映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『イエスタデイをうたって』第4話: 時間経過の巧みな演出、縁側による境界のダブルミーニング

イエスタデイをうたって』第4話「川は流れて 榀子帰郷」

 

 

感想

1人1人、1枚1枚、違う素描(デッサン)を撮影で貼り込む。
京アニメーター学院の人たちが描いていたようだ。

 

ハルが着ているミルクホールの制服であるメイド服は、マスター狭山杏子の指定。

 

イエスタデイをうたって』のカメラワークは固定で撮影していることが多いけれど、浪が気持ちを吐露するカットは手振れさせる演出。

 

「榀子は俺の性格をよく知っている。おかげで俺はごめんなさいやありがとうが素直に言えない。ガキのままだ」という浪のモノローグとともに、グラスの滴が垂れてテーブルに広がる演出が良い。

 

和室

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©冬目景集英社イエスタデイをうたって製作委員会


湧と浪のお父さんと榀子が和室で湧の遺品を挟んで向かい合っている、ロングショットのカットが良い。構図もレイアウトも。
次の場面で同ポジションのカット。榀子1人が座っている。夕陽が傾き、室内に影を落とす。時間の経過を表す。長い時間、榀子が湧を想い出していた。
その間、浪のモノローグが続く。良い演出。
さらに次の場面、日が暮れて夕闇に包まれている和室。俯いている榀子。だんだん背中が丸くなっている。

 

和室の縁側が、浪の湧との間にある越えられない壁であり、また榀子と湧の境界になっている。どちらも過去と現在を隔てている。
幼少期の浪は縁側や庭にいるが、湧のいる和室には決して入っていない。
第3話まで回想で少しずつ積み重ねてきたことで、今回のダブルミーニングの演出が効いている。

絵コンテ・演出が巧い。

 

榀子が涙を流す芝居が上手い。

 

 

配信限定episode #4

福田タカノリに写真展の仕事を紹介されるリクオ

 

 

スタッフ

藤原佳幸監督
伊藤良太副監督

脚本:田中仁
絵コンテ:奥田佳子
演出:原口浩

制作進行:奥寺碩哉

作画監督:山野雅明、久保茉莉子、長尾圭吾、立口徳孝、菊永千里、菊池政芳、海保仁美
総作画監督吉川真帆

原画:
 田中翼   中島大智
 東郷芳宏  上武優也
 野口智也  南部広海
 尾辻浩晃  鹿戸大介
 藤田晋也  あるちゃう
 合田麻美  和泉晃耶
 荻上尚見  井中麻仁
 Peach   大木綾子
 きーくん  coge
 久保茉莉子 助川裕彦
 豚もう   川上恵里花
 原口浩

 堤絵梨果  田中那柚
 黒瀬悠依  松尾美希
 梅木ハジメ 戸早彩希愛

第二原画:
 全後映   安江杏珠
 齋藤めぐみ 水野公彰
 佐藤光晃  大迫光紘
 清水綾乃  石井円香

動画検査:大原真琴、小田道子、全後映、狩野洋典

動画:
 石井邦俊  小田道子
 全後映   狩野洋典
 佐藤歩野花 式地和也
 八木佐織  清水綾乃
 安江杏珠  齋藤めぐみ
 水野公彰  佐藤光晃
 大迫光紘  石井円香

 ライデンフィルム 大阪スタジオ
 王詩涵

 寿門堂

色指定・検査:呉政宏

仕上げ:
 竹内優太  伊藤裕香
 真壁源太  芦原明音

 寿門堂

背景:
 スタジオイースター
 干場佳織  秋山慎太郎
 曽根原理恵 妹尾想
 石川真理  王葆祺
 関口蓮   相澤諒
 平田卓也  木津海音
 村上悠太  田中伸哉
 牧岡聡   片岡乃梨子

撮影:
 伊藤邦彦  工藤康史
 杉浦誠一  福岡由惟
 水沼賢誠

撮影協力:
 エースクリエイション
 アスラフィルム
 デファー
 寿門堂

デッサン素材協力:
 東京アニメーター学院
 鵜飼美玖  下池萌絵
 髙橋宙大  佐藤将
 佐藤里咲  山崎春和
 柴野美奈  守重蛍
 小山ゆうき 小野恵理華
 小野将   松本匠
 談天    竹中勇馬
 町田珠来乃 渡部倫奨朗
 楠橋さつき 尹航

 東京ゲームデザイナー学院

 ダブトゥーンスタジオ