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百合とアニメと映画の感想

『女系家族』(2021年テレビ朝日版)感想

女系家族(にょけいかぞく)』
製作年:2021年
製作国:日本

 

 

作品について

山崎豊子さんの小説が原作。

 

今までに何度も映像化されている。

 

鶴橋康夫監督・脚本。『白い巨塔』(2019)のチーフ監督。

テレビ朝日と角川大映スタジオが製作。

www.tv-asahi.co.jp

2021年12月4日と12月5日の21:00-22:55に2夜連続で放送。

tver.jp

 

 

感想

金田一耕助が出てきてもおかしくない物語。つまり横溝正史が書いた小説がそれだけリアリティがあるということ。

市川崑監督『犬神家の一族』(1976)では、三國連太郎が演じる犬神佐兵衛が亡くなり、遺産争いが勃発する。そして連続殺人事件の火蓋が切られた。

 

2014年の大阪市船場が舞台。

読み上げられる2枚目の遺言状の文言に爆笑してしまった。大番頭がいい味を出している。

 

遺産相続の争いがコメディ。情念と狂気が漂っていないと山崎豊子さんではない。

大番頭の復讐譚になっている。

原作から大幅改変しているわけでもいじくりまわしているわけでもないのに別物になっている。演出のせいで。

 

宮沢りえの浜田文乃は愛人感がない。結婚詐欺にあった被害者みたい。

 

モーリス・ラヴェル作曲『ボレロ』の一番上の旋律だけ。『ボレロ』の使い方が謎。頻繁に使うし。

ボレロ』は輪唱のように同じ旋律を何度も繰り返し演奏する。最初はフルートのソロとスネアドラムの伴奏から始まり、メロディーを奏でる楽器が次々に交代していく。

「矢島商店」が繰り返し発展するという暗示のつもりなのかな?

浜田文乃の妊娠が矢島家の面々に知られた後は、『ボレロ』を元ネタにしたオリジナルの劇伴。

 

 

五十嵐文郎チーフプロデューサーと船津浩一プロデューサーはテレビ朝日黒歴史『24 JAPAN』(2020)のプロデューサーチーム。

五十嵐文郎チーフプロデューサーは、アガサ・クリスティ推理小説を日本を舞台に翻案したテレビドラマシリーズ、『そして誰もいなくなった』(2017)、『パディントン発4時50分 寝台特急殺人事件』(2018)、『大女優殺人事件 鏡は横にひび割れて』(2018)、『予告殺人』(2019)のチーフプロデューサー。いずれも和泉聖治監督、長坂秀佳脚本。

白い巨塔』(2019)も五十嵐文郎チーフプロデューサーと船津浩一プロデューサー。制作会社はROBOTだけど。脚本:羽原大介&本村拓哉&小円真、監督:鶴橋康夫&常廣丈太。

 

 

キャスト

浜田文乃:宮沢りえ
矢島藤代:寺島しのぶ
矢島千寿:水川あさみ
矢島雛子:山本美月
矢島芳子:渡辺えり
矢島良吉:長谷川朝晴
出目金:山村紅葉
梅村芳三郎:伊藤英明
小林君枝:余貴美子
矢島嘉蔵:役所広司(特別出演)
大野宇市:奥田瑛二

 

 

スタッフ

原作:山崎豊子女系家族」(新潮文庫刊)
企画協力:一般社団法人 山崎豊子著作権管理法人、野上孝子、新潮社
監督・脚本:鶴橋康夫
音楽:羽岡佳
チーフプロデューサー:五十嵐文郎(テレビ朝日)
プロデューサー:船津浩一(テレビ朝日)、浜田壮瑛(テレビ朝日)、山形亮介(角川大映スタジオ)
制作協力:角川大映スタジオ
制作:テレビ朝日