『メガトン級ムサシ』第1話「眠れる獅子」
作品について
レベルファイブのメディアミックスプロジェクト。
総監督・企画・原案・シリーズ構成・脚本:日野晃博。
髙橋滋春監督。『妖怪ウォッチ』の映画シリーズの監督。
北條史也監督補佐。『妖怪ウォッチ シャドウサイド』『妖怪ウォッチJam 妖怪学園Y Nとの遭遇』の監督。現在放送中の『妖怪ウォッチ♪』でも監督補佐を務めている。
井上剛(井上たかし)プロデューサーの、OLM TEAM INOUE が制作。ウシロシンジ監督『マジカパーティ』と泉保良輔監督『妖怪ウォッチ♪』も現在制作中。
制作担当の住友英司さんは、Studio五組で柿本広大監督『刀使ノ巫女』(2018)のアニメーションプロデューサーを務めていた人では? OLMの渡部穏寛監督『MIX』(2019)と加戸誉夫監督『ゾイドワイルド ZERO』(2019)の制作デスクでクレジットされているので、移籍したのかな。
感想
2118年、人類は異星人の襲来によって48時間以内に滅亡した。異星人は地球に新たなコアを設置し、母星に近づけるためテラフォーミングしている。わずかに生き残った地球人はシェルターを建造した。シェルターの住民は、地球外生命体に侵略されたという記憶を消されている。
2121年、一大寺大和と土方龍吾は浅海輝と南沙也加からロボットのパイロットにリクルートされる。日本語では就職活動や人材募集全般を指してリクルートという言葉が使われているが、英語の recruit は特に軍隊の募集の意味で使われる。だから『メガトン級ムサシ』における勧誘は recruitment。
ギレルモ・デル・トロ監督『パシフィック・リム』(2013)のイェーガーみたいなロボット。3人で1体のロボットを操作する。コクピット1は全体の動きと攻撃システムのコントロール、コクピット2は防御システムとパワーマネジメント、コクピット3はレーダー詮索と戦術コンピューター担当。
ギレルモ・デル・トロ監督は日本の特撮、アニメ、漫画に造詣が深い。日本のロボットアニメのような企画をアメリカの商業映画で実現させた。
黒沢ともよさんの神崎明日菜のお芝居は新鮮。アーシェム・ライアのお芝居の系統という印象があった。アーシェムが明日菜に憑依して身体を乗っ取った後は聞き覚えのある演技。
どうやら明日菜(アーシェム)は大和の排除に失敗し続けるドジっ娘らしい。(「これからのムサシ」より)
「天堂屋」の店主でもあるメインオペレーターの天堂初音は、子どもたちを戦場に送り出さねばならないことを世も末だと嘆いている。まともな大人。
一般的なテレビアニメは24分前後だけど、28分と長いね。次回予告「これからのムサシ」が、NHK大河ドラマみたい。
第1話は結構おもしろい。でも……。
レベルファイブ社長の日野晃博氏が総監督・企画・原案・シリーズ構成・脚本なのであまり期待できない。日野晃博氏はプロデューサーとしては実績があるが、話作りの才能には恵まれなかった人という印象。
多くの製作委員会制のアニメ作品と異なり、プロデューサーの肩書きを持つ人が少ないのは好感が持てる。コンテンツプランニングやスーパーバイザーなどのクレジットにしておき、本当の意味でアニメ製作の責任者であるプロデューサーは3人のみ。
アニメ業界や映画業界での「企画」のクレジットは、実際に企画を立てたり企画書を書いたりした人という意味ではない。「企画」「製作」のクレジットは、プロデューサーの上司で、製作委員会への出資の稟議書に決裁した人という意味。
演出
清夏が「なんか違うっていう感覚。違和感って言うのかな? この街ってなんていうか偽物って感じ」と言うシーンは、ダッチアングルからカメラが回転し、波状に画を歪ませる。清夏の「違和感」を強調する演出。
ロボットに動きを分析されたため、音楽のリズムに合わせて動けばその分析も役に立たなくなるだろうという判断。
目の前で家族を妹を殺された主人公を、白黒の線画で描く。
OLM
OLM は、岩佐岳さんが独立して『うたわれるもの』のメインスタッフとともに WHITE FOX を設立して以降は深夜アニメから撤退していたが、最近また深夜アニメに参入した。A-Line→ディオメディア出身の児島宏明さんが制作チームを立ち上げたから。また吉岡大輔さんも『ここたま』シリーズを手掛けていたが、今年から『オッドタクシー』や『異世界食堂』第2期を制作している。
『メガトン級ムサシ』は子ども向けアニメに該当するが、放送・配信は深夜帯。
その児島宏明さんは OLM を退社して、ツインエンジングループのアニメ制作会社バグフィルムを設立、代表取締役に就任した。
児島宏明さんの OLM TEAM KOJIMA は、10月番の渡辺歩総監督、川越一生監督『古見さんは、コミュ症です。』を制作しているが、途中で独立するのか。
YouTube
キャスト
一大寺大和:増田俊樹
浅海 輝:斉藤壮馬
土方龍吾:武内駿輔
アーシェム・ライア / 神崎明日菜:黒沢ともよ
雨宮零士:内山昂輝
霧島ジュン:諸星すみれ
早乙女萌々香:潘めぐみ
金田一 巧:梶裕貴
芥川康太:村瀬歩
西野清夏:竹達彩奈
南 沙也加:伊瀬茉莉也
グリファース・クレド:櫻井孝宏
天堂初音:伊沢磨紀
北根陽葵:花守ゆみり
星野あおい:悠木碧
デューク藤咲:津田健次郎
伊伏銀太:山路和弘
マーガレット・ブレクネン:井上麻里奈
クロウゼード・ライア:沢城みゆき
サーザント・エボル:小西克幸
デミル・ガウラ:チョー
第1話スタッフ
脚本:日野晃博
絵コンテ:髙橋滋春
演出:寺澤伸介
演出補佐:朝木幸彦
作画監督:三好智志、山田俊也
メインスタッフ
原作:レベルファイブ
総監督・企画・原案・シリーズ構成:日野晃博
監督:髙橋滋春
監督補佐:北條史也
キャラクターデザイン原案:長野拓造
アートコンセプト:栗秋寿彦
キャラクターデザイン:池田裕治
総作画監督:反町司、池田裕治
色彩設計:黒目綾子
美術監督:髙木佑梨
CGスーパーバイザー:瀬尾太
CGディレクター:木村謙一
撮影監督:折笠裕子
編集:野川仁
音響監督:田中亮
録音:阿部直子
音響効果:和田俊也
音楽:西郷憲一郎、砂川翔也
チーフプロデューサー:青木昌也
プロデューサー:武藤憲敬
制作担当:住友英司
アニメーションプロデューサー:井上たかし
制作デスク:小峰大輝
設定制作:和田愛
アニメーション制作:OLM TEAM INOUE
製作:レベルファイブ、TOKYO MX、電通、オー・エル・エム