『ルパン三世 カリオストロの城』
製作年:1979年
製作国:日本
作品について
1979年12月15日公開。
感想
何度観てもおもしろい。名作映画。
子どものときクラリスに感情移入して観ていた。
時計塔が崩れてお城が水没し、湖の中から遺跡が現れる。ロマンだね。
キャラクター類型・モチーフである"damsel-in-distress"。「囚われのお姫様」。宮崎駿監督が何度も使っている。
小林七郎さんと小林プロダクションの美術スタッフによる背景美術が素晴らしい。小林七郎さんのもとで学んだ多くの美術スタッフたちが美術監督として活躍している。
現在とはアニメ制作の環境がまったく異なるとはいえ、たった半年で『カリオストロの城』を制作したことに驚く。スタッフの人数も今より圧倒的に少ない。
撮影
1979年当時は、絵の具を塗ったセル画と背景の画用紙を重ねて、フィルムカメラで1コマずつ撮影していた。現在ではAdobe After Effectsを使ってデジタル合成している。
『カリオストロの城』で撮影を担当した高橋宏固さんと高橋プロダクションは、今はT2 studioとしてアニメの撮影を行っている。T2 studioは撮影を専門とする制作会社の筆頭格。
現在のデジタル撮影は、彩色した動画と背景と2DCG/3DCGを単純に合成してカメラワークをつけるだけではない。視覚効果をかけることで、より一層クオリティが高まる。元請け制作会社に中には、社内に撮影部を持ち、自社制作作品を撮影している制作会社もある。けれど撮影は個々人のセンスとノウハウによるところが大きいので、一朝一夕にはいかない。社内に撮影部を設立して撮影スタッフを育てるより、優れた撮影会社に頼んだ方がいいと考える経営者も多い。
優れた撮影部を持つ元請け制作会社は、京都アニメーション、J.C.STAFF、シャフト、動画工房、TROYCA、マッドハウス(子会社MAD BOXの撮影部門)、MAPPA、Nexus、ボンズ、ufotableなど。(50音順)
他に優れた撮影で知られる会社だと旭プロダクション。その旭プロダクションの中でも、特に『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』シリーズで撮影監督を務めた中西康祐さんが率いるチーム。若い撮影監督を育てながら、最近は中西康祐さんはVFXに注力している。
桑良人さんが経営する株式会社シアン。
岩井和也さんが経営するスタジオシャムロック。
ゴンゾのデジタル部門が前身のグラフィニカ。
キャスト
ルパン三世:山田康雄
峰不二子:増山江威子
次元大介:小林清志
石川五ェ門:井上真樹夫
銭形幸一:納谷悟朗
クラリス・ド・カリオストロ:島本須美
カリオストロ伯爵(グラフ・ラザール・ド・カリオストロ):石田太郎
ジョドー:永井一郎
園丁(庭師の老人):宮内幸平
グスタフ:常泉忠通
機動隊指揮官:松田重治
大司教:梓欽造
カゲ:緑川稔
その他:平林尚三、加藤正之、峰恵研、阪脩、山岡葉子、寺島幹夫、鎗田順吉
スタッフ
監督:宮崎駿
脚本:宮崎駿、山崎晴哉
原作:モンキー・パンチ
作画監督:大塚康生
色彩設計:近藤浩子
美術監督:小林七郎
撮影監督:高橋宏固
編集:鶴渕允寿
録音:加藤敏
音楽:大野雄二
選曲:鈴木清司
整音:飯塚秀保
効果:倉橋静男(東洋音響)
製作:藤岡豊
プロデューサー:片山哲生
制作協力:テレコム・アニメーションフィルム
製作:東京ムービー新社
配給:東宝
原画:篠原征子、友永和秀、河内日出夫、富沢信雄、丹内司、山内昇寿郎、丸山晃二、真鍋譲二、田中敦子、新川信正
動画検査:原恵子、島田明子
動画:
青木康直 佐野英代
大里美和子 桜井陽子
尾崎真佐美 下崎ジュン子
小野昌則 島津佳子
川中京子 柴田春美
柏田涼子 志田欣弘
熊本由美子 鈴木幸雄
小林弥生 田辺厚子
小島順子 高木美和子
堤純子 平間久美子
塚田洋子 比留間敏之
道籏義宣 藤村和子
難波日登志 本多薫
原田俊介 望月理江子
林雅子 吉村洋子
浜田幸子 亜細亜堂
浜畑雅代 OHプロ
橋本三郎
色彩設計:近藤浩子
仕上検査:山本雅世、砂川千里
仕上:岡嶋國敏(スタジオ古瑠美)、加藤紀子(シャフト)、林直哉(イージーワールド)、塩谷典子(スタジオ・タージ)、岩切紀親(スタジオ・キリー)
美術:小林七郎
背景:
小林プロダクション
青木勝志 松岡聡
石垣努 小倉宏昌
大野広司 海保甚三郎
水谷利春 林裕美子
工藤美由紀 藤江優子
テレコム
山本二三
撮影:高橋宏固
撮影:
高橋プロダクション
宮内征雄 大田勝美
高橋宣久 平山昭夫
細野正 中村喜則
斉藤佳三 鈴木卓夫
ネガ編集:高橋和子
タイトル:藤井敬康
助監督:吉田茂承
製作担当:齋藤壽男
制作進行:吉田力雄、柳内一彦、岩田幹宏
制作協力:テレコム・アニメーションフィルム
製作:東京ムービー新社