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『大誘拐 RAINBOW KIDS』感想

大誘拐 RAINBOW KIDS
製作年:1990年
製作国:日本
公開日:1991年1月15日

 

 

作品について

岡本喜八監督。

天藤真推理小説大誘拐』が原作。

犯罪コメディ映画。

 

 

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感想

おもしろい。痛快犯罪コメディ。

誘拐されたおばあさんが、誘拐犯の若者3人、家族、警察、メディアを手玉にとって騒動を巻き起こす。

身代金が5000万円だと聞き、私を見くびるなと言い、100億円を要求しろと指示を出す。

おばあさんは誘拐事件を利用して、戦争で子どもの命を奪った国に復讐を果たした。そして相続税物納で奪われてしまうはずだった、愛する森と山々を守った。

犯人逮捕でめでたしめでたし、というつまらない結末ではない。創作物において勧善懲悪なんてありきたり。誰も傷つけず犯罪を完遂する物語こそ娯楽たりうる。

 

なぜか警察本部長が捜査本部で指揮を執るし、被害者家族と何度も話をする。

本部長は「我々には一点の下心もない」とテレビの生放送で誘拐犯に呼びかける。被害者の保護が最優先ではあるが、警察が被疑者の逮捕を諦めることはありえない。警察官特有の嘘。

警察は一般人が法律に無知であることを悪用して騙す。警察に都合のいいように扱うために嘘をつく。だから弁護士同伴の人には、被害届や告訴状の受理拒否はしない。弁護士がいる被疑者には違法捜査はしない。

まあ下っ端の警察官も法律や条例を知らないが。

 

「RAINBOW KIDS」というサブタイトルを加える点が日本映画界らしい。時代を感じさせる。

劇伴が1980年代から1990年代前半にかけての典型的なシンセサイザーの電子音。

 

 

キャスト

柳川とし子 / 刀自:北林谷栄
戸並健次 / 雷:風間トオル
秋葉正義 / 風:内田勝
三宅平太 / 雨:西川弘志
柳川国二郎:神山繁
柳川可奈子:水野久美
柳川大作:岸部一徳
柳川英子:田村奈巳
串田:天本英世
安西:奥村公延
吉村紀美:松永麗子
邦子:岡本真実
「東京」:嶋田久作
鎌田:橋本功
古参刑事:常田富士男
高野:本田博太郎
長沼チーフアナウンサー:松澤一之
ラジオ和歌山社長:藤木悠
テレビ和歌山報道局長:上田耕一
テレビ和歌山社長:中谷一郎
ナレーター:寺田農
佐久間:竜雷太
中村くら:樹木希林
井狩大五郎:緒形拳

 

 

スタッフ

監督:岡本喜八
脚本:岡本喜八
原作:天藤真
製作:岡本よね子、田中義巳、安藤甫
プロデューサー:森知貴秀、水野洋介
撮影:岸本正広
美術:西岡善信、加門良一
録音:神保小四郎
照明:佐藤幸次郎
編集:鈴木晄、川島章正
音楽:佐藤勝
監督補佐:山下賢
助監督:橋本匡弘
スチール:工藤勝彦
協力:東宝映画、映像京都、東京現像所、にっかつスタジオセンター
製作:「大誘拐」製作委員会(喜八プロダクション、ニチメン、フジエイト)
配給:東宝