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百合とアニメと映画の感想

『虚構推理』第5話の感想

『虚構推理』第5話「想像力の怪物」

 

吉永亜矢さん脚本
小川治人さん絵コンテ、吉田りさこさん演出
松本健太郎さん若月愛子さん作画監督
相澤楓さん動画検査
小松さくらさん色指定・検査
中野竜樹さん山根万里奈さん制作進行

 

琴子が言うように九郎の心もとない動きをきちんと作画している。
鋼人七瀬の速足も、ハイヒールを履いている女性の動きをきちんと作画している。歩幅が小さい。

顔を潰された九郎を掲示板の影で見えにくくする演出。撮影処理。

九郎の死を目撃してしまった紗季さんが、自分の身体をぎゅっと抱きしめるように右手で左腕をつかむ芝居。その後クロースアップで強く握りしめる。

九郎の身体再生の作画が上手い。

「件(くだん)」の予言の力については、城平京さんは『外伝 名探偵鳴海清隆 小日向くるみの挑戦』でも取り上げていた。
人魚の肉にまつわる創作物では、高橋留美子さんの『人魚シリーズ』(『人魚の森』『人魚の傷』)が好き。
八百比丘尼伝説をもとにした作品では、手塚治虫さんの『火の鳥』も素晴らしい。

昔の話なので、白黒の世界。
その中で、血液の赤色(緋色に近い)だけ色をさして際立たせるパートカラーの演出。黒澤明監督の『天国と地獄』や、それに影響を受けたスティーヴン・スピルバーグ監督の『シンドラーのリスト』など。アニメでは、『桃華月憚』第21話「園」(望月智充さん絵コンテ、小林浩輔さん演出。山口祐司監督)、『このはな綺譚』第5話「梅雨送りし」(高橋亨さん絵コンテ、鈴木拓磨さん演出。岡本英樹監督・高橋亨助監督)が記憶に残っている。

六花が初登場。幼少期の姿。
六花の顔を見せない演出。

鋼人七瀬の首をへし折る「重さ」を表現していた作画。

紗季さんがセーターを着る芝居と布の表現が上手い。

化け猫が可愛い。怪我しちゃってる。

いったん落ち着いたので、デフォルメ顔を。
噂話が広まる様子をピクトグラムの演出で。ピクトグラムと言えば幾原邦彦監督。*1

鋼人七瀬の絵の額縁から鋼人七瀬が這い出す演出がおもしろい。
後藤圭二監督の『うた∽かた』を思い起こさせる。こちらは鏡の中から少女が登場する話だけれど。

鋼人七瀬編は毎回いいところで切るクリフハンガーだね。シリーズ構成と脚本が。

*1:新房昭之監督はイクニ監督フォロワーだっけ。新房監督の弟子の監督たちやシャフト作品はさらに孫引きで影響を受けているはず。