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『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』感想

テリー・ギリアムドン・キホーテ
原題:"The Man Who Killed Don Quixote"
フランス語題名:« L'Homme qui tua Don Quichotte »
スペイン語題名:« El hombre que mató a Don Quijote »
製作年:2018年
製作国:イギリス、スペイン、フランス、ベルギー、ポルトガル
公開日:2018年5月19日(フランス)、2018年6月1日(スペイン)、2018年7月25日(ベルギー)、2018年12月27日(ポルトガル)、2020年1月31日(イギリス)

 

 

作品について

テリー・ギリアム監督。

ミゲル・デ・セルバンテスの小説が原作。

アドベンチャー・コメディ映画。

 

テリー・ギリアム監督は29年間に何度も製作を試みて失敗していた。開発地獄(development hell)の一例として有名。

1998年から2000年のオリジナルプロダクションの経緯はドキュメンタリー映画としてまとめられた。Keith Fulton & Louis Pepe 監督・脚本『ロスト・イン・ラ・マンチャ』(2002)。もともとは「メイキング・オブ」のドキュメンタリー映画として製作していたのだが、本編が製作中止になったため、製作中止に至るまでのドキュメンタリー映画として単体で公開された。

 

 

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感想

おもしろい。

ドン・キホーテ』と21世紀の現実世界とを上手く融合させている。原作小説『ドン・キホーテ』がメタフィクションであることを活かしている。

原作のドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャは騎士道物語の読み過ぎで現実と物語の区別がつかなくなった郷士アロンソ・キハーノ。テリー・ギリアム監督版では、かつて映画でドン・キホーテを演じたことから自分をドン・キホーテだと思い込むようになった老人ハビエル・サンチェス。

トビー・グリソーニも、ハビエル・サンチェスの空想に巻き込まれるうちにサンチョ・パンサになりかけていく。そして最終的にはトビー・グリソーニもドン・キホーテに取り憑かれ、新たなドン・キホーテになる。

トビー・グリソーニはかつて『ドン・キホーテ』の映画を製作したことで、多くの人の人生を狂わせてしまったことに気づく。

ドン・キホーテ』は呪いの書。『ドン・キホーテ』は関わった人たちを感染させる。

 

トビーがスペイン語で会話していて、英語字幕を手で押しやる演出がおもしろい。

 

 

余談

アダム・ドライバーは、フランシス・フォード・コッポラ監督・脚本・製作『メガロポリス』に主演した。こちらもフランシス・フォード・コッポラ監督が1980年代から構想していた企画がようやく実現した。2022年11月1日から2023年3月30日に主要撮影が行われ、現在ポストプロダクション中。

en.wikipedia.org

 

 

キャスト

トビー・グリソーニ:アダム・ドライバー
ドン・キホーテ / ハビエル・サンチェス:ジョナサン・プライス
アンヘリカ・フェルナンデス(アンジェリカ):ジョアナ・ヒベイロ(ジョアナ・リベイロ)
ジャッキ:オルガ・キュリレンコ
ボス:ステラン・スカルスガルド
ジプシー:オスカル・ハエナーダ
ルパート: ジェイソン・ワトキンス
農民:セルジ・ロペス
農民の妻:ロッシ・デ・パルマ
ラウル:ホヴィク・ケウチケリアン
アレクセイ・ミシュキン:ジョルディ・モリャ

 

 

スタッフ

監督:テリー・ギリアム(Terry Gilliam)
脚本:テリー・ギリアム(Terry Gilliam) & トニー・グリソーニ(Tony Grisoni)
原作:ミゲル・デ・セルバンテス(Miguel de Cervantes)
製作:マリエラ・ベスイエフスキー(Mariela Besuievsky)、ヘラルド・エレーロ(Gerardo Herrero)、エイミー・ギリアム(Amy Gilliam)、グレゴワール・メラン(Grégoire Melin)、セバスティアン・ドゥロワ(Sébastien Delloye)
製作総指揮:Jeremy Thomas, Peter Watson, Alessandra Lo Savio, Giorgia Lo Savio, Javier López Blanco, François Touwaide
撮影監督:ニコラ・ペコリーニ(Nicola Pecorini)
編集:レズリー・ウォーカー(Lesley Walker)、テレサ・フォント(Teresa Font)
音楽:ロケ・バニョス(Roque Baños)
製作会社:Alacran Pictures, Tornasol Films, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mató a Don Quijote A.I.E., Carisco Producciones AIE, Recorded Picture Company
配給:Sparky Pictures

配給(スペイン):Warner Bros. Pictures
配給(フランス):Océan Films
配給(ベルギー):The Searchers
配給(ポルトガル):Lusomundo / NOS Audiovisuais

配給(アメリカ):Screen Media Films
配給(日本):ショウゲート (2020年1月24日公開)

 

プロダクションデザイン:Benjamín Fernández
美術監督:Gabriel Liste, Alejandro Fernández
セットデコレーション:Edou Hydallgo
衣装デザイン:Lena Mossum
Original Don Quixote Costume: Gabriella Pescucci

Choreographer: Carmen Lopez Armengou

Stunt Coordinator: Ricardo Cruz
Assistant Stunt Coordinator: Ricardo Cruz Jr.

Sound Mixer: Pierre Mertens
Sound Designer: André Jacquemin
Re-Recording Mixer: Thomas Gauder

Special Effects Supervisor: Reyes Abades
Special Effects: Reyes Abades Efectos Especiales

Visual Effects Supervisor: Ingo Putze

Visual Effects by L'autre Compagne
Visual Effects Supervisor: Stephane Bidault
Visual Effects Producer: Matthias Weber

Visual Effects by Worldwide FX Studio
Visual Effects Producer: Danail Hadzhiyski

Co-Producers: Pandora da Cunha Telles, Pablo Iraola
Line Producer: Yousaf Bokhari
Interim Production Manager: Patricia De La Uz
Key 2nd Assistant Director: Ana Summers
2nd Assistant Director: Oscar Manero
3rd Assistant Director: Patrick Bencomo
Post-Production Supervisors: Paula Crickard, Gisela Evert

 

In Memoriam: Jean Rochefort
In Memoriam: John Hurt
Thanks: Michael Palin