映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『忍の一時』第1話感想

『忍の一時』第1話「青天の霹靂」

 

 

作品について

DMM picturesとTROYCAによるオリジナルアニメ。

ninja-ittoki.com

渡部周監督。初監督。加藤誠監督『やがて君になる』(2018)の絵コンテ・演出。全13話中4話数の演出を担当した。

高野水登さんがシリーズ構成・脚本。実写畑の脚本家。実写版『賭ケグルイ』シリーズと『映像研には手を出すな!』シリーズの脚本を英勉監督と共同執筆。『真犯人フラグ』(2021)の脚本。アニメは、『TIGER & BUNNY2』(2022)の第6話をシリーズ構成の西田征史さんと共同執筆した経験がある程度。

鈴木勇さんがキャラクターデザイン・総作画監督。初キャラクターデザイン。別所誠人監督『アイドリッシュセブン』シリーズの作画監督、『やがて君になる』の作画監督総作画監督、加藤誠監督『ロード・エルメロイII世の事件簿』(2019)の衣装設定・作画監督

TROYCAが企画原案・アニメーション制作。TROYCAの強みは撮影処理。多くの作品で撮影監督を務めている加藤友宜さんが、TROYCA創業者の1人であり取締役でもあるので、撮影部門に力を入れている。

 

 

感想

よくある物語の第1話。ありきたり。数多あるライトノベルや漫画みたい。

何も知らない主人公が(知人から)襲われ、仲間に助けられ、そして自分の出自を知る。旧家の末裔、あるいは特別な力があると。

伊賀と甲賀の対立。もうひとひねりあるのかな? 一時の自宅の仏壇にお父さんの写真が置かれていて、Cパートで美濃部鬼道が「当主(頭首)・鬼神丸を失った痛み」と演説中に写真が映される。一時は伊賀と甲賀の血を受け継いでいるとか?

 

第1話は普通。可もなく不可もなく。

TROYCAのオリジナルアニメは、あおきえい監督の『アルドノア・ゼロ』と『Re:CREATORS』だからね。あおきえい監督は演出は上手いけれど、物語を作るのは微妙な監督。

『忍の一時』は渡部周監督だから期待したいところだけど。シリーズ構成・脚本が高野水登さんだから不安。理由は後述。

 

 

www.animatetimes.com

鈴木勇さんのキャラクターデザインは、本人がインタビューでも語っている通り合田浩章さんの影響を感じられる。

美濃部鬼道とかは『アイドリッシュセブン』の脇役男性っぽさもあるので、深川可純さんや猪股雅美さんの影響もあるのかな? 作画監督をローテーションでやっていたら身につくだろうし。

オリジナルアニメは、少しでも視聴者を引き付けるフックになるようにと、イラストレーターや漫画家にキャラクター原案を描いてもらうことが多い。それをアニメーターがアニメ用にデザインし直す。

『忍の一時』はキャラクター原案を立てず、鈴木勇さんオリジナルのキャラクターデザイン。

 

新井伸浩さんを原画によく呼べたね。新井伸浩さんは基本的にボンズで仕事をしているアニメーターで、しかもキャラクターデザイン・総作画監督を務めている五十嵐卓哉監督『文豪ストレイドッグス』第4期の放送が来年1月に控えているのに。

 

 

高野水登

シリーズ構成・脚本の高野水登さんは、あの『リコリス・リコイル』を絶賛していたので、脚本家としての実力を疑っている。『リコリス・リコイル』のシリーズ構成・脚本における重大な問題を見抜けない脚本家は、自分の作品でも問題点を洗い出して修正できない、つまりいいものを書けないのではないかと。

films.hatenablog.com

高野水登さんによる『リコリス・リコイル』の評価。

「おもしろいところはいっぱいある。話もおもしろいし、次への引きも気になるし。脚本を書いている身として、本当にこういうことやらなきゃだめだなと落ち込むくらいに話もおもしろい。上手い。」

【リコリコ】アニメ脚本家が熱弁する「実写映画好きほど観るべき理由」最終回前徹底解説 - YouTube

高野水登さんは、監督・シリーズ構成・脚本の足立慎吾さんのインタビューを読んでいないのだろう。足立慎吾さんは描きたいシーンやシチュエーションをただ並べただけで、物語として書く気がなかったように見受けられる。別件のインタビューで、映画に「ストーリーはどうでもいい」と公言するほど脚本を軽視している人。そのくせ初監督作品なのにプロの脚本家と二人三脚でアニメを作る気がなく、自分でシリーズ構成・脚本を書いた人。

高野水登さんは『リコリコ』を絶賛する必要性は一切なかったのに、ポッドキャストYouTubeTwitterで余計なことを言った。シリーズ構成・脚本を書いたオリジナルアニメの放送を控えているにもかかわらず。高野水登さんによるセルフネガティブキャンペーン

リコリス・リコイル』を絶賛した脚本家・高野水登さんのお手並み拝見。

 

 

余談

トムス・エンタテインメント執行役員営業本部副本部長兼ビジネスプロデュース部長の篠原宏康さんが企画でクレジットされている。『忍の一時』もトムス・エンタテインメントの「UNLIMITED PRODUCE プロジェクト」のひとつだったのか。

www.tms-e.co.jp

animationbusiness.info

animationbusiness.info

トムス・エンタテインメントはアニメ「制作」会社からアニメ「製作」会社に事業を転換したいのではないかと推測できる。

 

 

Blu-ray Disc

 

 

 

キャスト

櫻羽一時:逢坂良太
加賀時貞:小西克幸
紅雪:白石晴香
黄瀬川輝麗:悠木碧
鈴ノ音涼子:関根瞳
伴 朱雀:坂泰斗
高嶺火村:八代拓
櫻羽弓香:井上喜久子
森山光蔵:田中完
柘植礼羽:進藤尚美
伴 鳳扇:てらそままさき
高嶺焔毘:間宮康弘
椿 里美:富田美憂
美濃部鬼道:津田健次郎
上月汐音:高田憂希
五所川原隼人:前野智昭
唐獅子玄二:松風雅也
児雷坊十全:麦人
三ツ橋小南:森なな子

 

 

第1話スタッフ

脚本:高野水登
絵コンテ・演出:渡部周

作画監督:鈴木勇
作画監督協力:江間一隆

忍者スーツデザイン:牧野竜一

原画
 新井伸浩 小川真由美
 尾鼻亮太 江間一隆
 北島信幸 斎藤久
 進藤光輔 仁井宏隆
 花村千尋 松野裕
 諸石美雪 李華

 鈴木勇

第2原画
 黒田直寿 古矢好二
 西田光洋 松田美里

動画検査 宮本雄介

デジタル動仕
 TROYCA
 秋葉奈美恵 雨宮聖奈
 今福一花 上山真輝
 内村美佳子 梅本理央子
 大田香菜子 末藤楓恋
 田中唯 角貝早那
 藤吉友香里 山下大輝
 宮本雄介

動仕協力
 旭陽動画制作有限公司 神龍
 ステラ・ロード セブンシーズ

色指定・検査:
 篠原真理子
 林亜美(FINE COLORs)

仕上
 篠原真理子
 内田美香

背景
 スタジオちゅーりっぷ
 加藤学 大屋直輝
 鈴木大介 小林良
 賀蓉 工藤義隆
 王璐 豊﨑雄大
 蒲昌浩 長田亜美
 林祐歌 松澤一樹
 清水啓吾 李良英
 松尾祈実歌 Byun hyoseom
 伊藤愛理 宮牧龍之介
 川岸慶真 柴田潤也
 Sukrita Apidhanasombat
 Ivanova Anna
 秦小聡 哥丸晃子
 上野友貴栄 戸塚怜馬

モニターデザイン
 日本デザインセンター
 有馬トモユキ Nivirus

 梶村将太 瀬島卓也

3Dモデリング
 TROYCA
 井口光隆 馬川奈央

 SILVER LINK.
 土田駿

3DLO
 SILVER LINK.
 土田駿 平田洋平
 孔寧宇 栗林新
 小川瞭太郎 小笠原努

3Dセル・モーション
 TROYCA
 井口光隆

デジタルプロデューサー 加藤友宜

特殊効果・2Dワークス 川井朝美

撮影監督補佐 平川竜嗣

撮影
 TROYCA
 川井朝美
 平川竜嗣
 佐々木ゆめ
 眞籠葵
 恒屋美菜子
 渡邉萌々

 福澤瞳

プラグイン協力
 bry-ful
 北村浩久

ツール開発協力 横山暁

 

 

メインスタッフ

企画原案:DMM pictures × TROYCA
監督:渡部周
シリーズ構成:高野水登
キャラクターデザイン・総作画監督:鈴木勇
メインアニメーター:奥田淳
プロップデザイン:江間一隆
色彩設計:篠原真理子
美術監督岩瀬栄治
美術設定:高橋麻穂
CGディレクター:井口光隆
撮影監督:加藤友宜
編集:右山章太
音響監督:明田川仁
音響効果:和田俊也
音楽:TOMISIRO
音楽プロデューサー:酒井康平
音楽ディレクター:越前直人
音楽制作:DMM music
プロデューサー:高篠秀一、藤野麻耶、佐藤史子、大東歩、曹聡、喜本孝
制作プロデューサー:長野敏之
制作デスク:岡村繁久
アニメーション制作:TROYCA
製作:忍の一時製作委員会

 

企画:鶴田直一、篠原宏康、稲葉貢一、葛仰骞、大藤健
エグゼクティブプロデューサー:山田昇、鈴木隆浩、平田秀夫
アシスタントプロデューサー:菅野勇人
アソシエイトプロデューサー:岸田拓磨、野崎健一

『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』第1話感想

名探偵コナン 犯人の犯沢さん』第1話「やって来た犯人」

 

 

作品について

青山剛昌さん原作、かんばまゆこさん漫画のコメディ漫画が原作。青山剛昌さんの『名探偵コナン』のスピンオフ。

 

hanzawasan-file.com

大地丙太郎監督。『フルーツバスケット』(2001)、『神様はじめました』シリーズ(2012,2015)、『明治東亰恋伽』(2019)などの監督。NHKで放送されている『おじゃる丸』を1998年から24年間ずっと監督している。

シリーズ構成・脚本を置いていない。もともと『名探偵コナン』のテレビシリーズは飯岡順一さんがストーリーエディターを務めており、現在は原作がある話数は絵コンテ担当者が構成を兼ねるのが通例。アニメオリジナルエピソードの場合は脚本家が執筆する。だから『犯人の犯沢さん』も大地丙太郎監督や絵コンテ担当者が直接絵コンテを切っているのかな? 大地丙太郎監督は脚本も書く人だし。

千坂ふうさんがキャラクターデザイン。今までに『名探偵コナン』のOP47「カウントダウン」(NormCore)の絵コンテしかクレジットされたことがない謎の人物。キャラクターデザインを務めているということは、アニメーターである誰かの変名だろう。

w.atwiki.jp

藤堂真孝さんがアニメーションプロデューサー。『名探偵コナン』テレビシリーズの第750話(2014)から第928話(2019)まで制作担当、第1033話(2022)からプロデューサー。去年からのスピンオフシリーズである、山本泰一郎監督、鎌仲史陽監督『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』(2021)のプロデューサー、小坂知監督『名探偵コナン ゼロの日常』(2022)のアニメーションプロデューサー。

トムス・エンタテインメント 第1スタジオがアニメーション制作・製作。大地丙太郎監督『信長の忍び』シリーズ(2016-2018)も第1スタジオ制作。

 

 

感想

おもしろい。さすが大地丙太郎監督のコメディ演出。

米花町は世界屈指の犯罪都市だから、事故物件ではない住宅を探す方が難しいのか。

 

 

キャスト

犯沢さん(犯沢真人):蒼井翔太
ポメ太郎:水瀬いのり

犯林つとむ:榎木淳弥
大上祝二郎:稲葉実

江戸川コナン高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎小山力也
鈴木園子:松井菜桜子
目暮十三:茶風林
吉田歩美:岩居由希子
小嶋元太:高木渉
円谷光彦:大谷育江
灰原哀林原めぐみ
阿笠博士緒方賢一

 

 

スタッフ

絵コンテ:大地丙太郎
演出:佐藤雅子

作画監督:石川慎亮、岩井伸之

原画
 久米一成 奥澤明裕 片岡康治
 島崎望 清水由紀子 石川慎亮

第二原画
 佐々木まり子 朱賛恵 清水綾乃

 studio CANDYBOX

動画検査 王歓

動画
 株式会社旭プロダクション

色指定・仕上検査 宮脇裕美

仕上げ
 株式会社旭プロダクション

背景
 スタジオ心
 池田奈菜 長岡えりか 段海燕
 中川恵里 中島麻由実 中村千恵子

撮影
 トムス・フォト(T.D.F.)
 澤見泰治 西山裕子 蒲原有子 竹花祐介

 


メインスタッフ

原作:かんばまゆこ青山剛昌
監督:大地丙太郎
キャラクターデザイン:千坂ふう
プロップデザイン:玉置典彦、柊
筆文字デザイン:山本泰一郎
色彩設計:宮脇裕美
美術監督:中島麻由実(スタジオ心)
美術監修:中村千恵子
撮影監督:佐々木明美
編集:藤田育代
音響監督:浦上靖之浦上慶子
音響効果:山田香織
音楽:安部純、武藤星児
音楽プロデューサー:大隅啓良
音楽協力:小学館ミュージック&デジタルエンタテインメント
音源協力:「名探偵コナン メイン・テーマ」大野克夫日本コロムビア
プロデューサー:近藤秀峰、佐藤エミ、中田博也、寺島清晃
アニメーションプロデューサー:藤堂真孝
アニメーション制作:TMS/第1スタジオ
制作:小学館集英社プロダクショントムス・エンタテインメント
製作:「名探偵コナン 犯人の犯沢さん」製作委員会

 

企画:沢辺伸政、藤田亮、宮本典博、石山桂一
原作協力:大嶋一範、松本敬天、舟本りある、薄谷正和

『新米錬金術師の店舗経営』第1話感想

『新米錬金術師の店舗経営』第1話「お店を手に入れた!」

 

 

作品について

いつきみずほさんのライトノベルが原作。「なろう」発だけど、富士見ファンタジア文庫からの書籍版の出版と並行して、ウェブ版がKADOKAWAの「カクヨム」にも掲載されている。

 

shinmai-renkin.com

博史池畠監督。『それが声優!』(2015)、『AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION-』(2017)、『キラッとプリ☆チャン』(2018-2021)、『トニカクカワイイ』(2020)などの監督。『魔法陣グルグル』のシリーズディレクター(監督)(渡邉徹明副監督)。3年間続いた『キラッとプリ☆チャン』を監督しながら同時期に他作品も監督していることからもわかるように、常に複数作品を掛け持ちしている監督。2023年放送予定の2作品で監督を務めることがすでに発表されている。

村越繁さんがシリーズ構成・脚本。境宗久監督『ゾンビランドサガ』シリーズのシリーズ構成・脚本。清水久敏監督『体操ザムライ』(2020)のシリーズ構成・脚本。菅沼栄治監督『ルパン三世 PART6』第2クール(2022)のシリーズ構成・脚本。博史池畠監督とは『群れなせ!シートン学園』(2020)で組んでいる。

伊藤陽祐さんがキャラクターデザイン・総作画監督。佐々木勅嘉監督『京都寺町三条のホームズ』(2018)のキャラクターデザイン・総作画監督。栗原学監督、福元しんいち副監督、三浦和也アニメーションスーパーバイザー『探偵はもう、死んでいる。』(2021)のキャラクターデザイン・総作画監督

鯉川慎平さんが総作画監督橘正紀監督、大畑晃一助監督『PHANTASY STAR ONLINE 2 EPISODE ORACLE』(2019)のキャラクターデザイン・総作画監督

川瀬まさおさんがレイアウト監修。『キラッとプリ☆チャン』(2018-2021)で助監督を務めていた。博史池畠監督作品に何度も参加している。

ENGIがアニメーション制作。KADOKAWA連結子会社。元請け制作アニメよりもグロス請け制作話数の方がアニメーターの集め方がいいという制作会社。

 

 

感想

「なろう」なのに異世界転生や異世界転移ではない。ハイファンタジー

孤児の主人公の成長物語は児童文学の王道。まあサラサは両親を亡くした孤児だけど、錬金術師の師匠からベタベタに甘やかされている。

 

博史池畠監督の信頼が厚い川瀬まさおさんがシリーズを通してレイアウト監修することで、レイアウトの底上げ、ひいてはクオリティの底上げをしているのだろう。「信頼が厚い」というのは、レイアウト監修を任されていることからうかがい知ることができる。ENGIのような制作会社で一定の品質を保つには、レイアウト段階できっちり底上げしなければならないという現実がある。

第1話は全カットのレイアウトを6人で描いて、第二原画を中国の2社に撒いている。作画監督は2人、パート作監

 

 

Blu-ray Disc

 

 

 

キャスト

サラサ・フィード:高尾奏音
ロレア:木野日菜
アイリス・ロッツェ:大西沙織
ケイト・スターヴェン:諏訪ななか
オフィーリア・ミリス:斎賀みつき
マリア:小清水亜美

 

 

第1話スタッフ

脚本:村越繁
絵コンテ:博史池畠
演出:槙麻里奈

総作画監督:伊藤陽祐
作画監督:亀山千夏、増井良紀

 

 

メインスタッフ

原作:いつきみずほ
キャラクター原案:ふーみ
監督:博史池畠
シリーズ構成:村越繁
キャラクターデザイン・総作画監督:伊藤陽祐
総作画監督鯉川慎平
LO監修:川瀬まさお
色彩設計:西詠仔
美術監督・美術設定:荒井和浩
撮影監督:芹澤陽香
編集:三嶋章紀
音響監督:本山哲
音響効果:櫻井陽子
音楽:富貴晴美
音楽プロデューサー:井上哲也
音楽制作:日本コロムビア
プロデューサー:河本紗知、徳村憲一、田辺哲太、澁谷知子、礒谷徳知、岡田英健
アニメーションプロデューサー:安藤圭一
ラインプロデューサー:錦織宝
アニメーション制作:ENGI
製作:「新米錬金術師の店舗経営」製作委員会(KADOKAWA、サミー、日本コロムビアAT-Xキルタイムコミュニケーション)

 

企画:菊池剛、工藤大丈、青柳昌行
エグゼクティブプロデューサー:田中翔里見治紀、万木壮、北條真、山崎明日香、子安喜美子

『トゥルーマン・ショー』感想: 名作映画

トゥルーマン・ショー
原題:"The Truman Show"
製作年:1998年
製作国:アメリカ合衆国
公開日:1998年6月5日

 

 

作品について

ピーター・ウィアー監督。

アンドリュー・ニコル脚本・プロデューサー。

サイコロジカル・SF・風刺・コメディドラマ映画(psychological science fiction satirical comedy-drama film)。

 

 

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感想

何度観てもおもしろい。いい映画。名作映画。

トゥルーマン・ショー』は、ラストシーンの痛烈な風刺を成立させるために、96分間に渡りストーリーを描いてきたと言っても過言ではない。

 

クリストフが父親のようにトゥルーマンを見守っている、という解釈があるが、私はそれを否定する。作中番組の根本は人権侵害の上に成り立っているテレビ番組であり、疑似的な家族愛でもって非人道的な行為を帳消しにはできない。免責されるべきものではない。たとえクリストフが番組開始時はトゥルーマンを道具としてしか見ていなかったが、次第に親としての愛に目覚めたのだとしても。傲慢。父権主義の最たるもの。

リアリティ番組トゥルーマン・ショー』が世界220ヶ国で放送され続けているという設定は、作中世界がディストピアであることを示している。手塚治虫さんの名作漫画『火の鳥』「生命編」(1980年初出)や、リチャード・バックマン(スティーヴン・キング)原作のポール・マイケル・グレイザー監督『バトルランナー』(1987)と同じ穴の狢。

よってリアリティ番組トゥルーマン・ショー』を見ている視聴者も、番組製作者やテレビネットワークと等しく同罪。

 

トゥルーマンの疑問が確信に変わった切っ掛けとして、妻メリルが夫との会話にそぐわない露骨な商品の宣伝をしたことが描かれる。プロダクトプレイスメントへの風刺。

作中番組でメリル・バーバンクを演じていたハンナ・ジルは、愛していない男性と結婚し、夫婦生活を送っていたことになる。お見合い結婚のように、夫婦として暮らしているうちに相手を愛するようになったかもしれないけれど。トゥルーマンの狂気を目の当たりにし、途中で耐えられなくなって、逃げ出す。

 

トゥルーマン・ショー』は、シミュレーテッド・リアリティ、実存主義、監視社会、プライバシー、リアリティ番組、メタ哲学、宗教について考察した作品だと批評されている。

また、ディストピア・フィクション、メタフィクション、心理ドラマ、ロマンティック・コメディ、風刺、社会派SFといった要素を織り交ぜた hybrid genre (あるいは cross-genre, multi-genre, mixed genre) だと説明されている。

 

トゥルーマン・ショー』は陰謀論と関連付けて語られることがある。実際、『トゥルーマン・ショー』を見て、自分は監視されているという被害妄想を抱き始める人がいるそうなので。統合失調症の可能性もある。

 

エンドクレジットでは、キャストは Truman's World と Christof's World と The Viewers に分けてクレジットされている。

 

 

似た題材の作品がいくつかある。

24時間365日テレビ番組の被写体として撮影・放送されるという題材は、ロン・ハワード監督・製作、ブライアン・グレイザー製作『エドtv』(1999)がある。マシュー・マコノヒー主演。

この種の台本なしの番組は、リアリティーショーと呼ばれている。

違いは、『エドtv』は自分からプライバシーをさらけ出す人の物語。『トゥルーマン・ショー』は、生まれたときからずっと監視され続け、それを大勢の他人のための娯楽として消費され続けた人の物語。

トゥルーマン・ショー』の方が出来がいい。

M・ナイト・シャマラン監督・脚本・製作『ヴィレッジ』(2004)は、隔絶された箱庭世界の中でその事実を知らずに生きる人々、という点が共通している。

 

 

 

音楽

ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲 ピアノソナタ第11番 第3楽章「トルコ行進曲付き」。ヴィルヘルム・ケンプ演奏。ドイツ・グラモフォン

フレデリック・ショパン作曲 ピアノ協奏曲第1番 第2楽章。アルトゥール・ルービンシュタイン演奏、スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ指揮。BMG Classics/RCA Victor。

ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲 ホルン協奏曲第1番 第1楽章。Philharmonia Baroque Orchestra 管弦楽、Nicholas McGegan 指揮、Lowell Greer ソロ演奏。Harmonia Mundi France。

 

 

キャスト

トゥルーマン・バーバンク:ジム・キャリー堀内賢雄宮本充
クリストフ:エド・ハリス納谷六朗堀勝之祐
メリル・バーバンク / ハンナ・ジル:ローラ・リニー佐々木優子高島雅羅
マーロン / ルイス・コルトラン:ノア・エメリッヒ中田和宏、山野井仁
ローレン・ガーランド / シルビア:ナターシャ・マケルホーン渡辺美佐五十嵐麗
アンジェラ・バーバンク:ホランド・テイラー;定岡小百合定岡小百合
カーク・バーバンク:ブライアン・ディレイト;稲葉実田中正彦
過去のトゥルーマン:ブレア・スレイター
ローレンス:ピーター・クラウス;古田信幸、?
ヴィヴィアン:ハイジ・シャンツ
ロン:ロン・テイラー
ドン:ドン・テイラー
ディレクター:ポール・ジアマッティ大川透桐本琢也
ディレクター:アダム・トメイ
マイク・マイケルソン:ハリー・シェアラー田原アルノ田原アルノ
クロエ:ウナ・デーモン     榎本智恵子、?
ネットワーク・エグゼクティヴ:フィリップ・ベイカー・ホール長島雄一、?
ネットワーク・エグゼクティヴ:ジョン・プレシェット
キーボード・アーティスト:フィリップ・グラス
バーのウェイトレス:オーラン・ジョーンズ
日本人視聴者:ユウジ・オクモト;?、青山穣

 

 

スタッフ

監督:ピーター・ウィアー
脚本:アンドリュー・ニコル
製作:スコット・ルーディンアンドリュー・ニコルエドワード・S・フェルドマン、アダム・シュローダー
製作総指揮:リン・プレシェット
共同製作:リチャード・ルーク・ロスチャイルド
撮影監督:ピーター・ビジウ
編集:ウィリアム・M・アンダーソン、リー・スミス
音楽:ブルクハルト・ダルウィッツ、フィリップ・グラス
製作会社:スコット・ルーディン・プロダクションズ
配給:パラマウント・ピクチャーズ

配給(日本):UIP (United International Pictures)

 

プロダクションデザイン:Dennis Gassner
美術監督:Richard L. Johnson
セットデコレーション:Nancy Haigh, J Sanchez (uncredited)
衣装デザイン:Marilyn Matthews
special design consultant: Wendy Stites

supervising makeup artists: Ron Berkeley, Brad Wilder
supervising hairstylists: Bette Iverson, Hazel Catmull

casting director: Howard Feuer

unit production managers: Richard Luke Rothschild, Joseph P. Kane
production supervisor: Philip Steuer
post-production supervisor: Rosemary Dority

first assistant director: Alan B. Curtiss
second assistant director: Jonathan Watson
second second assistant director: David M. Bernstein

second unit director: Michael J. McAlister
second unit assistant director: Robert Huberman

production sound: Art Rochester
sound design: Lee Smith
re-recording mixers: Phil Heywood, Martin Oswin

boat effects designer: Peter Chesney
special effects: Larz Anderson
image engineering coordinator: Blaine Converse
special atmospheric effects: Bolan Jet Air

visual effects supervisor: Michael J. McAlister
visual effects producer: Juliette Yager

Special Visual Effects by Cinesite
digital visual effects supervisor: Brad Kuehn
digital visual effects producer: Ariana Lingenfelser
digital effects supervisor: Kevin Lingenfelser
3D supervisor: Joe Pasquale
digital compositor: David Lingenfelser
digital artists: Ted Andre, Laura Hanigan
CGI animators: Mieko Yoshida, Gokhan Kisacikoglu, Jason Wardle, Eduardo Silva, Richard Klein, Eric Pender
concept matte artist: Roger Kupelian
rotoscope supervisor: Karen Klein 

Digital Compositing by The Computer Film Company

3D Matte Paintings by Matte World Digital
visual effects supervisor: Craig Barron
executive in charge of production: Krystyna Demkowicz
visual effects producer: Martin Matzinger
chief digital matte artist: Chris Evans
digital matte artists: Brett Northcutt, Caroleen Green
digital composite supervisor: Paul Rivera

Tru-Talk Title Sequence Designed by Imaginary Forces

Additional Visual Effects by Available Light, EDS, Stirber Visual Network

『インクレディブル・ハルク』感想

インクレディブル・ハルク
原題:"The Incredible Hulk"
製作年:2008年
製作国:アメリカ合衆国
公開日:2008年6月13日

 

 

作品について

ルイ・レテリエ監督。

マーベル・コミックの『ハルク』が原作。

マーベル・シネマティック・ユニバース』第2作。

スーパーヒーロー映画。

 

 

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感想

アン・リー監督『ハルク』(2003)はたしか観たと思う。ただ話を覚えていない。

 

ハルクはただの緑色の巨人族にしか見えない。

 

サディアス・ロス将軍は娘の安全を第一に考えていると言ったが、その娘が陸軍の軍事作戦で死にかけたのだけれど。将軍が殲滅しようとしたハルクが守ったから助かった。

もともとロス将軍が指揮していたスーパーソルジャー計画の実験失敗で、ブルース・バナーが怪物になり、ベティもその時に重傷を負った。ブルースを敵視。非人道的なスーパーソルジャー計画に執念を燃やし、実験失敗を隠蔽するためブルースをストーキング。

エミル・ブロンスキーもブルースの血液サンプルを自ら投与してモンスター化。

つまりロス将軍が諸悪の根源。

 

スーパーソルジャー計画、別名プロジェクト・リバース。

Project Rebirth (based on Weapon I from the Marvel Comics), also known as the Super Soldier Program, is a collaboration between U.S., British and German scientists led by Dr. Abraham Erskine under the supervision of Peggy Carter, Howard Stark, and Chester Phillips to create a new breed of super-soldiers. The first successful test leads to the creation of Captain America by enhancing the sickly Steve Rogers, but is abandoned following the assassination of Erskine by Heinz Kruger.

Features of the Marvel Cinematic Universe - Wikipedia

キャプテン・アメリカはスーパーソルジャー計画の被験者で最初の成功例だったのか。『アベンジャーズ』シリーズを含む『MCU』はいくつか観たけれど知らなかった。

ハワード・スタークはたしかトニー・スターク(アイアンマン)の父親だっけ。会社の創業者。親子そろってダメ人間では?

 

ハルクとアボミネーションが街中で互いに走って距離を詰め、体ごとぶつかり合うシーンが、アダム・ウィンガード監督『ゴジラvsコング』(2021)みたい。

ハルクのパルクールキングコングにしか見えない。

ハルクは「ハルクスマッシュ!」と技名を叫べるなら、理性で行動を制御できるのでは?

 

 

エドワード・ノートンはこの1作限りでブルース・バナー及びハルク役を降板したので、それ以降の『MCU』ではマーク・ラファロが演じている。エドワード・ノートンが続投を拒否した理由は、マーベル・スタジオ、つまりケヴィン・ファイギによる最終編集に不満を抱いたから。

ハリウッドでは最終編集権(final cut privilege)が通常はプロデューサーにあるので、監督ともめることが珍しくない。一握りの映画監督だけが、最終編集権を持つという契約を交わせる。だから実績を残した映画監督はプロデューサーを兼務する人が多い。

 

 

キャスト

ブルース・バナー / ハルク - エドワード・ノートン(水嶋ヒロ)
ハルク - ルー・フェリグノ(乃村健次)
エリザベス・“ベティ”・ロス - リヴ・タイラー(甲斐田裕子)
エミル・ブロンスキー / アボミネーション - ティム・ロス(檀臣幸)
サディアス・E・“サンダーボルト”・ロス - ウィリアム・ハート(菅生隆之)
サミュエル・スターンズ - ティム・ブレイク・ネルソン(森川智之)
レナード・サムソン - タイ・バーレル(藤原啓治)
キャスリーン・スパー - クリスティナ・カボット
ジョー・グレラー - ピーター・メンサー(山野井仁)
スタンリー - ポール・ソールズ(小山武宏)
マルティナ - デボラ・ナシメント
タフガイリーダー - ペドロ・サリバン(駒谷昌男)
合気道のインストラクター - ヒクソン・グレイシー(木下浩之)
ロジャー・ハリントン - マーティン・スター
ジャック・マクギー - ニコラス・ローズ
ジム・ウィルソン - P.J.・ケル
ミルウォーキーの男 - スタン・リー(間宮康弘)
タクシードライバー - リック・コーデイロ(落合弘治)

ノンクレジット・カメオ出演
トニー・スターク / アイアンマン - ロバート・ダウニー・Jr.(藤原啓治)

その他
田野恵加瀬康之、咲野俊介、小松史法、原田晃、田中晶子、加納千秋

 

吹替翻訳:桜井裕子
字幕翻訳:松浦美奈

 

 

スタッフ

監督:ルイ・レテリエ
脚本:ザック・ペン
原案:ザック・ペン
原作:スタン・リー and ジャック・カービー
製作:アヴィ・アラッドゲイル・アン・ハードケヴィン・ファイギ
製作総指揮:スタン・リー、デヴィッド・メイゼル、ジム・ヴァン・ウィック
撮影監督:ピーター・メンジース・ジュニア
編集:ジョン・ライト、リック・シェイン、ヴィンセント・タバイロン
音楽:クレイグ・アームストロング
製作会社:マーベル・スタジオ、ヴァルハラ・モーション・ピクチャーズ
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ

配給(日本):ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (日本)

 

プロダクションデザイン:Kirk M. Petruccelli
美術監督:Daniel T. Dorrance as supervising art director; Andrew M. Stearn, Clóvis Bueno (Rio Unit)
セットデコレーション:Gordon Clapp (Bella Coola Unit), Mónica Rochlin (Rio Unit)
衣装デザイン:Denise Cronenberg, Renée Bravener

second unit director: Gary Capo
second unit director of photography: Ian Fox
aerial unit directors of photography: Steve Koster, Hans Bjerno

sound mixer: Greg Chapman
re-recording mixers: Andy Koyama, Chris Carpenter
sound designer: Michael Babcock
supervising sound editors: Greg Hedgepath, Eric Lindemann
supervising dialog editor: David Williams
supervising ADR editor: Bobbi Banks
supervising foley editor: Thom Brennan

special effects coordinator: Laird McMurray
special effects co-coordinators: Arthur Langevin, Rafael Sola (Bella Coola Unit)

visual effects supervisor: Kurt Williams
visual effects producer: Paul V. Molles

『めぞん一刻 移りゆく季節の中で』感想

めぞん一刻 移りゆく季節の中で』
製作年:2000年
製作国:日本
公開日:2000年11月15日

 

 

作品について

高橋留美子さんの漫画が原作。

1986年3月26日から1988年3月2日まで放送されたテレビシリーズの総集編OVA。90分。2000年11月15日にDVDが発売された。

3代目監督を務めた目吉永尚之監督が総集編の監督。

 

 

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感想

めぞん一刻』を初めて観た。おもしろい。

ちゃんと人間を描いている。心の機微。心理描写が巧み。

90分の総集編ですら片鱗を感じるのだから、本来のテレビシリーズだともっとすごいのだろうね。

響子が裕作に「弱虫」「意気地なし」と罵ったのは、響子がいぶきから言われた言葉そのまま。

 

現在で言うところのシェアハウスもの。

バブル時代直前の日本社会が描かれている。

響子が自分のことを未亡人だと説明する。1980年代はまだ「未亡人」という言葉が一般的だったのかな? 字義どおりに解釈すると「(伴侶が亡くなったのに)未だに死んでいない人」。

 

昔のテレビアニメだからアスペクト比が4:3で、現在とはレイアウトの切り方が全然違うね。寄りの構図はバストショット、引きの構図は太腿から上や全身のフルショット。

 

 

キャスト

音無響子 - 島本須美
五代裕作 - 二又一成渡辺久美子(幼少時)
四谷 / 惣一郎(犬) - 千葉繁
六本木朱美 / 花子 / 恭子 - 三田ゆう子
一の瀬花枝 - 青木和代
一の瀬賢太郎 - 坂本千夏
音無惣一郎 - 田中秀幸
三鷹瞬 / 三鷹の父 - 神谷明
七尾こずえ - 冨永みーな
音無郁子 - 荘真由美
音無老人 - 槐柳二
茶々丸のマスター - 若本規夫
坂本 - 古川登志夫
八神いぶき - 渕崎有里子(渕崎ゆり子)
九条明日菜 - 鶴ひろみ
五代ゆかり - 京田尚子
飯岡 - 富山敬
千草律子 - 松島みのり
響子の父 - 富田耕生
一の瀬氏 - 矢田稔
五代の父 - 西村知道
五代の母 - 朝井良江→浅井淑子
郁子の母 - 峰あつ子
黒木小夜子 - 島津冴子
早乙女部長 - 大竹宏
上荻先生 - 沢田敏子
三鷹の叔父 / 恭子の父 - 天地麦人
かすみ / 三鷹の母 - 小宮和枝
小林 - 喜多川拓郎
小泉 / 敦子 / 太郎 / 葉介 / 恭子の母 - 林原めぐみ
神坂 - 鷹森淑乃
明日菜の父 - 亀山助清
明日菜の母 / みどり - 高島雅羅
八神の父 - 兼本新吾
八神の母 - 向殿あさみ
悦子 - 室井深雪
麻美 / 徹 - TARAKO
こずえの父 - 納谷六朗
こずえの母 - 坪井章子
ゆうこ - 勝生真沙子
三越善三郎 - 堀勝之祐
トシゾー - 増岡弘

 

 

スタッフ

原作:高橋留美子
監督:吉永尚之
音楽:川井憲次、杉山卓夫

主題歌
悲しみよこんにちは
作詞:森雪之丞
作曲:玉置浩二
編曲:武部聡志
歌:斉藤由貴

 

シリーズスタッフ

原作:高橋留美子
チーフディレクターやまざきかずお(第1話-第26話)、安濃高志(第27話-第52話)、吉永尚之(第53話-第96話)
アシスタントディレクター:吉永尚之(第47話-第52話)
シリーズ構成:土屋斗紀雄(第1話-第26話)、伊藤和典(第27話-第52話)、高屋敷英夫(第53話-第96話)
キャラクターデザイン:もりやまゆうじ(第1話-第26話)、高田明美(第27話-第96話)
カラーコーディネート:保田道世(第27話-第52話)
美術監督:朝倉千登勢
撮影監督:小澤次雄
編集:森田編集室 坂本雅紀(第1話-第23話、第25話-第26話、第53話-第96話) 森田清次
録音演出:斯波重治
効果:依田安文
調整:桑原邦男
録音演出助手:浅梨なおこ(第1話-第35話、第53話-第96話)
音楽:杉山卓夫(第1話-第26話、第38話-第96話)、川井憲次(第27話-第96話)
製作:多賀英典
企画:岡正(フジテレビ)(第1話-第76話)、落合茂一(キティ・フィルム)
プロデューサー:松下洋子(キティ・フィルム)、久保真(スタジオディーン)、加藤裕子(フジテレビ)(第1話-第76話)、中尾嘉伸(フジテレビ)(第77話-第96話)、河野雄一(フジテレビ)(第77話-第96話)
デスク:半澤正幸
アニメーション制作:スタジオディーン
制作:フジテレビ、キティ・フィルム

 

各話スタッフ

脚本:土屋斗紀雄、柳川茂、金春智子武上純希、小西川博、島田満伊藤和典、高屋敷英夫、金子裕

絵コンテ:やまざきかずお湯山邦彦、鹿島典夫、向後知一、古川順康、山内重保、小島多美子、吉永尚之鈴木行、片山一良、安濃高志望月智充大賀俊二片渕須直、近藤英輔、棚橋一徳、山本智史、茂木智里、澤井幸次

演出:やまざきかずお吉永尚之、関田修、向後知一、鈴木行、片山一良、近藤英輔、片渕須直、山口頼房、山本智史、茂木智里、澤井幸次

作画監督:河南正昭、服部圭子、音無竜之介土器手司中島敦子、高岡希一、小川博司、清水恵蔵、鈴木俊二

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1話感想

機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1話「魔女と花嫁」

 

 

作品について

機動戦士ガンダム』シリーズの新作テレビシリーズ。オリジナルアニメ。

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小林寛監督。『キズナイーバー』(2016)の監督。樋口真嗣総監督『ひそねとまそたん』(2018)の監督。さとうけいいち監督『神撃のバハムート GENESIS』(2014)の副監督。『キズナイーバー』で演出が上手いねと思って、それ以降注目している。

安藤良副監督。『亜人ちゃんは語りたい』(2017)の監督。京極尚彦監督『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』(2015-2016)のチーフ演出。古田丈司監督『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』(2018)のシリーズディレクター。『亜人ちゃんは語りたい』で演出が上手いねと思って、それ以降注目している。直近では、石井俊匡監督『86-エイティシックス-』(2021)の絵コンテ・演出がよかった。

大河内一楼さんがシリーズ構成・脚本。谷口悟朗監督『プラネテス』(2003)のシリーズ構成・全話脚本、『コードギアス 反逆のルルーシュ』(2006-2008)のストーリー原案・シリーズ構成・脚本。橘正紀監督『プリンセス・プリンシパル』(2017)のシリーズ構成・脚本。内海紘子監督『SK∞ エスケーエイト』(2021)のシリーズ構成・全話脚本。

モグモさんがキャラクターデザイン原案。イラストレーター。

田頭真理恵さん、戸井田珠里さん、高谷浩利さんが共同でキャラクターデザイン。田頭真理恵さんは、下田正美監督『ゼーガペインADP』(2016)のキャラクターデザイン。戸井田珠里さんは、綿田慎也監督『ガンダムビルドダイバーズ』シリーズのキャラクターデザイン。高谷浩利さんは、西田正義監督(第1話-第103話)・総監督(第104話-第145話)、片貝慎監督(第104話-第145話)『アイシールド21』(2005-2008)や、こだま兼嗣監督『結界師』(2006-2008)のキャラクターデザイン。掛け持ちしてたのか。今みたいに総作画監督制度でガチガチに修正を入れていない時代だからこそのなせる業かな。

小形尚弘さんがエグゼクティブプロデューサー。バンダイナムコフィルムワークス執行役員なので、近年は様々な作品でエグゼクティブプロデューサーやチーフプロデューサーを務めている。

岡本拓也さんがプロデューサー。綿田慎也監督『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』(2019-2020)、大張正己監督『ガンダムブレイカー バトローグ』(2021)のプロデューサー。

サンライズが企画・制作。2022年4月1日付で法人名が株式会社サンライズから株式会社バンダイナムコフィルムワークスに変更され、「サンライズ」はアニメ制作ブランドになった。旧・株式会社バンダイナムコアーツの映像事業及び「バンダイビジュアル」「エモーション」レーベルが吸収分割で移管された。「ランティス」レーベルを含む音楽事業はそのままで、株式会社バンダイナムコミュージックライブに商号が変更された。

 

 

感想

『水星の魔女』は初のW女性主人公の『ガンダム』作品。『ガンダム』シリーズは男性主人公という固定観念をどう変えてくれるのか楽しみ。

歴史において、また現在も、望むと望まざるとに関わらず、女性軍人が大勢いて、命を懸けて戦っている。今までの『ガンダム』シリーズでも女性軍人のキャラクターが描かれてきたが、今回は主人公としてどう描くのか。

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチがまとめた『戦争は女の顔をしていない』はお勧め。 第二次世界大戦独ソ戦に従軍した女性たちの実体験を読み、衝撃を受けた。小梅けいとさん作画、速水螺旋人さん監修の漫画がKADOKAWAComicWalkerで連載されている。

films.hatenablog.com

 

プロローグでは、エリクト・サマヤの4歳の誕生日の話が描かれた。

films.hatenablog.com

 

おもしろい。

「責任を取る」

ミオリネは親に勝手に婚約させられているので、地球に逃げたい。それをスレッタに邪魔されたので怒っている。

ミオリネの自由を勝ち取るために、スレッタは決闘する。と思いきや、ミオリネ自身が戦う。スレッタが乱入し、ミオリネと共闘。

意図的に昔の価値観を強調している。家父長制、父権主義、性差別、暴力、トロフィーワイフ(女性は男性のトロフィー)、決闘で決める、など。

幾原邦彦監督、榎戸洋司さんシリーズ構成・脚本『少女革命ウテナ』(1997)を意識しているよね。小林寛監督も安藤良副監督も大河内一楼さんもプロデューサーも。

今までの『ガンダム』作品と似た物語を描いても、主人公の性別を変えだたけで、女性主人公にした意味がない。制作者たちは女性主人公の意味を考えたはず。

大河内一楼さんをシリーズ構成・脚本に起用した理由として、『プリンセス・プリンシパル』(2017)を書いたことも挙げられていた。

 

 

『水星の魔女』は(国家間の)戦争ではなく、ガンダムを巡る利権争いが題材のようだ。その一環としての、学園での決闘。

であるならば、今川泰宏総監督『機動武闘伝Gガンダム』(1994)や、五十嵐卓哉監督、榎戸洋司さんシリーズ構成・脚本『STAR DRIVER 輝きのタクト』(2011)のように、命をかけた戦いではなく、ルールに基づいたロボットによる決闘を描くことができる。*1

五十嵐卓哉監督は東映動画時代に、佐藤順一監督や幾原邦彦監督のもとで演出の腕を磨き、『美少女戦士セーラームーン』シリーズの3代目シリーズディレクター(監督)を務めた。また、『少女革命ウテナ』ではペンネームの「風山十五」名義で脚本・絵コンテ・演出を担当している。*2

 

 

大河内一楼さんによる短編小説が公開されている。オープニングテーマはこの短編小説を読んで書かれたようだ。

これを読むと『水星の魔女』の見方が変わるかもしれない。

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余談

5年ぶりに「日5」枠が復活した。新作は5年半ぶり。

「土6」「日5」枠はMBS製作の全国放送枠なのだが、TBSの番組編成の都合で何度も放送枠を変遷させられている。「土6」(1993年7月-2008年3月)→「日5」(2008年4月-2017年4月)→「アニメサタデー630」(2017年4月-2019年6月)→「スーパーアニメイズム」(2019年7月-継続中)。「土6」の終了はTBSが『報道特集NEXT』を放送開始するため、「日5」の終了はMBS製作『所さんお届けモノです!』を放送開始するため、「アニメサタデー630」の終了はTBSが『まるっと!サタデー』『東京VICTORY』を放送開始するため。

日本テレビ読売テレビテレビ朝日朝日放送東京放送毎日放送、フジテレビと関西テレビのように、関東広域圏のキー局と関西広域圏の準キー局は仲が悪いと言われている(テレビ東京テレビ大阪の関係はわからない)。TBSがMBSのアニメ放送枠を何度も飛ばすのには、その影響があるのだろうか?

 

 

キャスト

スレッタ・マーキュリー:市ノ瀬加那
ミオリネ・レンブラン:Lynn
グエル・ジェターク:阿座上洋平
エラン・ケレス:花江夏樹
シャディク・ゼネリ:古川慎
ニカ・ナナウラ:宮本侑芽
チュアチュリー・パンランチ:富田美憂
デリング・レンブラン:内田直哉

 

 

第1話スタッフ

脚本:大河内一楼
絵コンテ:小林寛
演出:安藤良

キャラクター作画監督:戸井田珠里、斉藤香、大野勉
カニック作画監督:久壽米木信弥、鈴木勘太
アクション作画監督:鈴木勘太
キャラクター作監協力:細田沙織

原画
 松川哲也 寒川顕一 高橋勇治 井上邦彦
 櫛引菖子 高井里沙 平山剛士 中島竹流
 松永辰 冨田与四一 小松英司 徳田靖
 吉田雄一 倉本和希 前田清明 宮本佐和子
 朱浩然 梶谷光春 平山円 佐々木貴宏
 野崎真一 堀井久美 和田清美 小野和寛
 志賀道憲 松田寛 山内尚樹 間路真実ノ介
 石川てつや 亀田朋幸 前田義宏 村上真紀
 細田沙織

 久壽米木信弥 鈴木勘太 戸井田珠里 斉藤香

第2原画
 坂本和哉 服部美咲 井戸垣健 後藤廉
 森泉結加 大内美乃梨 小倉貫治 安武航
 坂田文彦 津留幸代 真塩朋実 樊星睿
 工藤聖己 藤代ゆえ 原夏海 張力文
 石川日向子 佐川由佳 壇浦啓伸(檀浦啓伸の誤記) 甲斐肇
 江良桜子 菅谷大輝 西村聡 吉田乃亜
 坂田文彦(重複クレジット) 石井遥 中津和美 平山剛士
 井上邦彦 野崎真一 金城美穂

 サンライズ作画塾 ちぃ~むハラダ
 SUNRISE BEYOND フュージョンスタジオ

動画検査:山内麻沙未

動画
 山内麻沙未 小林美範 網野まゆり
 服部美咲 櫛引菖子

 OLM CJT FAI
 Seven Seas Revival 所沢映画
 ミュウ Reboot

色指定・検査:久島早映子

ペイント
 Wish
 伊藤良樹 井上昭子 岡宮志帆 金子美郷
 今本滉紀 西之園未来  神谷天音 Dames Jennifer
 臼田資史 石川小百合

 GEEK アニメッシュ 太観アニメ CJT

Wish管理:江草大樹

TP修正
 前村陽子 二村寧々 櫛引菖子

背景
 スタジオなや
 佐藤歩 古瀬あかり 西川知里 村瀬江美
 小林美代子 山口美保 増田麻奈美

 北京金松林動画公司
 齐齐哈尔震环动漫设计有限公司

撮影監督補佐:今泉志保

撮影
 元木洋介 山杢光 秋山優 柯律安  
 伊藤昇平 小川庵 大島由貴 大友志優

特殊効果:村上宜隆 楊怡

撮影協力
 徐聖喆 吳可匀

 EOTA 撮影ユニット
 福田光 木舩颯人 小早川侑
 加藤楓菜 三輪あこ 佐藤瑞希

 テラエフェクト

撮影制作管理:髙倉誠 古渡雄也

ラインテスト
 旭プロダクション MSJ武蔵野製作所
 FAI A-real
 Seven Seas スタジオエル

モニターグラフィックス
 カプセル
 関香織 宮原洋平

2Dワーク
 カプセル
 関香織 田中綾香 竹花佑佳里

フォントデザイン:Maniackers Design

3DCG制作
 グラフィニカ
  3DCGモデリングディレクター 樋口博一
  3DCGモデリングサブディレクター 三塚陸 鈴木愛一郎

  3DCGモデラー
   二村美帆 伊藤慧樹 坂部暢心 齋藤歩夢

   グラフィニカ福岡スタジオ 大久保幹夫
   竹川あかね

   シフトアール
   室薗勇輝 大塚佳寿恵 高橋秀和 倉岡健太朗

   クリープ
   山田太郎 橋本和明 中村優作

   IKIF+
   佐藤良樹 渡部里奈 濱中裕

  3DCGセットアップディレクター 大島渓太郎
  3DCGリガー 上田祥大

  3DCGアニメーター
   佐藤天斗 山田涼 安藤綾音 大野恭央
   山岸司 上野優弥 中條真碧 荻田直樹
   東優子 橋本豊和 立花隆之介 星﨑遥
   相川槻仁 熊谷峻

   グラフィニカ福岡スタジオ
   金田貞徳 大輪健太郎 王宇澄
   須藤美優 北畑雄馬

  テクニカルアーティスト 西村謙太郎 田熊健
  3DCGプロデューサー 向田善弘

  3DCG制作進行
   星野周人 今石龍都

   グラフィニカ福岡スタジオ
   花田紘基

 カプセル
 宮原洋平 白石あかり 高坂正輝

 長嶋晋平

制作進行:前島俊 善利隼斗 船本孝治

イラスト:JNTHED

 

 

メインスタッフ

企画・制作:サンライズ
原作:矢立肇富野由悠季
監督:小林寛
副監督:安藤良
シリーズ構成・脚本:大河内一楼
キャラクターデザイン原案:モグモ
キャラクターデザイン:田頭真理恵、戸井田珠里、高谷浩利
メカニカルデザイン:JNTHED、海老川兼武、稲田航、形部一平寺岡賢司柳瀬敬之
チーフメカアニメーター:久壽米木信弥、鈴木勘太、前田清明
設定考証:白土晴一
SF考証:高島雄哉
カニカルコーディネーター:関西リョウジ
設定協力:HISADAKE
プロップデザイン:絵を描くPETER、えすてぃお
コンセプトアート:林絢雯
テクニカルディレクター:宮原洋平
美術デザイン:岡田有章、森岡賢一、金平和茂、玉盛順一朗、上津康義
美術監督:佐藤歩
色彩設計:菊地和子
3DCGディレクター:宮風慎一
モニターグラフィックス:関香織
撮影監督:小寺翔太
編集:重村建吾
音響監督:明田川仁
音響効果:上野励
音楽:大間々昂
音楽プロデューサー:松田隼典
音楽制作:バンダイナムコミュージックライブ
音楽協力:日音、水田大介
エグゼクティブプロデューサー:小形尚弘、田村烈、丸山博雄
プロデューサー:岡本拓也、前田俊博
制作デスク:藤原大樹
設定デスク:伊藤優樹
設定制作:佐藤博淳、米山智也
CG設定制作:清水洋平、永瀬創
制作事務:町田寛奈
製作:バンダイナムコフィルムワークス、創通、MBS

 

録音:根岸信洋
録音助手:関俣莉桜子
音響制作担当:見留滉平
音響制作:マジックカプセル

編集スタジオ:グラフィニカ
編集助手:新沼奈美
オンライン編集:キュー・テック 新井淳一 井上龍一
オンライン編集デスク:武石良平

マークデザイン:永井智大
銃器設定協力:金子賢
文芸協力:平塚知巳
企画協力:モリオン航空

企画担当:池内謙一郎 早川春菜
アソシエイトプロデューサー:山下裕平 武藤誉 野澤一平
アシスタントプロデューサー:松岡晃平

制作協力:ADKマーケティング・ソリューションズ
協力:BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン

*1:ちなみに『スタドラ』を制作したボンズは、サンライズ第2スタジオのプロデューサーやスタッフが設立したアニメ制作会社。加瀬充子監督、今西隆志監督『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』(1991)、今川泰宏総監督『機動武闘伝Gガンダム』(1994)、赤根和樹監督『天空のエスカフローネ』(1996)、渡辺信一郎監督『カウボーイビバップ』(1998)などを制作したプロデューサーとスタッフ。

*2:アニメ業界では、ある制作会社に所属していたり、メインスタッフとして参加していたりする最中に、他社の仕事を受ける場合ペンネームを使う慣習がある。