映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『虚構推理』第2話の感想

『虚構推理』第2話「ヌシの大蛇は聞いていた」

 

吉永亜矢さん脚本
後藤圭二さん絵コンテ・演出
山川拓己さん本多孝敏さん作画監督
相澤楓さん動画検査
大塚奈津子さん色指定・検査
高田伸治さん制作進行

 

OP映像の冒頭で、目の中を流れる血液が人間の姿になり鋼人七瀬に変わるモーフィング作画と液体作画が上手い。

病院の敷地内で話す琴子と九郎の場面で、琴子を歩かせることで上手・下手の立ち位置を入れ替える演出。

築奈沼のヌシである大蛇は、通常の仕上げ工程に加えて撮影処理で発光させている。

狛犬が可愛い。妖狐も夜雀も山のあやかしも可愛い。

木の切り株に座るときもワンピースのスカートに手を滑らせる日常芝居。

水筒(マグボトル)を開ける日常芝居と、豚汁を移す食べ物作画が上手い。お弁当を箸で口に運ぶ日常芝居も。

大蛇との話の最中に時折挿入される琴子の日常芝居も良い。

 

ゲストキャラクターだけど谷尾葵が可愛い。本多孝敏さんは初めてのキャラクターデザインだけど良い仕事をするね。第3話以降に登場する七瀬かりんや弓原紗季なども。

 

多重解決は城平京さんの面目躍如。『小説 スパイラル〜推理の絆〜2 鋼鉄番長の密室』が特に秀逸。『虚構推理 鋼人七瀬』も素晴らしいけれど。『ヴァンパイア十字界』もシリーズを通してその傾向が強い。

鋼人七瀬編の前に短編を持ってくるシリーズ構成はありだと思う。この作品の魅力を早い段階で提示できるから。ただ、初めての人は、題名である虚構推理の意味は、今回のアニメだと鋼人七瀬編を観ないと理解できないかもしれない。

 

推理アニメは動きがあまりなくなるので見せ方が難しい。安藤真裕監督も『絶園のテンペスト』で富士山麓編などの演出に苦労したと語っていた。

 

第1話と第2話のスタッフクレジットを観ると、先行して制作していたようだ。後藤圭二監督が絵コンテだけでなく演出処理も行っている。総作画監督の本多孝敏さんが第1話は1人で作監を、第2話は2人で作監。第一原画のアニメーターが近年としては少人数。相澤楓さんが動画検査と第二原画、大塚奈津子さんが色指定と仕上げ検査をそれぞれ担当している。また両方の制作進行が高田伸治さん。第1話と第2話を並行して作業したというより、まるで順番に制作したかのような布陣。
去年1月にアニメ化発表、6月上旬公開のPV第1弾では第1話の1シーンをほぼ丸ごと使っていた。10月中旬公開のPV第2弾では第1話第2話のカットだけではなく、鋼人七瀬編のあるシーンも使われていた。そしてこの段階で2020年1月放送開始と発表。製作委員会の幹事社であるNASは制作現場の余裕とスケジュールを考えて放送枠を取ったのだろうと推測する。