映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『思い出のマーニー』と米林宏昌監督

思い出のマーニー
原作小説の原題及び映画の英題: When Marnie Was There
製作年:2014年
製作国:日本

 

 

感想

BDを持っているけれど。何度観ても良い映画。

米林宏昌監督の初監督作品『借りぐらしのアリエッティ』ではまだ稚拙な部分が散見されたが、第2作である『思い出のマーニー』では成長が見て取れる。*1

 

作画監督安藤雅司さんは今まで脚本を書いたことはおろか、絵コンテを切ったことも演出処理したこともない*2。アニメ制作におけるストーリーテリングの要の仕事の経験がない。けれど今作では脚本や演出に対して様々な意見を述べたらしく、その影響が反映されている、とどこかで読んだ気がする。だから脚本家の1人としてクレジットされている。

 

宮崎駿監督は監督作品で「脚本」でもクレジットされているが、文章で脚本を執筆しているわけではない。大量のイメージボードを描きながらアイディアを練り、そののちに直接絵コンテを切る*3。さらに呆れることに、絵コンテが完成していないのに制作に入る。つまり作画inする。本来、絵コンテはプリプロダクションの工程。絵コンテは制作前に固めておくべき演出設計なのに。監督として多量の打ち合わせを行い、上がってきた素材をチェック・リテイク指示を出す。監督の仕事に忙殺されながら絵コンテの続きを切るわけだ。だから宮崎駿監督は物語をどう終わらせるのか、広げた風呂敷をたたむのかいつも苦悩する。その影響か、『もののけ姫』あたりから素直ではないストーリーテリングが目立つようになった。力技で物語をねじ伏せる。

米林宏昌監督はちゃんと文章で脚本を書き、話を整理しているようだ。

 

作品について

原作の舞台はイングランドノーフォーク州にある海辺の村リトル・オーバートン(実在する村バーナム・オーヴァリーがモデル)だけど、米林宏昌監督が北海道の架空の海辺の町と湿地に設定。

高畑勲監督『かぐや姫の物語』に続く、西村義明プロデューサーの製作作品。
今作の公開後スタジオジブリが制作部門の休止に伴い正規雇用していたスタッフ達を解雇したので、結果的にスタジオジブリ最後の長編映画となった。……はずだったが、宮崎駿監督が『君たちはどう生きるか』を、宮崎吾朗監督が3DCG長編アニメ映画を制作中。
その後、西村義明さんと米林宏昌さんはスタジオポノックを設立。『メアリと魔女の花』などを制作。

 

 

スタッフ

監督:米林宏昌
脚本:丹羽圭子、安藤雅司米林宏昌
原作:ジョーン・G・ロビンソン
プロデューサー:西村義明
製作:鈴木敏夫

作画監督安藤雅司
作画監督補佐:山下明彦 稲村武志

原画:
田中敦子 賀川愛 山田憲一 中村勝
山森英司 小野田和由 古屋勝悟 田村篤
横田匡史 廣田俊輔 奥田明世 河原奈緒
子安未紗 和田直也 土屋亮介 二木真希子
大塚伸治
粟田務 山川浩臣 高坂希太郎 浜洲英喜
濱田高行 井上鋭 本間晃 鈴木美千代
大谷敦子 宇佐美萌 秦綾子 末冨慎治
本田雄 近藤勝也 小西賢一 山下高明
沖浦啓之 橋本晋治

動画検査:大橋実
動画検査補佐:舘野仁美 藤井香織

動画:
中込利恵 手島晶子 大村まゆみ 斉藤昌哉
アレキサンドラ・ワエラウフ
松尾真理子 鈴木麻紀子 山田伸一郎
高橋もよ 石角安沙美 檜垣恵 秋田雅子
安東雅代 大﨑結衣 小倉安見 國武幸子
竹花健吾 田村瑛美 長澤翔子 西田朋代
野口佳枝 藤澤志織 松浦結 松村亜沙子
菊田美咲 田川裕子 千葉光希 程玉芬
松村祐香
真野鈴子 水野良亮 中野洋平 東誠子
西戸スミエ 槇田喜代子 土岐弥生 富沢恵子
藤森まや 鈴木まり子 矢地久子 望月頼子
椎名律子 大谷久美子 手塚寛子 中野江美
宮田知子 宮川かおり 秋山訓子 松村舞子
谷友子 斉藤ゆか 谷平久美子 山浦由加里
中里舞 小山正清 大谷茜 齋藤彩圭
江山梨恵 寺田久美子 伊藤かおり 奥脇優
田名部節也  黄順河  辛正煕  安美京
金福心  朴領煕  朴殷雅  黄薇霓
長谷部なつみ 笛木優奈 穂阪ゆきな 仙波里至
江上菜那子 八木澤由梨 田島佑一 丹羽弘美
廣田恵美 田中陽子 辻仁子 村橋亮佑
加藤禎一 谷方瑠衣 藤田裕子 小島知之
大越武志 玉腰悦子 小田道子 全後映
井上千鶴 森本夏実 山本悦子 山井紗也香
布施侑記 髙木麻穂 渡辺幸枝

作画協力:
アニメトロトロ たくらんけ 中村プロダクション
MAA MOPICS 旭プロダクション 和風アニメーション
オープロダクション 作楽クリエイト タツノコプロ
アンサー・スタジオ 動画工房 スタジオカラー
スタジオコクピット

色指定:加島優生
色指定補佐:高栁加奈子 軽部和子 田村雪絵
仕上検査:小松夕貴 相田美里

仕上:
髙橋広美 森奈緒美 石井裕章 古城理恵
齋藤純也 中村剛士 新見知哉 武居奈々
松島英子 沼畑富美子
南城久美 清水亜紀子 柴田好美 渡辺奈津美
猪原奈都子 飯塚唯奈 宮本律希 垣田由紀子
 
仕上協力:T2 studio / 高橋賢太郎

美術監督種田陽平
美術:西川洋一 大森崇 髙松洋平 吉田昇

背景: 
平原さやか 石井弓 春日井直美 伊奈涼子
矢野きくよ 佐藤詩穂
久保友孝 吉岡誠子 新田有花 中村聡
鮫島潔 神戸あや恵 渡邊洋一 林孝輔
谷口淳一 工川歩
男鹿和雄 串田達也 武重洋二

美術設定:舩木愛子
場面設定:矢内京子 福留嘉一
ハーモニー:高屋法子

映像演出:奥井敦
撮影:藪田順二 田村淳 芝原秀典
CG:三好紀彦 梅澤美樹 泉津井陽一
特殊効果:糸川敬子
プログラミング:井上雅史 岩沢駿
線撮協力:アッセ フィノー ファブリック
奥井厚子 藤巻鐘子 大内香苗
柴田温子 伊藤遼 萱場良明
桑原礼門 近藤靖尚

音響演出・整音:笠松広司
アフレコ演出:木村絵理子
録音:高木創 今泉武
録音助手:鈴木修
フォーリー:山口美香
音響効果制作:デジタルサーカス
ダビングスタジオ:東宝ポストプロダクションセンター
スタジオエンジニア:横山大資
テクニカルサポート:菊地秀穂 越真一郎
スタジオコーディネート:西野尾貞明 立川千秋 村田理
キャスティング事務:林隆司 岡田拓郎
音響制作協力:東北新社 東京テレビセンター 東宝スタジオ 東宝スタジオサービス

音楽:村松崇継

主題歌 「Fine On The Outside」
作詞・作曲・歌:プリシラ・アーン

編集:松原理恵
編集助手:佐々木紘美 白石あかね

デジタルラボ:IMAGICA
データ・コンフォーム:細沼直人
データ・マネジメント:小越将 安達大二郎
カラー・マネジメント:長谷川智弘 由良俊樹 松本渉
デジタルシネマ・マスタリング:杉山実穂 矢野隆史
ラボ・コーディネーター:小曽根祐梨子
ラボ・マネージャー:長澤和典

タイトル:マリンポスト

演出助手:仲澤慎太郎 木戸雄一郎 戸田寛明

制作担当:古城環
制作デスク:伊藤郷平
制作進行:坂本太夫 岡田千尋 妹尾想 渋谷美音

制作業務担当:野中晋輔
制作業務:石迫太成 川端俊之 西方大輔 品川徹 長澤美奈子 釘宮陽一郎
プロデューサー室:白木伸子 田村智恵子 伊平容子 唯野周平 大久保聡子

製作担当:奥田誠治 藤巻直哉 福山亮一
制作:星野康二

制作会社:スタジオジブリ
製作会社:スタジオジブリ日本テレビ電通、博報堂DYMP、ウォルト・ディズニー・ジャパン、ディーライツ、東宝KDDI
配給:東宝

 

seesaawiki.jp

*1:これはスタジオジブリ作品だから厳しめに見ているけれど、他の制作会社であればもっと寛容に見ているかもしれない。

*2:作画監督の仕事は演出処理と重なる要素もあるけれど。

*3:たまに脚本を経ずに絵コンテを切る監督や演出家がいるが非効率極まりない。物語の構想がないまま走り始めるので途中でスランプに陥りやすいし、完走できたとしても脚本から絵コンテを起こすより圧倒的に時間がかかる。実際それをやって後悔したと告白した監督や演出家も多数いる。