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『レジェンド 光と闇の伝説』の感想

『レジェンド 光と闇の伝説』
原題: Legend
製作年:1985年
製作国:アメリカ合衆国

 

 

作品について

リドリー・スコット監督の叙事詩的ダークファンタジー・アドベンチャー映画。

リドリー・スコット監督は既存のおとぎ話を映画化するより、オリジナルの物語を創造する方を選んだ。
そして小説家ウィリアム・ヒョーツバーグに脚本執筆を持ちかけた。

興行的にも批評的にも失敗したけれど、劇場公開に加えてディレクターズ・カットの公開も合わせてカルト映画になったそうだ。

 

 

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感想

夢を見ているような、美しい画作り。撮影。

 

トム・クルーズが美青年。

ジョン・ヒューズ監督『フェリスはある朝突然に』(1986)で知られるミア・サラのデビュー作。

 

 

トム・クルーズはダイビングや水泳のスタントを全部こなしたらしい。このころから自分でアクションも演じる意思があったのか。

 

 

ティム・カリーと特殊メイクアップが凄い。

 

 

ウーナは妖精なのに「殺せ!」と物騒だね。

 

 

囚われのお姫様を助け出す、典型的な物語類型"damsel in distress"。まあ1980年代だし、今の価値観とは違うから。
『エイリアン』(1979)はフェミニズムの文脈で今もなお語られている。
リドリー・スコット監督は様々なジャンルの映画を製作するので、こういうこともあるのだろう。

 

 

上映時間

リドリー・スコット監督の最初の編集版は125分。けれど主題に絡まないプロットポイントを削れると判断し、113分にカットした。試写会で上映したところ観客の反応が芳しくなく、さらに20分をカットした。この95分版がまずイギリスで公開され、ヨーロッパ版になった。アメリカ版はさらにカットした89分版。

もともとジェリー・ゴールドスミスの音楽だったが、北米版はドイツの電子音楽グループ、タンジェリン・ドリームの音楽に差し替えられた。その作業のためアメリカでは翌年公開になっている。
リドリー・スコット監督によると、「ヨーロッパの観客は洗練されている。前置きや、感情の機微を理解できる。アメリカの観客は違う」と。

2000年にユニバーサル・ピクチャーズが113分のアンサープリントを発掘した。現在ではディレクターズ・カットとしてBlu-ray Discに収録されている。

 

 

エンディング

エンディングが3つのバージョンで異なるらしい。

・ディレクターズ・カット:目を覚ましたリリーは、ジャックに単に夢を見ていただけだと説得されるが納得しない。お互いに愛を告白するが、異なる社会に生きているので、リリーはプラトニックな関係でい続けることを提案しジャックも受け入れる。リリーは、また逢うことを約束し、家に帰る。森の妖精やユニコーンに歓迎されながら、ジャックは夕日に向かって走る。

アメリカ版:ジャックとリリーはお互いの愛を確かめ合う。ユニコーンの再会を見る。森の妖精やユニコーンに歓迎されながら、一緒に夕日に向かって走る。闇の魔王が空虚から見ていて、笑い声が響く。

・ヨーロッパ版:ジャックとリリーは一緒に夕日に向かって走るが、最後に闇の魔王は登場しない。

 

 

音楽

ヨーロッパ版とディレクターズ・カットで流れる挿入歌はジェリー・ゴールドスミスと、カーペンターズの楽曲の多くを作詞したジョン・ベティスによるもの。

 

 

キャスト

ジャック:トム・クルーズ関俊彦
リリー:ミア・サラ、佐々木優子
闇の魔王:ティム・カリー若本規夫
ガンプ:ダーフィト・ベンネント、井上瑤
魔王の父:マイク・エドモンズ、加藤精三
ネル:ティナ・マーティン、此島愛子
ブラウン・トム:コーク・ハバート、滝口順平
スクリューボール:ビリー・バーティ、北村弘一
ブリックス:アリス・プレイテン、緒方賢一
ブランダー:キーラン・シャー、水野龍司
ポックス:ピーター・オファレル、福田信昭
ウーナ:アナベル・ランヨン、坂本千夏
メグ:ロバート・ピカード峰あつ子
ミイラの衛兵:エディ・パウエル、稲葉実

 

演出:清水勝則
翻訳:入江敦子
調整:金谷和美
効果:南部満治、大橋勝次
選曲:河合直
プロデューサー:松田佐栄子
解説:淀川長治
制作:ザック・プロモーション
初回放送:1989年6月11日※劇場公開版ノーカット放送『日曜洋画劇場

 

 


スタッフ

監督:リドリー・スコット
脚本:ウィリアム・ヒョーツバーグ
製作:アーノン・ミルチャン
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
撮影監督:アレックス・トムソン
編集:テリー・ローリングス
製作会社:Embassy International Pictures N.V. (現在のリージェンシー・エンタープライズ)
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ (北米)、20世紀フォックス (世界)

 

プロダクションデザイン:Assheton Gorton
アートディレクター:Leslie Dilley as supervising art director, Norman Dorme as supervising art director, Cliff Robinson (uncredited)
セット装飾:Ann Mollo
衣装デザイン:Charles Knode

特殊メイクアップクリエイター:Rob Bottin
メイクアップスーパーバイザー:Peter Robb-King
チーフ・ヘアドレッサー:Barbara Ritchie

特殊効果スーパーバイザー:Nick Allder

 

production supervisor: Hugh Harlow
unit manager: デヴィッド・バロン (David Barron) (『ハリー・ポッター』シリーズのプロデューサーとして知られる。)