映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『ゲキドル』第5話の感想

『ゲキドル』第5話「桜の園

 

 

作品について

アントン・チェーホフの戯曲『桜の園』。

吉田秋生の漫画『櫻の園』の元ネタ。中原俊監督による映画が2作品ある。

 

山内重保監督が絵コンテ・演出。劇中劇という位置づけのOVA『アリスインデッドリースクール』を監督した。

東映動画(現・東映アニメーション)時代に、『聖闘士星矢』の映画、『まじかる☆タルるートくん』、『ドラゴンボール』の映画、『花より男子』、『ドクタースランプ』、『デジモンアドベンチャー02』の映画、『おジャ魔女どれみ♯』(第2期、五十嵐卓哉監督と連名)など数々の作品を手がけた名監督。

各話演出で参加すると、シリーズ全体の方針とは異なる演出やキャラクターデザインを用いることがある。彼の持ち味を好まない人もいるようだ。

 

 

感想

山内重保さんならではの演出。顔のクロースアップ。身体のパーツのクロースアップで色気を表現。衣服の布の表現も目立つ。

 

「なんかもうどうでもよくなっちゃった」
無自覚に酷いことを言うせりあ。あいりへのフォローのつもりなのだろうけれど。

 

せりあはアリス(ドール)に依存し始めている。

 

アリス(ドール)のお芝居を観て、ありすに駆け寄るせりあとらぶみんと晃。1人だけ離れたところで茫然と立ち尽くすあいりを、背中だけ見せてカメラがゆっくり引いていく。あいりの複雑な心境を表す演出。

 

一色で染め上げて、キャラクターと背景美術を一体にするショット。これも山内重保さんの演出の特徴。

 

竹崎を正面から描かず、俯き気味の顔から上目づかいで見据える表情をさせている。

対するかをるも、顔より低い位置にカメラを置いた構図や、上から見下ろす構図。

 

せりあが出演する舞台の初演に駆け付けるまこちん。

 

あいりだけが覚えた違和感。

あいりにはいずみの幻影を見せるドール。ドールは相手の強い願望を見せるようだ。J・K・ローリング著『ハリー・ポッターと賢者の石』に登場する「みぞの鏡」(The Mirror of Erised)みたいに。

‘erised stra ehru oyt ube cafru oyt on wohsi’

The Mirror of Erised | Wizarding World

すつうを みぞの のろここ のたなあ くなはで おか のたなあ はしたわ
ハリー・ポッターと賢者の石』日本語版

舞台の上演中にシアトリカルマテリアルシステムで予定外のプログラムが起動したから? これも竹崎の仕業?

 

こういう場面で階段が描かれると、落ちて負傷あるいは死亡というのがお約束。

あいりが転落した音を聞いて駆け付けたせりあは、負傷したあいりと階段に立つドールを目撃した。

「ドールがあいりを突き落とした」という誤った推論を導き出す展開になるだろう。

 

 

 

キャスト

守野せりあ:赤尾ひかる
各務あいり:持田千妃来
雛咲いずみ:諏訪彩花
榊原かをる:花澤香菜
ドール:M・A・O
浅葱 晃:山本希望
藤田愛美:髙野麻美
山本和春:秋吉あや
中村繭璃:佐藤亜美菜
竹崎宏和:鳥海浩輔
樋口真琴:八島さらら
日向智子:水橋かおり

 

 

第5話スタッフ

脚本:大知慶一郎
絵コンテ・演出:山内重保

作画監督:竹田欣弘

 

 

シリーズスタッフ

原作・シリーズ構成:ゲキドル製作委員会
監督:上田繁
チーフライター:大知慶一郎
キャラクター原案:関谷あさみ
キャラクターデザイン・総作画監督:立石聖
メカデザイン:今門卓也
色彩設計:斉藤麻記
美術監督:清水哲弘
撮影監督:戸澤雄一郎
編集:廣瀬清志
CGプロデューサー:田中臥竜
音響監督:本山哲
音響効果:八十正太
音楽:Prhythm/epx(編曲:神津裕之)
企画・プロデュース:サトウケイイチ、永井理
アニメーションプロデューサー:永井理
アニメーション制作:フッズエンタテインメント
製作:ゲキドル製作委員会