映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『陰陽師』(2001)感想

陰陽師
製作年:2001年
製作国:日本

 

 

作品について

滝田洋二郎監督。

夢枕獏の小説シリーズが原作。共同で脚本を書いている。

歴史ファンタジー映画。伝奇時代劇。

 

テレビドラマ

稲垣吾郎&杉本哲太主演、小田切正明演出、小松江里子&長川千佳子&田中江里夏&渡辺美穂子脚本、NHK制作のテレビシリーズ(2001)。

市川染五郎&堂本光一主演、山下智彦監督、金子成人脚本、テレビ朝日制作のテレビ映画(2015)。

佐々木蔵之介&市原隼人主演、篠原哲雄監督、山本むつみ脚本、テレビ朝日制作のテレビ映画(2020)。

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東宝Blu-ray Discを発売していない。NHK BSプレミアムフルHD放送は貴重。

 

 

感想

何度観てもおもしろい。原作小説は特におもしろい。

日本文学において、荒俣宏さんの『帝都物語』と並び、夢枕獏さんの『陰陽師』は画期的な作品だと思う。その後の小説、漫画、アニメ、ゲームなど創作物に大きな影響を与えた。

今観ると晴明と博雅のブロマンス(bromance)という観点でも、人気が出たのかなと思う。なにせ、シャーロック・ホームズとジョン・ワトスンからしてそうなのだから。

 

この映画は野村萬斎さんが主演だけど、野村萬斎さん以上に真田広之さんのお芝居が素晴らしいから、W主演、ともすれば主役を食っているようにも感じられる。

 

美術や衣装がいい。

今の日本映画界では難しい企画だね。21世紀の邦画は、製作費3億円で興行収入10億円が出れば黒字、という考えで製作委員会を組成している。だから実写化しやすい、現代日本が舞台の小説や少女漫画や青年漫画が原作の作品ばかりになる。

人気の若手芸能人を主演にすればその人のファンがお金を落としてくれるので、演技なんてどうでもいいとプロデューサーや出資者は考えている。俳優ですらない、アイドルやタレントなどをねじ込む。そもそもお芝居の良し悪しがわからないプロデューサーも多い。

芸能事務所や電通博報堂のゴリ押し。電通に権力を持たせると、東京オリンピック2020の開会式と閉会式のようになる。電通のクリエイティブディレクターはああいう人間。電通には「戦略十訓」がある(あった?)。電通が誘致から開催まで暗躍していた。電通のためのオリンピック。電通オリンピック。持続化給付金でも税金を貧っていた。

東京パラリンピック2020の開会式と閉会式は、政治家などの権力者や広告代理店などがあまり興味を持たなかったので、現場の人たちは邪魔されず、優れたものになった。

テレビ局が製作委員会に出資して、主演の芸能人をいろいろな番組に出演させれば、少ない宣伝費で大勢の観客を呼べる。国民の財産である電波を利用するため総務省から免許を発行してもらっている放送局が、私利私欲のために電波を浪費している。

テレビ局や大手映画会社が力を入れて宣伝している邦画はあまり期待していない。ミニシアターで上映される映画の方がいい作品が多い。

アニメ映画が比較的上手くいっていて、実写映画が落ちぶれているのには理由がある。アニメ業界の方が実写業界よりしがらみが少ないから。

 

 

キャスト

安倍晴明野村萬斎
源博雅伊藤英明
道尊:真田広之
青音:小泉今日子
蜜虫:今井絵理子
祐姫:夏川結衣
瓜の女:宝生舞
早良親王萩原聖人
藤原元方柄本明
帝:岸部一徳
藤原師輔矢島健一
桓武天皇陰陽頭石丸謙二郎
藤原兼家石井愃一
源忠正:螢雪次朗
小野清麻呂:下元史朗
桓武天皇:木下ほうか
任子:国分佐智子
橘右近:八巻建弐
伴高綱:白石雅士
長正:二橋進
康頼:大村正泰
産婆:小柳友貴美
綾子:立原瞳
晴明邸の式神の女:山本麻生、内田陽子、平山美花
静宮:山口美香
敦平親王:高橋拓未
広平親王:神宮卓
陰陽師平井賢治、高尾一生、中島崇文、岩瀬裕二、入江康之、城戸裕次、岡元次郎、清家利一、武田滋裕、藤田健次郎、岡田良治
幻覚の信者町民:宝井誠明
ナレーション:津嘉山正種

 

 

スタッフ

監督:滝田洋二郎
脚本:福田靖夢枕獏、江良至
原作:夢枕獏
キービジュアル・コンセプトデザイン・衣装デザイン:天野喜孝
VFXスーパーバイザー:石井教雄
VFXエグゼクティブ:二宮清隆
CGIプロデューサー:桑田秀行
特撮監督:尾上克郎
撮影:栢野直樹(J.S.C.)
照明:長田達也
美術:部谷京子
衣装:山本亜希子、二宮儀夫、斎藤育子、内海真敏、熊谷晃
メイクアップ・イフェクツ:原口智生
特殊メイク:山田陽
録音:小野寺修、柿沢潔
編集:冨田功、冨田伸子
音響効果:伊藤進一、小島彩(東洋音響カモメ)
音楽:梅林茂
音楽プロデューサー:梅林茂、吉澤博美
音楽編集:浅梨なおこ
VFX製作:オムニバス・ジャパン、東北新社
時代考証:花村統由
龍笛演奏・指導:芝祐靖
陰陽道指導:高橋圭也
殺陣:諸鍛冶裕太、山田一
スタント&アクション:ジャパンアクションエンタープライズ(岡元次郎、清家利一、武田滋裕、藤田健次郎、岡田良治)
アニマル・トレーナー(蛇):鳥塚憲一
特殊撮影:中根伸治
特撮照明:安藤和也
特撮編集:奥田浩史
特殊美術:松浦芳
特殊効果:鈴木昶
絵コンテ:辻野南
特殊造型:伊藤成昭、栄福哲史
助監督:足立公良
スクリプター:赤澤環
スチール:野上哲夫
現像:IMAGICA
スタジオ:日活撮影所、松竹京都映画
ロケ協力:京都市晴明神社、奈良国立文化財研究所、奈良市経済部観光課、えさし藤原の郷、江刺市御殿場市教育委員会、駒門風穴保存会
製作総指揮:植村伴次郎
企画:近藤晋
プロデューサー:林哲次、濱名一哉、遠谷信幸
企画協力:中川豊子(オフィス・オート)、中条裕之(夢枕獏事務所)、野村朗子(電通)
製作:原田俊明、気賀純夫、瀬崎巖、江川信也、島谷能成
共同プロデューサー:平野隆、田中渉、大川裕
アソシエイトプロデューサー:鶴崎りか
ラインプロデューサー:渡井敏久
製作担当:武石宏登、大里俊博
製作協力:東北新社クリエイツ
製作会社:東北新社、TBS(現・TBSテレビ)、電通角川書店東宝
配給:東宝