『飢餓海峡』
製作年:1965年
製作国:日本
作品について
内田吐夢監督。
1954年の台風15号の影響で起きた洞爺丸事故と岩内大火に着想を得たそうだ。
テレビ放送
NHK BSプレミアムがプレミアムシネマで放送。リンクは2020年5月18日放送時のデータ。
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Blu-ray Discにはなっていないようだ。
感想
名作映画。
松本清張が切り開いた社会派推理小説。殺人事件が起こり、捜査していくうちに、過去の悲しい出来事や事実が浮かび上がる。
ただ、松本清張の小説は警官の捜査が中心に描かれるのに対し、『飢餓海峡』は中盤まで重要人物である杉戸八重の視点で話が進む。
戦後すぐの時代、現在とは価値観も異なる。お金への執着、大金を手にした人のその後。
被疑者の自死で終幕というのがいい。
冨田勲さんの劇伴がいい。
三國連太郎は言わずもがな。役者たちのお芝居が素晴らしい。
描写
作中で10年以上経過しても事件を解決できないので、弓坂吉太郎は無能ということになる。妄想も逞しいから、誤った推論で冤罪を作りかねない。
樽見京一郎(犬飼多吉)による杉戸八重の殺害は、口封じというよりも、ストーカーに襲われて反撃したら相手が死んでしまった、という描写に見える。
制作
東映のロゴとともに「東映W106方式」と表示される。撮影や現像の工程で行われた演出のことらしい。
https://www.facebook.com/toeivden/posts/561112193917334/
キャスト
樽見京一郎 / 犬飼多吉:三國連太郎
杉戸八重:左幸子
弓坂吉太郎刑事・元刑事:伴淳三郎
味村時雄刑事:高倉健
杉戸長左衛門:加藤嘉
本島進市:三井弘次
本島妙子:沢村貞子
荻村利吉東舞鶴警察署長:藤田進
樽見敏子:風見章子
小川:亀石征一郎
朝日館主人:曽根秀介
木島忠吉:安藤三男
和尚:山本麟一
来間末吉:沢彰謙
岩内署長:志摩栄
佐藤刑事:菅沼正
堀口刑事:関山耕司
戸波刑事:岡野耕作
唐木刑事:鈴木昭生
岩田刑事:八木貞男
田島清之助:外山高士
弓坂織江:進藤幸
葛城時子:安城百合子
沼田八郎:最上逸馬
町田:八名信夫
竹中誠一:高須準之助
巣本虎次郎:河合絃司
刈田治助:加藤忠
鉄:須賀良
辰次:大久保正信
下北の巡査:西村淳二
大湊の巡査:田村錦人
スタッフ
監督:内田吐夢
脚本:鈴木尚之
原作:水上勉
企画:辻野公博、吉野誠一、矢部恒
製作:大川博
撮影:仲沢半次郎
美術:森幹男
録音:内田陽造
照明:川崎保之丞
編集:長沢嘉樹
音楽:冨田勲
助監督:山内柏、太田浩児、福湯通夫、高桑信
スチール:遠藤努
製作会社:東映東京
配給:東映