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『ゆびさきと恋々』第10話感想

『ゆびさきと恋々』第10話「桜志の世界」

 

 

作品について

2人組の漫画家チーム「森下suu」の漫画が原作。聴覚障害や手話が題材。

 

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感想

おもしろい。

桜志は素直になれないから。

桜志が初めて手話を使ったシーンの劇伴が、ナンシー・マイヤーズ監督・脚本・製作『ホリデイ』(2006)のハンス・ジマーによる映画音楽"Cry"を思い出す。原曲はエレクトリックギターだけど、J Scott Rakozy のピアノ演奏が似ている。


EWQL Steinway B3 Demo

音楽制作に使う virtual instruments (ソフトウェア音源)の1つ、EastWest Quantum Leap Symphonic Orchestra に収録されているグランドピアノ Steinway B3 の音色。

『ホリデイ』はキャメロン・ディアスジュード・ロウケイト・ウィンスレットジャック・ブラックの恋愛コメディー映画。

 

逸臣は雪を家に連れ込んでも一応手を出さない。相手が性行為を望むまで待つようだ。我慢している、自制しているともいえる。なのだが、雪は逸臣に抱かれたいのだろうか。高校までろう学校に通っていたとはいえ、性行為を知らないということはないと思うが。

ただ、現実では父権主義で保守の政治家や東京都教育委員会が特別支援学校に圧力をかけたせいで、日本の性教育を委縮させた過去がある。現在も学校教育ではその影響が残っている。「寝た子を起こすな」思想の人たちは、子どもたちが性暴力被害にあってもかまわないのだろう。

 

字幕

アメリカのメジャー映画スタジオの作品はBD/DVDにSDH(Subtitles for the Deaf or Hard-of-Hearing)という種類の字幕が収録されていることが多い。

日本映画は日本語字幕が収録されたBD/DVDはまだ少ない。

スタジオジブリ作品はBD/DVDに日本語字幕が収録されている。京都アニメーション作品も日本語字幕が収録されている作品が多い(全作品ではない)。

テレビ放送はデジタル放送、特に地デジになってからだいぶ環境がよくなってきた。デジタル放送規格(ISDB)の標準機能で字幕放送があり、字幕対応のテレビ番組も多い。『ゆびさきと恋々』のテレビ放送でも字幕放送が全局で行われている。2011年までのアナログ放送時代は、クローズドキャプション(CC)の機械を購入してテレビと接続する必要があったため、なかなか普及しなかった。地デジ化以降、テレビ局も字幕放送に積極的になった。

余談だが、字幕放送はテレビ局が字幕制作会社に発注して用意するため、権利関係で配信やBD/DVD収録などでの転用が難しいらしい。『ゆびさきと恋々』は配信でも字幕対応であり、またBDにも収録されるので、製作委員会が発注して日本語字幕の著作権保有しているのではないか。

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発声

まどかは中途失聴。まどかの発声は健常者に近い。ろう者になる前に聞く・話す経験があったためだろう。一般的に幼児は家族や周囲の人たちの言葉をまねて、言語を習得していく。言語を聞く・話す経験がない人の場合、自分の発する音が他人にどう聞こえるかをトライアル・アンド・エラーする機会がないので、思い通りの声が出せない人も多い。そのため他人に声を聞かせたくないというろう者も多いそうだ。

 

制作協力

AXsiZが制作協力(グロス請け)。

セトウケンジ監督『ラーメン大好き小泉さん』(2018)、秋田谷典昭監督、福島利規副監督『となりの吸血鬼さん』(2018)などを制作した。

Studio五組の第2スタジオが独立した関係から、Studio五組と共同制作する作品が多い。共同制作名義であっても実際の制作現場はAXsiZが主体らしい。

 

 

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キャスト

糸瀬 雪:諸星すみれ
波岐逸臣:宮崎遊
芦沖桜志:大塚剛央
波岐京弥:逢坂良太
藤白りん:本渡楓
中園エマ:東山奈央
伊柳 心:畠中祐
芦沖実桜:庄司宇芽香
吉季いずみ:髙橋ミナミ
桜瀬まどか:菱川花菜
芦沖実桜(少女期):庄司宇芽香
芦沖桜志(少年期):小市眞琴

 

 

第10話スタッフ

脚本:米内山陽子
絵コンテ:村野佑太
演出:藤中達也

総作画監督:酒井香澄、西岡夕樹、遠藤江美子、玉利和枝、辻加奈子
作画監督:高梨光、中山智貴、津幡佳明、片岡英之、高橋紀子、永田有香、サイ・ジョディ

アニメーション制作協力:AXsiZ

 

 

メインスタッフ

原作:森下suu
監督・絵コンテ:村野佑太
シリーズ構成・脚本:米内山陽子
キャラクターデザイン:酒井香澄
総作画監督:酒井香澄、西岡夕樹、遠藤江美子、玉利和枝、辻加奈子
手話監修:米内山陽子
手話アニメーター:柳田義明藤森雅也、宮本雄岐
チーフ動画検査:小池瞳子
場面設計:関根昌之
衣装デザイン補佐:あおのゆか
プロップデザイン:ヒラタリョウ
プロップデザイン補佐:河江まりや
色彩設計:中野尚美
美術監督:本田光平
美術設定:綱頭瑛子、伊良波理沙
撮影監督:佐藤哲
編集:白石あかね
音響監督:菊田浩巳
音響効果:緒方康恭
音楽:橋本由香利
音楽制作:ミリカ・ミュージック
プロデューサー:青井宏之、立花耕、曹聡、黒須信彦、小澤慎一朗、宇田真奈美、小西裕貴
アニメーションプロデューサー:矢尾板克之
アニメーション制作:亜細亜堂
製作:ゆびさきと恋々製作委員会(MBS講談社、NetEase Games、クランチロール亜細亜堂TOKYO MXNBCユニバーサル・エンターテイメント)

 

企画:池邉真佐哉、高見洋平、葛仰骞、末平アサ、岡村雅裕、許樹人
製作:丸山博雄、古川慎、飯島江美子、金子広孝、髙橋和彰
企画協力:月刊デザート、須田淑子、出永安奈、鈴木重毅
宣伝プロデューサー:前田吉
アソシエイトプロデューサー:松岡晃平、佐藤尚哉、譚子欣、安倍依里

制作デスク:岩本岳大
設定制作:水飼秋乃、佐藤朱
文芸:石山優子