後に表示された、"Servicing distribution of this programme Buena Vista International Television" というロゴを初めて見た。

 

 

NHK BSプレミアムの『プレミアムシネマ』は、2022年5月16日にチャールズ・シャイア監督『花嫁のパパ』(1991)を、6月16日にヴィンセント・ミネリ監督『花嫁の父』(1950)を放送する趣向。ジューンブライド

 

 

余談

製作費を投資した Touchwood Pacific Partners I, L.P. は1990年代に存在した投資事業有限責任組合ウォルト・ディズニー・スタジオの映画専門で投資していた。前身企業にあたる Silver Screen Partners LP とは異なり、Touchwood Pacific Partners の投資先にはアニメーション映画は除外されていた。山一證券を中心に、シティバンクが取りまとめた銀行グループも投資・所有していた。その中には富士銀行、日本長期信用銀行、Manufacturers Hanover Trust Company なども含まれていた。

Touchwood Pacific Partners 設立は、ソニーによるコロンビア・ピクチャーズ買収、松下電器によるユニバーサル・ピクチャーズ買収(5年で売却)以外で、ハリウッドの大手映画スタジオに日本の多額のお金が流れ込んだ出来事だった。また日本ビクターは、ローレンス・ゴードンが1989年に製作会社 Largo Entertainment を設立するにあたり資金を援助した(1999年に会社は解散。著作権など、ラルゴの資産は日本ビクターが吸収した)。

www.latimes.com

21世紀以降のウォルト・ディズニー・スタジオは、外部の投資会社に依存しない映画製作を行っている。

日本のアニメや実写映画で普及した製作委員会方式とは違い、投資会社は配当を得るだけで、著作権を共同所有しない契約のようだ。

ちなみにアメリカの大手映画スタジオ系では、NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンワーナー ブラザース ジャパンが日本でのアニメ製作事業(制作ではない)に積極的。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント日本法人は、ここ5年ほど深夜アニメに対して活発になってきた様子。またソニーグループは、英語圏のアニメ配信プラットフォームの二大巨頭 Funimation と Crunchyroll の両方を買収したため、NetflixAmazon Prime Video や Disney+ などが焦りだしたとか。

 

 

キャスト

ジョージ・バンクス:スティーヴ・マーティン(富山敬)
ニーナ・バンクス:ダイアン・キートン(宗形智子)
アニー・バンクス:キンバリー・ウィリアムズ(松本梨香)
マッティ・バンクス:キーラン・カルキン(鎌手宣行)
ブライアン・マッケンジー:ジョージ・ニューバーン(入江崇史)
フランク・エッゲルホッファー:マーティン・ショート(江原正士)
ハワード・ワインスタイン:B・D・ウォン(石黒久也)
ジョン・マッケンジー:ピーター・マイケル・ゴーツ(峰恵研)
ジョアンナ・マッケンジー:ケイト・マクレガー=スチュワート(牧野和子)
アル:リチャード・ポートナウ(仁内建之)

その他:渡辺真砂子、丸山真奈実、青木百合花、田村円、安西正弘山下啓介、荒川功、沖恂一郎、山崎哲也、杉浦明彦

 

演出:大森健次郎
翻訳:加賀るう
録音制作:スタジオ・エコー
作監修:岡本企美子
制作:Disney Character Voices International, Inc.

 

 

スタッフ

監督:チャールズ・シャイア
脚本:ナンシー・マイヤーズ & チャールズ・シャイア
原作(1950年版脚本):フランシス・グッドリッチ & アルバートハケット
原作:エドワード・ストリーター
製作:ナンシー・メイヤーズ、キャロル・バウム、ハワード・ローゼンマン
製作総指揮:ジム・クルークシャンク、サンディ・ガリン、ジェームズ・オール
共同プロデューサー:シンディ・ウィリアムズ
アソシエイトプロデューサー:ブルース・A・ブロック
撮影監督:ジョン・リンドリー
編集:リチャード・マークス
音楽:アラン・シルヴェストリ
製作会社:タッチストーン・ピクチャーズ、サンドラー・プロダクションズ、Touchwood Pacific Partners I
配給:ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ・ディストリビューション (米国)、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ (日本)

 

プロダクションデザイン:Sandy Veneziano
美術監督:Erin M. Cummins
セット装飾:Cynthia McCormac
衣装デザイン:Susan Becker

key makeup artist: Brad Wilder
Steve Martin makeup artist: Frank Griffin
Steve Martin and Diane Keaton hair stylist: Toni-Ann Walker
hair stylist: Lisa Meyers
makeup artist: Karen Blynder (uncredited)

unit production manager: Paul Deason
executive in charge of production for Walt Disney Studios: David Hoberman (デヴィッド・ホバーマン) (uncredited)

first assistant director: K.C. Colwell
second assistant director: Bruce Carter
second second assistant director: Fernando Castroman

sound mixer: C. Darin Knight
re-recording mixers: David J. Hudson, Mel Metcalfe, Terry Porter
supervising sound editor: Dennis Drummond
supervising ADR editor: Renee Tondelli
dialogue editor: Michael J. Benavente
sound effects editors: Kevin Barlia, Pamela Bentkowski, Patrick Drummond

special effects coordinator: Allen Hall