『SHOW BY ROCK!! STARS!!』第2話「Final Option」
感想
『SHOW BY ROCK!! STARS!!』第2話はSTUDIO JEMIの制作グロス回だった。エンディングのクレジットを見るまで外国のスタッフが制作したとはまったく気づかなかった。
「制作グロス」は1話まるごと発注・受注すること。『SHIROBAKO』用語集の「グロス」を参照のこと。
演出のKANG Won yeongさんとKIM Young bumさんは、オープニングアニメーションで原画を描いている。オープニングアニメーションやエンディングアニメーションの原画は、アニメーターとして実績がある人が依頼される。つまり監督や制作会社のプロデューサーが認めたアニメーターということ。
KIM Young bumさんは、フィリピン・日本の共同製作アニメ『バランガイ143』("Barangay 143")でanimation director(作画監督)をしていた人らしい。バスケットボールが題材のアニメだとか。日本からはシンエイ動画とテレビ朝日が製作に参加しているそうだ。
KANG Won yeongさんと似た綴りの名前の人が、同じく"Barangay 143"でanimation director(作画監督)をしていた。Studio Jemi所属なので、同一人物の可能性が高い。
いい絵コンテも、演出家が下手なら酷い映像になる。
作画監督のPARK Ga youngさんはオープニングでメインアニメーターの1人としてクレジットされている。
PARK Ga youngさんは他のアニメで何度も作画監督をしている。
伊藤晋之さんと永作友克さんが総作画監督としてチェック・修正するだけでOKの出来だった、ということがクレジットから読み取れる。(もし上がりが酷ければ、元請け制作会社側のスタッフが総出で、時間の許す限り修正・全修することになる。そういう現場のクレジットは想像に難くない。)
動画検査や色指定・仕上げ検査もSTUDIO JEMI側の人だろう。完成作品に出るのは動画マンが描いた線。動画がダメだと酷い映像になる。仕上げ検査も同様。
第2話の美術監督も任せている。制作グロスでも美術監督は日本で行うことが多いはず。珍しい。
脚本や絵コンテや設定までのpre-productionと、撮影や編集や音響のpost-productionは日本で。原画・動画・彩色・背景美術のproductionはグロス会社で。
制作グロスを任せられる外国の制作会社では、マッドハウスが時間をかけて人材育成したというDR MOVIEや、東映アニメーションフィリピン(Toei Phils.)などが知られている。
STUDIO JEMIは初めて知ったけれど、ここも高品質のアニメを制作する会社なんだね。
しかも、原画が4人、第二原画が12人、動画がわずか11人、仕上げが3人、背景が3人。現在の日本の制作会社でも、これだけ少人数で30分枠テレビアニメの1話数を制作できる環境はあまりないのでは?
ちなみに『SHOW BY ROCK!! しょーと2』はキネマシトラスで制作している。
第2話スタッフ
脚本:渡邊大輔
絵コンテ:池添隆博
演出:KANG Won yeong、KIM Young bum
作画監督:PARK Ga young、CHOI Zio、LEE Min young、HAN Eun jin、KWON Jong won
総作画監督:伊藤晋之、永作友克
動画検査:CHOI Byung choon
色指定・検査:Lee Bo ram
美術監督:Lee Joo yuong
制作進行:JANG Hun hwan
通訳・翻訳:Lee Mi ran
制作協力:STUDIO JEMI
シリーズスタッフ
原作:サンリオ
総監督:池添隆博
監督:山岸大悟
シリーズ構成・脚本:待田堂子
キャラクターデザイン:永作友克、伊藤晋之、大城勝
メインアニメーター:松尾亜希子、清水海都、滝口弘喜、樋口香里、PARK Ga young、石毛理恵
デザインリーダー:高倉武史
コンセプト・メカニックデザイン:片貝文洋
プロップデザイン:ヒラタリョウ、みき尾、杉村絢子
美術設定:小倉奈緒美
美術監督:菱沼由典、平柳悟
色彩設計:岡松杏奈
色彩設計補佐:山下宮緒
撮影監督:林コージロー
CGディレクター:河本浩紀
CGプロデューサー:吉岡宏起
CG制作:ENGI
編集:髙橋歩
音響監督:郷文裕貴
音響効果:和田俊也
音楽:高梨康治、Funta7、鈴木暁也
音楽プロデューサー:松岡貴徳
音楽制作:ポニーキャニオン
プロデューサー:安藤盛治、松岡貴徳、高橋卓也、町田雄史、田中宏孝、北澤史隆、金子広孝、宮城惣次、百田英生、松田穣、大森慎司、椎名崇徳、寺澤萌美、志田大地
アニメーションプロデューサー:小笠原宗紀
制作担当:中川豊太郎
制作担当補佐:大久保あすか、Kwon hwayoung
設定制作:岩奥沙紀
アニメーション制作:キネマシトラス
製作:SHOWBYROCK!!製作委員会M(フリュー、ポニーキャニオン、サンリオ、サミー、東京メトロポリタンテレビジョン、クロックワークス、81プロデュース、ソニー・ミュージックソリューションズ、BSフジ、スクウェア・エニックス、創通、北海道文化放送)