2023年11月10日追記:公開日に観た感想。
P.A.WORKSのオリジナルアニメ映画『駒田蒸留所へようこそ』が発表された。P.A.WORKSによる『お仕事シリーズ』の新作となる。
『お仕事シリーズ』として、安藤真裕監督、岡田麿里さんシリーズ構成・脚本『花咲くいろは』(2011)、水島努監督、横手美智子さんシリーズ構成・脚本『SHIROBAKO』(2014)、増井壮一監督、横谷昌宏さんシリーズ構成・脚本『サクラクエスト』(2017)、篠原俊哉監督、柿原優子さんシリーズ構成・脚本『白い砂のアクアトープ』(2021)がある。
作品について
吉原正行監督は『有頂天家族』シリーズの監督。『お仕事シリーズ』では、『SHIROBAKO』(2014)の劇中アニメという設定であるOVA『えくそだすっ!』(2015)の絵コンテ・演出を担当、続編映画である『劇場版SHIROBAKO』(2020)では原画を描いていた。
木澤行人さんと中本宗応さんが共同脚本。2人とも株式会社ライトワークスの役員を務めている。
出版編集の下請け会社で働いていた縁から、アニメ脚本に携わるようになった人たち。2人とも基本的にライトノベル原作、漫画原作のアニメしか書いていない。オリジナルアニメの脚本はほぼ初めて。
髙田友美さんがキャラクター原案。P.A.WORKS所属のアニメーター。主に動画検査を務めている。
川面恒介さんがキャラクターデザイン・総作画監督。P.A.WORKSの主力アニメーターの1人。『有頂天家族』シリーズのキャラクターデザイン・総作画監督。
加藤達也さんが音楽作曲。古川知宏監督、樋口達人さんシリーズ構成・全話脚本『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』シリーズの音楽を藤澤慶昌さんと共同で手がけた。
社長に就任した駒田琉生が、家業の蒸留所を立て直す物語。
映画の長さは90分。コンパクトにまとめたのかな。
ウイスキー
日本産のウイスキーはジャパニーズ・ウイスキー(Japanese whisky)と呼ばれている。
ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝と竹鶴リタ夫妻をモデルにした朝ドラ『マッサン』が2014年に放送された。
脚本:羽原大介、脚本協力:坪田文、坂口理子。
演出:野田雄介、梶原登城、佐々木善春、渡辺哲也、尾崎裕和、中野亮平、関友太郎。
制作統括:櫻井賢、プロデューサー:山本晃久、制作主任:熊野律時。
映画祭
アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コントルシャン部門(Feature Films Contrechamp in Competition)に正式出品される。
映画祭はプレミア上映を重視する。特に世界初公開のワールドプレミアや製作国以外で初公開のインターナショナルプレミアが、コンペティション部門出品の条件とされていることが多い。
だから2023年6月11日から17日に開催されるアヌシー国際アニメーション映画祭でワールドプレミア上映し、2023年11月に日本で公開するのだろう。
今回のアヌシー国際アニメーション映画祭には、原恵一監督『かがみの孤城』(2022)と田口智久監督『夏へのトンネル、さよならの出口』(2022)が長編部門(Feature Films in Competition Official)に正式出品される。
映画祭におけるコンペティション部門の公式出品とは、映画賞におけるノミネートに似ている。応募された数多くの映画の中から相応しい作品を絞り込み、その中からグランプリを決める。公式出品やノミネートされること自体が栄誉なのだ。
"contrechamp"とは"reverse shot"、日本語で言う「切り返し」のこと。shot/reverse shotは映画編集において、人物Aが(画面外にいる)人物Bを見ているショットと、人物Bが人物Aを見ているショットをつなぐことで、お互いに見つめ合っているという意味を持たせる編集技法。
長編コントルシャン部門は、カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門と類似の選出意図を持つ映画賞なのかもしれない。
製作委員会
製作委員会にはSTORY inc.、P.A.WORKS、DMM.comが出資しているようだ。STORY株式会社代表取締役社長の古澤佳寛さん、株式会社ピーエーワークス代表取締役社長の堀川憲司さん、合同会社DMM.com アニメーション事業部長の山田昇さんの名前が、アヌシー国際アニメーション映画祭の情報に記載されている。
おそらく3人とも「企画」か「製作」とクレジットされているのだろう。実際に動く担当者である「プロデューサー」は別にいるはず。
日本の映画業界やアニメ業界では、製作委員会への出資を決めた責任者を「企画」や「製作」でクレジットする慣習がある。「企画」でクレジットされていても、本当に企画を立て、企画書を書いた人とは限らない。
STORY inc.が関与しているので、川村元気さん案件か。
2023年6月7日追記:アヌシー国際アニメーション映画祭のウェブサイトから「STORY inc.」「Yoshihiro FURUSAWA(古澤佳寛)」の記述が削除されている。
New Masayuki Yoshihara movie spotted, art direction looks Uchouten Kazoku-like so it might be Yusuke Takeda and/or Harumi Okamoto again - would be nice to have the team back. Wonder how old the pitch is if Horikawa is a producer, given that Maquia was his sorta retirement project pic.twitter.com/cOoaiw5bAS
— kViN 🌈🕒 (@Yuyucow) 2023年4月28日
That or some sort of planning role, can't tell with the Annecy site. Maquia was his last producer (and AniP for that matter) role which is one of the many reasons it was such a big deal, everything that's followed is more due to him still running the studio
— kViN 🌈🕒 (@Yuyucow) 2023年4月28日
For what it's worth, the STORY person they listed alongside him is also not a name you'd expect to actually be a producer - he's only done so for anime for Noriko Takao's Saint Oniisan back then, iirc. Very much possible these aren't the producers themselves
— kViN 🌈🕒 (@Yuyucow) 2023年4月28日
予告編
キャスト
駒田琉生:早見沙織
高橋光太郎:小野賢章
河端朋子:内田真礼
安元:細谷佳正
スタッフ
原作:KOMA復活を願う会
監督:吉原正行
脚本:木澤行人、中本宗応
キャラクター原案:髙田友美
キャラクターデザイン・総作画監督:川面恒介
音楽:加藤達也
アニメーション制作:P.A.WORKS
製作:DMM.com
配給:ギャガ