『アダムス・ファミリー』
原題:"The Addams Family"
製作年:1991年
製作国:アメリカ合衆国
公開日:1991年11月22日
作品について
バリー・ソネンフェルド監督。初監督作品。もともと撮影監督としてキャリアを重ねていた。
キャロライン・トンプソンとラリー・ウィルソンのチームが脚本を執筆。キャロライン・トンプソンはティム・バートン監督『シザーハンズ』(1990)の脚本・原案、ラリー・ウィルソンはティム・バートン監督『ビートルジュース』(1988)の原案・プロデューサー。
チャールズ・アダムス作のカートゥーン『アダムス・ファミリー』と、それをもとにした1964年のテレビシリーズ・シットコムが原作。
超自然的ブラックコメディ映画。
続編にバリー・ソネンフェルド監督『アダムス・ファミリー2』(1993)がある。スタッフ・キャストが続投した。
また、コンラッド・ヴァーノン監督・製作、グレッグ・ティアナン監督の3DCGアニメーション映画『アダムス・ファミリー』(2019)及び『アダムス・ファミリー2 アメリカ横断旅行!』(2021)が製作された。アニメーション制作は、イギリスのVFX制作会社 Cinesite Studios とカナダのアニメーション制作会社 Nitrogen Studios が担当した。Nitrogen Studios はグレッグ・ティアナン監督とニコール・スティンの夫妻が設立した。2017年3月7日に Cinesite に買収され、Cinesite のバンクーバー部門として運営されている。Nitrogen Studios は『きかんしゃトーマス』第13シリーズから第16シリーズまでをアニメーション制作したことで知られている。
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感想
何度観てもおもしろい。
アダムス・ファミリー
— なお (@naotie) 2019年10月21日
The Addams Family (1991)
バリー・ソネンフェルド監督 キャロライン・トンプソン&ラリー・ウィルソン脚本 チャールズ・アダムス原作 スコット・ルーディン製作
字幕版
初めて観た ブラックコメディ キャラクター描写やおもしろい場面もあるが、全体の話は微妙
美術と衣装は良い
クリスティーナ・リッチが可愛い。11歳のとき。『アダムス・ファミリー』シリーズではメイクで青白くなっている。ブラッド・シルバーリング監督『キャスパー』(1995)のキャット・ハーヴェイは健康的な可愛さ。
マーガレット・アルフォード役のダナ・アイヴィは、クリス・コロンバス監督『ホーム・アローン2』(1992)でプラザホテルのフロント係へスター・ストーンを演じた。
オープニングクレジットの手書き文字の書体(フォント)がバリー・ソネンフェルド監督らしい。『メン・イン・ブラック』シリーズと同じタイトルデザイン。
スタンリー・キューブリック監督・製作・共同脚本『博士の異常な愛情』(1964)のクレジットと似ている。
実はどれも Pablo Ferro によるタイトルデザイン。
2022年9月30日 21:00-22:54 と 2022年10月7日 21:00-22:54 に、日本テレビ系が『金曜ロードショー』で『アダムス・ファミリー』第1作第2作の日本テレビ版吹き替え版を放送。BD/DVDには収録されていないので貴重。
1995年10月13日の日本テレビ系『金曜ロードショー』、1999年5月15日のフジテレビ系『ゴールデン洋画劇場』に続き3回目の放送。地デジになってからは初放送。
Men in Black
BS12 トゥエルビが2022年10月1日、10月8日、10月15日の『土曜洋画劇場』で、バリー・ソネンフェルド監督『メン・イン・ブラック』シリーズ3作品を放送する。
音楽
Carol of the Bells
オープニングで「キャロル・オブ・ザ・ベル」("Carol of the Bells")が使われている。
クリス・コロンバス監督『ホーム・アローン』(1990)でも教会のシーンで児童聖歌隊が歌っている。ジョン・ウィリアムズさんが編曲したバージョン。
人気のクリスマス・キャロル。ウクライナ人作曲家マイコラ・レオントーヴィッチュの音楽に(1914年)、ウクライナ系アメリカ人作曲家ピーター・J・ウィルウフスキーが歌詞をつけた(1936年)。もともとはウクライナに伝わる、魔力を持つとされる詠唱だった。「シュチェドルィック」(英語"Shchedryk")(ウクライナ語"Щедрик")は、ウクライナ語で「恩寵の豊かな夜」という意味。
Deck the Halls
オープニングで「ひいらぎかざろう」("Deck the Halls")が歌われている。クリスマス・キャロル。ウェールズの音楽で、16世紀から伝わる。"Nos Galan" が原曲。英語の歌詞は1862年にスコットランド人音楽家 Thomas Oliphant が書いた。
クリス・コロンバス監督『ホーム・アローン』(1990)では、ケビンの母ケイト・マカリスターが、バンド「ポルカ・キング」の車で家まで送ってもらっているシーンで演奏されていた。
O sole mio
イタリアのカンツォーネ「オー・ソレ・ミオ」("'O sole mio")が使われている。
Getting to Know You
リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世のチームによるミュージカル『王様と私』より、"Getting to Know You" が使われている。
製作
監督
ティム・バートン監督は『バットマン リターンズ』(1992)の製作で忙しかったため、『アダムス・ファミリー』の監督を断った。
テリー・ギリアム監督もオファーを断った。
プロデューサーのスコット・ルーディンは visual stylist に監督を任せたかった。単なるコメディ映画の監督ではなく。
撮影
ロサンゼルスにある Hollywood Center Studios の Stage 3 と Stage 8 で大部分が撮影された。ここは1964年のテレビシリーズを撮影した場所。
撮影の途中(撮影終了の3か月前)でオーウェン・ロイズマン撮影監督が辞めたので、ゲイル・タッターサル撮影監督が後を引き継いだ。だが、撮影を再開してすぐに、ゲイル・タッターサルが入院したため、バリー・ソネンフェルド監督が撮影監督も兼務してなんとか完成させた。
Orion Pictures
もともとオライオン・ピクチャーズが製作していて配給する予定だったが、当時の財政難を理由に、撮影中にパラマウント・ピクチャーズに売却した。監督やプロデューサーなど製作者たちはこの事実を一切知らされず、ジャーナリストから聞いて知ったそうだ。
そもそもオライオン・ピクチャーズが1991年版映画に携わっていたのは、1964年版テレビシリーズの製作会社 Filmways を1982年に買収したことで、オライオン・ピクチャーズが1964年版テレビシリーズの著作権や映画化権などを持っていたため。
製作費2500万ドルで製作許可(green-light)が下りたが、度重なる脚本書き直し(rewrites)の結果新規シーンが追加され、500万ドルも予算を超過した。
当時のオライオン・ピクチャーズは、ジョナサン・デミ監督『羊たちの沈黙』(1991)やケビン・コスナー監督・製作・主演『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(1990)の大ヒットがあったが、その一方で大コケ映画がいくつもあり利益を食いつぶしていた。
1991年クリスマスシーズンには、スティーヴン・スピルバーグ監督『フック』(1991)が公開予定だったので、オライオン・ピクチャーズ経営陣は『アダムス・ファミリー』がさらなる失敗になると危惧し、損失を切り離す決断をした。
結果的に『アダムス・ファミリー』は大ヒットした。
パラマウント・ピクチャーズは北米の配給権を持ち、オライオン・ピクチャーズは北米を除く世界配給権を持っていた。メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)が1997年にオライオン・ピクチャーズを買収したため、現在はMGMが世界配給権を保有している。
コロンビア ピクチャーズが1991年当時持っていた劇場配給権の契約は既に切れたのかな? ちなみにコロンビア ピクチャーズは続編『アダムス・ファミリー2』(1993)には関与していない。
キャスト
モーティシア・アダムス:アンジェリカ・ヒューストン;高島雅羅、沢田敏子
ゴメズ・アダムス:ラウル・ジュリア;玄田哲章、池田勝
ウェンズデー・アダムス:クリスティーナ・リッチ;近藤玲子、小林優子
パグズリー・アダムス:ジミー・ワークマン;大谷育江、亀井芳子
グラニー・アダムス:ジュディス・マリナ;京田尚子、京田尚子
フェスター・アダムス / ゴードン・クレイブン:クリストファー・ロイド;麦人、青野武
マーガレット・アルフォード:ダナ・アイヴィ;沢田敏子、一城みゆ希
アビゲイル・クレイブン / Dr.グレタ・ピンダーシュロス:エリザベス・ウィルソン;谷育子、今井和子
タリー・アルフォード弁護士:ダン・ヘダヤ;青野武、辻親八
ジョージ・ウォーマック判事:ポール・ベネディクト;水野龍司、大木民夫
フローラ・アモール:モーリーン・スー・レヴィン;さとうあい、磯辺万沙子
ファウナ・アモール:ダーリーン・レヴィン;さとうあい、磯辺万沙子
サリー・ジェシー・ラファエル(本人役):サリー・ジェシー・ラファエル;さとうあい、磯辺万沙子
ガールスカウト:メルセデス・マクナブ;矢島晶子、大谷育江
ファーキンス:レラ・アイヴィー;叶木翔子、岡村明美
役人:ケイト・マクレガー=スチュワート;野沢由香里、達依久子
ラーチ(執事):カレル・ストルイケン
カズン・イット:ジョン・フランクリン
スーザン・フランクリン(教師):リーラ・アイビー
デクスター・アダムス:ダグラス・ブライアン・マーティン
ドナルド・アダムス:スティーブン・M・マーティン
ランピー・アダムス:ライアン・ホウリハン
オフィーリア・アダムス(蝋燭を持って踊る女性):アレグラ・ケント
ハンド(Thing):クリストファー・ハート
ソフト版
演出:蕨南勝之
翻訳:石田泰子
調整:兼子芳博
プロデューサー:吉岡美惠子、木村純子、島田尚美
制作:ACクリエイト株式会社
日本テレビ版
演出:伊達康将
翻訳:岩佐幸子
調整:荒井孝
効果:サウンドボックス
担当:神部宗之、菊地由香
制作:東北新社
初回放送1995年10月13日『金曜ロードショー』(本編約91分)
字幕翻訳:稲田嵯裕里(DVD、Blu-ray Disc)、鈴木恵美(NHK『プレミアムシネマ』版)
スタッフ
監督:バリー・ソネンフェルド
脚本:キャロライン・トンプソン & ラリー・ウィルソン
原作(キャラクター創造):チャールズ・アダムス
製作:スコット・ルーディン
製作総指揮:グラハム・プレイス
撮影監督:オーウェン・ロイズマン
編集:デデ・アレン、ジム・ミラー
音楽:マーク・シャイマン
共同プロデューサー:Jack Cummins
アソシエイトプロデューサー:Bonnie Arnold, Paul Rosenberg
製作会社:パラマウント・ピクチャーズ、オライオン・ピクチャーズ、スコット・ルーディン・プロダクションズ
配給:パラマウント映画 (北米)、コロンビア ピクチャーズ (インターナショナル)
配給(日本):COLTRI(コロンビア・トライスター映画)
プロダクションデザイン:Richard Macdonald
美術監督:Margie Stone McShirley (as Marjorie Stone McShirley)
セットデコレーション:Cheryal Kearney, John Sweeney (uncredited)
衣装デザイン:Ruth Myers
makeup design: Fern Buchner
hair design: Anthony Cortino
wigs: Paul Huntley
makeup artists: Katherine James, Kevin Haney
hair stylist: Christopher Shihar
casting director: David Rubin
unit production manager: Jack Cummins
executive in charge of production: Ron Lynch (uncredited)
first assistant director: Joe Camp III
second assistant director: Ian Foster Woolf
second second assistant directors: Joseph Brad Kluge, Michael Ryan Baxter
additional second assistant director: Zia Iampietro
additional photography: Gale Tattersall
choreographer: Peter Anastos
fencing choreographer: B.H. Barry
stunt coordinator: David R. Ellis
sound mixer: Peter F. Kurland
supervising sound editor: Cecelia Hall
re-recording mixers: Gregg Landaker, Gary Summers, Michael Minkler
co-supervising sound editor: Gary Wright
supervising foley editor: Pamela Bentkowski
supervising ADR editor: Juno J. Ellis
Re-Recorded at Skywalker Sound
music score producers: Marc Shaiman, Hummie Mann
orchestra conductor: Hummie Mann
orchestrations: Mark McKenzie
additional orchestrations: Steve Bartek, Ralph Burns, Dennis Dreith, Jack Eskew, Thomas Richard Sharp
music scoring mixer: Tim Boyle
Music Score Recorded at Warner Bros. Studio Facilities
music editor: George A. Martin
special effects coordinator: Chuck Gaspar
visual effects supervisor: Alan Munro
visual effects co-supervisor: Chuck Comisky
Visual Effects by Visual Concept Engineering (VCE)
optical composites: Peter Kuran
animation effects: Kevin Kutchaver, Al Magliochetti (as Al Mag), Pam Vick
photographic effects: Paul Gentry, William S. Conner (as Bill Conner), Gary George
optical effects line up: Dave Emerson, Brian Griffin, Tim Segulin, George Lockwood
optical printing: Todd Hall, Rick Hannigan, David Tucker, Gary Martin
special makeup effects artists: Louis Lazzara, Vance Hartwell (uncredited), Rick Stratton (uncredited)
prosthetic makeup artist: Dayne Johnson (uncredited)
creature effects: Vance Hartwell (uncredited), Jim Eustermann (uncredited)
visual effects directors of photography: Christopher Nibley, Bill Pope, Albert J. Dunk (as Bert Dunk), Jim Aupperle (as Jim Auperrel)
Special Prosthetics and Mechanical Devices by Alterian Studios, Inc., Tony Gardner
"Thing" Prosthetics and Puppeters: David Miller Studios, David B. Miller
Model Train Crash by Ron Thornton Effects
Matte Paintings by Illusion Arts
matte art composites: Bill Taylor, Syd Dutton
Main Title Designed by Pablo Ferro, Allen Ferro
"The Addams Family Theme" by Vic Mizzy