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『シンドラーのリスト』の感想

シンドラーのリスト
原題: Schindler's List
製作年:1993年
製作国:アメリカ合衆国

 

 

作品について

スティーヴン・スピルバーグ監督・プロデューサー。

トーマス・キニーリーの小説『シンドラーの箱船』が原作。

叙事詩的歴史ドラマ映画。

 

 

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感想

名作。

往年の古き良き映画をほうふつとさせる。

 

白黒映画だけど、ここぞというシーンをカラーにする演出。効果的。
ドキュメンタリーや記録映像を意識したらしい。ストーリーボードで演出計画を練らずに。40%は手持ちカメラ。ステディカム、elevated shots(ハイアングルショット、俯瞰)、ズームレンズは使わない。

 

演出

ナチス親衛隊に「なんとなく」で射殺されたゲットーのユダヤ人の血液が雪に広がっていく。白黒だから強烈。

バスタブを洗っている青年の前に現れたアーモン・ゲート。怯える青年と、鏡越しにアーモン・ゲートの姿をフレームに収める構図。その後で本人がフレームに入ってくる演出。「許す」と。

アーモン・ゲートが女性を殴る効果音と、オスカー・シンドラーの誕生日パーティーで参加者が拍手するシーンを交互に切り替える編集。contrast cut。

強制収容所で裸にさせて大部屋に閉じ込めたシーンは、毒ガスかと思わせる演出だった。部屋の電気を落とし、不穏な音響で。シャワーを浴びさせただけだったみたいだけど。

 

オスカー・シンドラーも最初は良心のある人ではなかった。でも人は変われる。良い方にも悪い方にも。

 

オスカー・シンドラーリーアム・ニーソン
ユダヤポーランド人会計士イザック・シュターンを、『ガンジー』でアカデミー賞を受賞したベン・キングズレーが。
SS将校アーモン・ゲート少尉をレイフ・ファインズ、後のヴォルデモート卿が演じている。
エミリエ・シンドラーはキャロライン・グッドール。
ヘレン・ヒルシュはエンベス・デイヴィッツ
現在なら豪華な役者陣。

 

ジュラシック・パーク』のポストプロダクション中に『シンドラーのリスト』を撮影。2つの作品を並行して制作した。今作の悲惨な内容に気が滅入っていた。『ジュラシック・パーク』の作業を行っていても気が晴れることはなかった。そんなとき、『フック』に出演したロビン・ウィリアムズが電話をかけてきて、何十分も笑わせてくれた。嬉しかった、とスティーヴン・スピルバーグ監督は後に語った。

 

ユニバーサル映画の会長Tom Pollockはカラーネガフィルムで撮影するよう依頼した。後でカラー版をVHSビデオで販売できるように。けれどスティーヴン・スピルバーグ監督は「出来事を美化」してしまわないようにした。

 

ワーナー・コミュニケーションズ及びタイム・ワーナー(現在のワーナーメディア)のCEOだったスティーブ・ロスに捧げられている。

 

スタッフ

監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:スティーヴン・ザイリアン
原作:トーマス・キニーリー
製作:スティーヴン・スピルバーグ、ジェラルド・モーレン、ブランコ・ラスティグ
製作総指揮:キャスリーン・ケネディ
撮影監督:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
ヴァイオリン・ソロ:イツァーク・パールマン
プロダクションデザイナー:Allan Starski
衣装デザイン:Anna B. Sheppard
視覚効果スーパーバイザー:Steve Price (ILM)
製作会社:アンブリン・エンターテインメント
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ