『サイダーのように言葉が湧き上がる』
製作年:2020年
製作国:日本
公開日:2021年7月22日
作品について
イシグロキョウヘイ監督。『四月は君の嘘』(2014)、『クジラの子らは砂上に歌う』(2017)などの監督。オリジナルアニメ初監督。
愛敬由紀子さんがキャラクターデザイン・総作画監督。『四月は君の嘘』(2014)のキャラクターデザイン・総作画監督、佐藤照雄監督『アイカツスターズ!』(2016)のキャラクターデザイン。
シグナル・エムディと3DCGアニメ制作会社サブリメイションが共同でアニメーション制作。
日常系ロマンティック・コメディドラマ・アニメーション映画。
もともと2020年5月15日公開予定だったが、COVID-19パンデミックの影響で2021年6月25日に延期され、最終的に2021年7月22日に公開された。
NHK Eテレが2023年8月26日 21:30-23:00に放送。
Amazon
感想
おもしろい。いい映画。ただ、淡々としたストーリーと演出なので、盛り上がりに欠ける。
1980年代頃の文芸映画路線。昔ならもっと高く評価されていたかもしれない。実写ではなくアニメでこんな映画が作れるのか、と。
人付き合いが苦手な少年と、コンプレックスである矯正中の前歯をマスクで隠している少女が出会う。
チェリーはスマイルとの交流や、おじいさんの想い出のレコードを探すうちに、様々な人とコミュニケーションを取るようになる。でもまだ口下手なので、スマイルを傷つけてしまう。
クライマックスのチェリーの告白は、ラップにして花火大会と重ねると合いそう。花火が「サイダーのように言葉が湧き上がる」メタファーなのだろうけれど、「サイダーのように湧き上がる」ではなく一生懸命言う、でしかなかった。
チェリーのコミュ障は物語に深く関わり掘り下げられた一方、スマイルのコンプレックスは作中で活かされることなく終わってしまった。
キャラクターデザイン、鮮やかな色彩設計と背景美術、作画による芝居がカートゥーンっぽい。その一方で、色彩設計と背景美術はストーリーの進行に合わせて彩度を落としていた。
脚本上、俳句の登場シーンは意外と少ない。
杉咲花は、米林宏昌監督『思い出のマーニー』(スタジオジブリ制作, 2014)の彩香や『メアリと魔女の花』(スタジオポノック制作, 2017)の主人公メアリ・スミスを演じていたが、声のお芝居も上手い。
キャスト
チェリー:八代目 市川染五郎
スマイル:杉咲花
ビーバー:潘めぐみ
ジャパン:花江夏樹
タフボーイ:梅原裕一郎
ジュリ:中島愛
マリ:諸星すみれ
ナミ:伊藤静
あき子:鈴木みのり
紘一:神谷浩史
まりあ:坂本真綾
堪太:内匠靖明
紗江:森なな子
田中:久川綾
みゆき:沼倉愛美
元プリ:柳田淳一
藤山つばき:井上喜久子
フジヤマ:山寺宏一
スタッフ
原作:フライングドッグ
監督:イシグロキョウヘイ
脚本:佐藤大、イシグロキョウヘイ
絵コンテ:イシグロキョウヘイ
演出:山城智恵、イシグロキョウヘイ
キャラクターデザイン・総作画監督:愛敬由紀子
作画監督:金田尚美、エロール・セドリック、西村郁、渡部由紀子、辻智子、洪昌煕、小磯由佳、吉田南、愛敬由紀子
作画監督補佐:伊藤雅子
プロップデザイン:小磯由佳、愛敬由紀子
色彩設計:大塚眞純
美術監督:中村千恵子
美術設定・レイアウト監修:木村雅広
3DCG監督:塚本倫基
撮影監督:棚田耕平、関谷能弘
編集:三嶋章紀
音響監督:明田川仁
音響効果:上野励
音楽:牛尾憲輔
音楽プロデューサー:石川吉元
音楽制作:フライングドッグ
企画:佐々木史朗
プロデューサー:尾留川宏之、石川吉元、向井地基起、深尾聡志、笠原周造、小石川淳
アソシエイトプロデューサー:石川義洋
アニメーションプロデューサー:小川拓也
アニメーション制作:SIGNAL.MD、サブリメイション
製作:『サイダーのように言葉が湧き上がる』製作委員会(フライングドッグ、松竹、博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、KADOKAWA、シグナル・エムディ)
配給:松竹
主題歌
「サイダーのように言葉が湧き上がる」
作詞・作曲:安部勇磨
編曲:never young beach
歌:never young beach