『恐怖の報酬』オリジナル完全版
原題: Sorcerer
製作年:1977年
製作国:アメリカ合衆国
作品について
ウィリアム・フリードキン監督・製作。
アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督『恐怖の報酬(Le Salaire de la peur)』(1953)のリメイク。
4K digitally remastered version
4Kデジタルリマスター版(2013)に、日本の配給会社がオリジナル完全版と題名をつけた。日本では92分の国際版しか公開されなかったから。
というより、ほとんどの国では28分もカットした短尺版(国際版)で公開されたらしい。"Wages of Fear"と改題して。国際版は短いのに、アメリカ劇場公開版にはない映像が16分も含まれていたとか。単純に削除するのではなく、大幅に再編集したということか。
感想
ニトログリセリン運搬の仕事を請け負った4人の男の冒険譚。
メキシコのベラクルス、イスラエルのエルサレム、フランスのパリ、アメリカのニュージャージー州エリザベス。主要キャラクター4人の紹介。
二面鏡を使った演出。鏡の前で身支度するビクトル・マンソンの鏡に映った姿を撮影。
『ジョーズ』(1975)のマーティン・ブロディ警察署長は、2年で、ギャングになり、違法賭博に手を染め、マフィアから逃げる立場に落ちぶれた。まあ、現実でも警察官による犯罪は日常茶飯事だし。特に警察官による性犯罪は、自衛官や消防士と並んで多い。
film studios
製作費が2200万ドルに膨らんだたため、大手映画スタジオ2社が共同で負担した。ユニバーサル・ピクチャーズとパラマウント・ピクチャーズの2社が共同でアメリカでの配給を行い、国際市場はCinema International Corporationが配給した。
CICは1970年代に存在した、ユニバーサルとパラマウントの国際配給部門を統合した合弁会社。1981年ユナイテッド・アーティスツの国際配給部門がCICと合併し、ユナイテッド・インターナショナル・ピクチャーズ(UIP)になった。UIP日本法人は2007年12月末をもって解散したが、現在でもUIPはユニバーサル映画とパラマウント映画の国際配給部門として存在する。
キャスト
ジャッキー・スキャンロン(ジャン・ドミンゲス) - ロイ・シャイダー(羽佐間道夫)
ビクトル・マンソン(セラーノ) - ブリュノ・クレメール(木村幌)
ニーロ - フランシスコ・ラバル(大塚周夫)
カッセム(マルティネス) - アミドウ(樋浦勉)
コーレット - ラモン・ビエリ(富田耕生)
スタッフ
監督:ウィリアム・フリードキン
脚本:ウォロン・グリーン
原作:ジョルジュ・アルノー
製作:ウィリアム・フリードキン
アソシエイトプロデューサー:バッド・スミス
音楽:タンジェリン・ドリーム
撮影監督:ジョン・M・スティーブンス、ディック・ブッシュ
編集:バッド・スミス、ロバート・K・ランバート
製作会社:Film Properties International N.V.
配給:ユニバーサル映画 / パラマウント映画 (米国)、CIC (Cinema International Corporation) (日本)