映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『色づく世界の明日から』第2話の感想と演出

『色づく世界の明日から』
第二話
「魔法なんて大キライ」

 

  • 演出と作画
    • 公園
    • カフェ
    • 月白家
    • 学校
    • 色と魔法
  • 感想
  • スタッフ

 

演出と作画

公園

公園で瞳美と唯翔を柱で区切っている。立場や考えなどの断絶。

ちゃんと謝れる瞳美。

 

カフェ

千草はバイト先のカフェで女性客に人気があるようだ。
サイフォンが置かれている。
千草の話をさえぎる容赦ないカッティング(編集)。

 

月白家

イギリスの学校の生徒と仲良く写真に納まる琥珀
魔法が苦手と言う瞳美をフレーム内フレーム。
娘が増えたように盛り上がる瑠璃、柚葉、弦。
瞳美を南ヶ丘高校への編入手続きを済ませる。

 

学校

机をスワイプしたり、トントンと叩く瞳美。60年後の学校は机を操作して使っていたらしい。
黒板を珍しがっていたし、第1話で出てきたように空中投射ディスプレイが発達しているようだ。

お転婆だった琥珀

瞳美に積極的に声をかけるあさぎ。野次馬っぽさもあるけれど、あさぎと同様に瞳美に声をかける胡桃。

唯翔に魔法を見せてと頼まれる瞳美をフレーム内フレームで逆光。戸惑っている。
星砂。

よほ慈悲に 光よ輝け 星の如く

「やっぱり魔法なんて大嫌い」と呟く瞳美は影の中に。

60年後もオフリーというジュースがあるらしい。

 

色と魔法

風景のカットと瞳美の虹彩が輝いたことから瞳美は色が見えたと解釈できる。

「また見せてよ、魔法。星とか出せるのって結構すごいと思う。俺の絵なんかよりもすごいって。絶対に。いつか、でいいから」

「私の魔法を喜んでくれる人がいるなんて。魔法なんて、大嫌い」

昼間よりもたくさん星を出せている瞳美、すると電灯がつく。
将は瞳美を意識しだしたのかな。

 

 

 

感想

集中して観ていないと気づきにくい個所があったが、繊細な演出だった。
特に瞳美が色が見えた場面では、第1話のような派手な演出を使っていない。これがポイント。

今回OPとEDがお披露目された。
OPも素敵。ディレクターが10GAUGEの依田伸隆さん、作画演出が浅井義之さん。
EDも素敵。出合小都美さんコンテ演出。縦の空間を利用した構図。

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『色づく世界の明日から』第1話の感想と演出

『色づく世界の明日から』
第一話
「キミノイクベキトコロ」

 

  • 演出と作画
    • 時間魔法
    • 時空間
    • 窓をノック
    • 葵唯翔の部屋
    • 迷子
    • 月白家
    • アズライト
    • 白黒
  • 感想
  • スタッフ
    • メインスタッフ
    • 第1話スタッフ

 

演出と作画

時間魔法

星砂時計は時間魔法の必需品で、60年分満月の光を浴びさせ続けてきた。つまり祖母・琥珀が前々から準備していたことになる。高校生時代に孫の瞳美と出会っていて、将来瞳美を過去に送り込むことを知っており、そのための準備を怠らなかった。

「いきなり言われて戸惑うのも無理はないけど、これは決められたことなのよ」
もし琥珀が瞳美を過去に送らなかったら、タイムパラドックスが起きるという意味だろう。

「どうして?」
「行けばわかる」
何も言わずに唐突に送り出すなんて、ちょっとやんちゃすぎですね。

密やかな 静寂(しじま)に沈む 暗黒の
久遠の流れ 照らせよ光
空に星満ち 地には霊満つ
山を越える緑風よ 海に溶ける白雨よ
空渡る雁行 闇を裂く稲妻
世を形作る万象よ 導き賜え
刻よ転

 

星砂時計が発する光は、琥珀の目の上まで照らしている。一方、瞳美は目の下までしか照らされておらず、目は影の中にある。
琥珀はポジティブな感情であり、瞳美はネガティブな感情であることが読み取れる。

「まあ友達や恋人と別れたくないとか、そういうのあるだろうけど」と茶目っ気を出す琥珀
瞳美は顔をそらし、そういった心残りの存在がいないことがわかる。

「別に、そういうのどうでもいい」
このクロースアップのカットでも、瞳美の目は影の中にある。

「瞳をそらさないこと。せっかく行くんだから楽しんでらっしゃい」
おそらくこれが琥珀が瞳美に伝えたかった大切なこと。

「え? ちょっと、私行くなんて一言も……」
このときにようやく自分の意思を表明しようとして身を乗り出す。目が影から出て光に照らされる。

 

時空間

あらゆる事象は額縁に収められた絵画または映像編集の素材であり、その空間をバスに乗って移動する。
これが今作における時空間の解釈とタイムトラベルのようだ。

運転手はポッキーに興味津々。

バスは雲の上を走っている。

瞳美が落下したときの雲が舞い上がるエフェクト作画が良い。

 

窓をノック

窓を開けようとして、窓ガラスをノックしたり鍵をタップしたり。
2078年には実現しているようだ。

 

葵唯翔の部屋

思わずベッドの下に隠れてしまった瞳美。
唯翔が部屋着に着替えだすと、「ひっ!」と心の中で叫び、目をつぶり顔をそむける。
「誰か、助けて」

 

迷子

バンドエイド(ばんそうこう)を知らない。

 

月白家

「それに本当のほうが素敵でしょ? こうして孫の孫に会えるなんて」
本当に。

新聞を読みながら指で良いよと伝える弦。

「失くしたものを見つける魔法は使えないの?」と聞かれて、「はい……」と答える瞳美に陰が。

 

アズライト

瞳美が星砂で失くしたアズライトの場所を見つけ、そのアズライトについて唯翔が母親と会話する場面をつなげるコンテ。

 

白黒

白黒の画は基本的に瞳美のPOVショットだけど、それだけでは説明できないカットもある。
瞳美視点だと思われるカットにも色がついているのでそこはカメラがとらえた画ということになる。
葵の絵で色のついた世界に入り込んだ後、魚ににらまれて色を失ったシーンは第三者のカメラ。

 

 

感想

やっぱり篠原俊哉監督は構図や陰影の使い方が上手。

撮影処理で背景美術の美しさが増している。

篠原俊哉監督は撮影処理でも積極的に画作りしている。
梶原幸代撮影監督と組んだ『凪のあすから』は、海の中の世界を描いていたので水を意識したフィルターやエフェクトをかけていた。またレンズフレアも使われていた。
並木智、富田喜允撮影監督との『色づく世界の明日から』は、浅い被写界深度でぼかした画や、レンズフレアと陰影など光源を意識している。

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『やがて君になる』第2話の感想と演出

やがて君になる
第2話
「-発熱- / -初恋申請-」

 

 

演出と作画

髪を結ぶ

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©2018 仲谷 鳰/KADOKAWAやがて君になる製作委員会


仕草だけで沙弥香に髪の毛を結んでとお願いする燈子。もともと髪の毛を触るという行為は親密な間柄でしか行われない。本来は。それに加えて女性が髪を結ぶことを他人に委ねるということは、その相手を信頼していて心を開いているという意味。
ここで重要なのが、燈子が選挙の推薦責任者を侑に頼みたいと話していること。沙弥香が髪の毛を結ぶということは燈子の話を受け入れてもいいという心理だと解釈できる。

「決めたわけじゃないけど、あの子も役員に誘うつもり。だから今から信頼関係を築いておきたいの」
「そう。つまり私よりも、あの子との信頼を深めたいわけね」

嫉妬か、拗ねているのか。

結び終わった後の、髪の毛の束をふわりと広げる芝居が良い。

チームメイトのレシーブに即座に反応し、沙弥香のオーバーハンドパスとスパイクを決める燈子。

「私たちの間に今更そんなの必要?」
「もう。ずるいんだから。仕方ないわね。ここは折れてあげる」
「ありがとう」

ハイタッチを交わす。

「これで落選なんてしたら、怒るからね?」
「まかせて。絶対会長になってみせる。だから、よろしくね、副会長?」

しょうがないわね、と微笑む沙弥香。

 

 

燈子に「君のこと好きになりそう」という言葉の真意を確かめる侑。このとき2人の姿がカーブミラーに映し出されている。鏡に映った自分は本心の自分。

 

 

踏切

彩度を落とす。時間を止めて切り取る。映画的な演出。

口元を抑えて「どうしよう」とつぶやく燈子も、自分の気持ちに気づいておらずとっさの行動に驚いている。

 

 

視線

顔合わせと打ち合わせで、あれ以来初めて視線を交わした侑と燈子。目を見せず口元だけのショット。

 

 

 

感想

加藤誠監督と渡部周さんのコンテ、渡部周さんの演出が良い。

作監の牧野竜一さんと総作監合田浩章さんが細かく手を入れている。表情芝居に気を使っているなと感じる。

 

 

 

 

 

スタッフ

脚本:花田十輝
絵コンテ:加藤誠、渡部周
演出:渡部周
作画監督:牧野竜一

『若おかみは小学生!』の感想

『やがて君になる』第1話の感想と演出

やがて君になる
第1話
「わたしは星に届かない」

 

 

演出と作画

cold open

万華鏡のようなきらきらした背景をぼかし、つないだ手をフェードインさせ、宇宙の背景に焦点を合わせ、それらを侑の目の虹彩に貼り込む。侑が瞬きをすると、本来の目が映し出される。青色のフィルターがかけられている。侑の目のエクストリームクロースアップからどんどんカメラが引いていき、顔、首、胸、伸ばした右腕が見えてくる。侑の髪のなびきやヘッドフォンのケーブルの動きから水中にいることがわかる。背景は光の当たり具合で濃淡がつけられている。また水のエフェクトが見える。
1カットに多くの工数がかけられている。これらをまとめているのが撮影処理。TROYCAの創業者の1人で、今作でも撮影監督を務めている加藤友宜さんが率いる撮影チーム(TROYCA デジタル映像部)だ。

手を伸ばした先に水面。射し込む太陽の光と反射と水のエフェクトがかけられている。
フェードアウト。フェードイン。水中で伸ばした手と同ポジ(同一ポジション)で天井に伸ばした手。

 

 

Aパート

侑のPOVショット。侑の目や頭の動きに合わせてカメラが動く。朱里とこよみの紹介も兼ねている。

生徒会室を探す侑のPOVショット。手描き背景のカメラマッピングと3D CGを組み合わせているのかな?

男子生徒を見送る燈子の脚もとのショット。いったん踵を上げて伸びをしてから、踵を返す。地味だけど日常芝居が良い。

先にすたすた歩きだした燈子と首をかしげる侑。立ち止まって振り返り方向を指し示す燈子と案内してくれることに気づいた侑の間に樹が2本。意図的な構図。

木漏れ日も撮影処理。

生徒会室に着いて振り返り自己紹介する燈子の髪のなびき、侑の髪のなびき、風に吹かれる2人の制服の布の表現。ボレロとスカート。上手。

外の風景から、桜の花びらを舞わせ、中学校の卒業式の日にトランジション

 

窓ガラス

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©2018 仲谷 鳰/KADOKAWAやがて君になる製作委員会


侑が七海先輩がかっこいいという話をした後、校舎の外から窓ガラス越しに侑・朱里・こよみを描いている。このとき窓枠によって侑と朱里・こよみが分断されている。つまり侑と朱里・こよみでは恋愛に対する価値観が異なることを表している。
朱里は憧れの大垣先輩を追いかけて遠見東高校を選んだ。こよみは年上の男性が好み。そして侑は「私は……どうだろう?」と窓の外を見て考え込む。

 

水の中

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©2018 仲谷 鳰/KADOKAWAやがて君になる製作委員会


原作漫画では物理的に離れたイメージで心の距離を表現していた。アニメでは冒頭と併せて水の中に沈んでいるイメージで心の距離を強調している。
ここも背景と撮影処理で水の中を描写している。

次のカットでは右向きの侑がフレーム右半分にいて、左側に空間を開けた構図。侑の空虚な心の内を表現している。

 

紅茶

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©2018 仲谷 鳰/KADOKAWAやがて君になる製作委員会


恋愛に興味わかないと燈子が話している場面では、侑が紅茶を淹れている。燈子が侑に「君のこと好きになりそう」と思わず口にした場面では、燈子が侑を引き寄せたときにティーカップの紅茶が波紋を立てている。原作にも描かれている紅茶という小道具を使った鮮やかな演出。

 

 

 

感想

大島ミチルさんの劇伴が素敵。心の機微を表現する音楽を書く作曲家の1人。

加藤誠監督の解釈がとても良い。原作漫画の魅力をアニメに落とし込んでいる。

加藤誠監督の細やかな演出を感じる。

第1話は作監合田浩章さんが手を入れて質を高めているなと思う。

 

 

 

 

 

スタッフ

脚本:花田十輝
絵コンテ/演出:加藤誠
作画監督合田浩章
作画監督協力:大橋知華

『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』第10話の感想と、演出と作画

第10話
「されど舞台はつづく」

 

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感想

cold open

落下する3D CGIのボタン。

木の葉をむしゃむしゃ食べるキリン。

「オーディション最終日です」

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『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』第9話の感想と、演出と作画

第9話
「星祭りの夜に」

 

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感想

cold open

雨宮さんに気を使いながら説明するなな。

雨宮さんと香子の目配せ。

 

「人生は二度繰り返される物語のように退屈である。」 ウィリアム・シェイクスピア
"Life is as tedious as a twice-told tale." — William Shakespeare, The Life and Death of King John

 

心ここにあらずななな。

第99回と第100回のイメージが貼られた掲示板のカットはレイアウトが良い。
絵を見つめるななと、衣装の型紙の図を見る華恋とまひる
ななには太陽の光が差し込んでいるが、華恋とまひるは影になっている。
左から入ってきて、ななの左隣に立つ純那。
構図はシンメトリーで、影によってアシンメトリーになっている。またこの斜めに走る影はななを撮る際の特徴でもある。
純那の言葉に関心を示さず、右に立ち去るなな。
華恋の後ろを通る瞬間、ミディアムショットにカットを変える。
ななの表情を見せない。
なながフレームから出る間際に気づいて、立ち去るななを見る華恋とまひる
純那の瞬きをクロースアップで。

 

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