映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『SPY×FAMILY CODE: White』感想

『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』
製作年:2023年
製作国:日本
公開日:2023年12月22日

 

 

作品について

遠藤達哉さんの漫画が原作。

 

spy-family.net

片桐崇監督。初監督。古橋一浩監督『SPY×FAMILY』第1期の助監督の1人。

古橋一浩監督がアニメーションアドバイザー。『SPY×FAMILY』第1期第2期の監督、第1期はシリーズ構成を兼務。

大河内一楼さんが脚本。『SPY×FAMILY』第2期のシリーズ構成。

嶋田和晃さんがキャラクターデザイン。『SPY×FAMILY』シリーズのキャラクターデザイン・総作画監督

石田可奈さんがサブキャラクターデザイン。『SPY×FAMILY』シリーズ初参加。代表作は『魔法科高校の劣等生』シリーズの原作イラスト・キャラクターデザイン・総作画監督

浅野恭司さんが総作画監督。『SPY×FAMILY』第1期の総作画監督

WIT STUDIOの山中一樹さんと林加都恵さん、CloverWorksの伊藤泰斗さんがアニメーションプロデューサー。

WIT STUDIOとCloverWorksが共同でアニメーション制作。

スパイ・アクション・コメディー・アニメーション映画。

 

 

感想

映画オリジナルストーリー。ファミリー映画として売るために、想定する観客を小学生以下に設定したのかな。110分。ファンは満足するかもしれない。

ロイド、ヨル、アーニャ、ボンドが家族旅行に出かけ、事件に巻き込まれる。アーニャの自業自得なのだが。

カミラ達から浮気のサインの話を聞き、ヨルはロイドに捨てられるのではないかと妄想し暴走する。テレビシリーズよりも恋愛脳になっている気がする。

スナイデル大佐はオスタニア軍情報部の将校としてウェスタリスとの戦争の火種を作ろうとしている。目的のためならどんな手段も用いる。その割に怖くない。敵の背景を書く気がないので、主人公たちが倒すためだけに作られたキャラクター。もったいない。

 

原作者が本読み(脚本会議)に参加し、積極的にアイディア出しをしてもこの程度なのかと思った。むしろ原作者が関与したから微妙になった可能性もある。

子ども向けの作風を選択したのは、プロデューサーや製作委員会レベルの判断だろう。

子どもに媚びた「子どもだまし」。子ども向けだからと手を抜くと、その気持ちが作品に出る。見抜かれる。子ども向け作品も全力で作らなければならない、という格言がある。

もし映画第2作が製作されても、映画館に観に行くことはないだろう。

 

パンフレットには、キャストインタビュー、スタッフインタビュー、原作者インタビュー、キャラ表(設定資料)などが掲載されていた。

また、入場者特典の小冊子『SPY×FAMILY CODE: White Film Files』にも設定資料やインタビューが掲載されている。

 

 

演出

名探偵コナン』映画版のオープニングの説明を踏襲している。ロイド、ヨル、アーニャたちの設定を説明していた。

構図に意味を持たせる演出が多用されていた。冒頭で、中央に置かれた花瓶でロイドとヨルさんを分断。映り込んだスナイデル

レイアウトがいい。ミディアムショットなどは、カメラを水平に置かず、俯瞰(ハイアングル)や煽り(ローアングル)で描いている。

カメラもよく動く。

アクションシークエンスは3DCGI背景美術を縦横無尽に駆け巡る。

 

ジェームズ・ボンド』シリーズや『スパイ大作戦』のオマージュはなかったかもしれない。

ロイドがワインセラーに侵入し天井からぶら下がるシーンは、ブライアン・デ・パルマ監督『ミッション: インポッシブル』(1996)のイーサン・ハント(トム・クルーズ)のオマージュ。

列車内でアーニャがマイクロフィルム入りチョコレートを勝手に取るシーンは、ジェームズ・マンゴールド監督『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(2023)の若き日のインディアナ・ジョーンズのシークエンスを連想した。スティーヴン・スピルバーグ製作、キャスリーン・ケネディ製作、フランク・マーシャル製作。

 

 

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キャスト

ロイド・フォージャー:江口拓也
ヨル・フォージャー:早見沙織
アーニャ・フォージャー:種﨑敦美
ボンド・フォージャー:松田健一郎
シルヴィア・シャーウッド:甲斐田裕子
フィオナ・フロスト:佐倉綾音
フランキー・フランクリン:吉野裕行
ユーリ・ブライア:小野賢章
ヘンリー・ヘンダーソン山路和弘
ダミアン・デズモンド:藤原夏海
ベッキー・ブラックベル:加藤英美里
エミール・エルマン:佐藤はな
ユーイン・エッジバーグ:岡村明香
カミラ:庄司宇芽香
ミリー:石見舞菜香
シャロン:熊谷海麗
国家保安局中尉:加瀬康之
うんこの神:千葉繁
ドミトリ:中村倫也
ルカ:賀来賢人
タイプF:武内駿輔
スナイデル銀河万丈

 

 

スタッフ

原作・監修・キャラクターデザイン原案:遠藤達哉
監督:片桐崇
アニメーションアドバイザー:古橋一浩
脚本:大河内一楼
絵コンテ:古橋一浩、片桐崇、笹木信作、三浦貴博、久保雄介
演出:古橋一浩、片桐崇、堀口和樹、高橋謙仁、内田信吾、久保雄介
キャラクターデザイン:嶋田和晃
サブキャラクターデザイン:石田可奈
衣装デザイン:石田可奈、安食圭
プロップ設定:反田誠二、松尾優、KURO
総作画監督浅野恭司
作画監督:下條祐未、村上達也、後藤隆幸、齋藤千尋、南東寿幸、KURO、白川亮介、村田睦明、門倉世央子、岡郁美、阿部愛由美
作画監督補佐:宇佐美皓一、伊澤珠美、つしまゆりか
設定考証:白土晴一
コンセプトメカデザイン:常木志伸
メカデザイン:高畠聡
色彩設計:田中花奈実
美術監督:杉本智美、小島あゆみ
美術設定:谷内優穂、金平和茂
2Dワークス:川島千尋
3DCG監督:今垣佳奈
撮影監督:伏原あかね
編集:齋藤朱里
音響監督:はたしょう二
音響効果:出雲範子
音楽:宮崎誠
音楽プロデュース:(K)NoW_NAME
音楽プロデューサー:小林健
音楽ディレクター:佐藤優
チーフプロデューサー:高橋敦司、武井克弘、林辰朗
プロデューサー:津村美玲、齋藤雅哉、斉藤壮一郎、山内未來、福島祐一、中武哲也、山守貴子
原作編集担当プロデューサー:林士平
アニメーションプロデューサー:山中一樹、林加都恵、伊藤泰斗
制作:WIT STUDIO×CloverWorks
製作:「劇場版 SPY×FAMILY」製作委員会(東宝集英社テレビ東京WIT STUDIO、CloverWorks、小学館集英社プロダクション)
配給:東宝

 

製作:大田圭二
共同製作:瓶子吉久、丸茂礼、和田丈嗣、清水暁、佐藤龍伸
エグゼクティブプロデューサー:山中一孝、藤尾明史
企画協力:「少年ジャンプ+」編集部、細野修平、内田聡司