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『大いなる驀進』感想

『大いなる驀進』
製作年:1960年
製作国:日本
公開日:1960年11月8日

 

 

作品について

関川秀雄監督。

ドラマ映画。

 

www.toei-video.co.jp

 

 

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大いなる驀進

大いなる驀進

  • 中村賀津雄
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感想

おもしろい。

瀬川昌治監督『喜劇急行列車』(1967)は『大いなる驀進』に連なる作品とも言えるだろう。渥美清さんが寝台特急「さくら」の車掌を演じていた。のちの『男はつらいよ』シリーズの寅さんをほうふつとさせるキャラクターだった。

『喜劇急行列車』は題名の通りコメディ映画だけど、『大いなる驀進』はシリアス。列車内での窃盗事件の描き方も随分違う。

台風による土砂崩れで線路がふさがれる。国鉄職員の懸命の努力に胸を打たれた乗客たちが手伝うという熱い展開だけど、手伝うのは女性客だけで、男性客は何もしない。こういうときこそ「我こそは」と力を貸す絶好の機会なのに。

 

高度経済成長の時代の日本の風景が記録されている。1964年東京オリンピックに向けての都市開発など。

喫煙が当たり前である点が時代だなと感じる。

君枝や、母が危篤で博多に行く少女がそれぞれ電報を打つ。電車内の公衆電話は1960年代から設置されるようになったらしい。外部との連絡は1970年頃までは電報が一般的だったと。

mainichi.jp

国鉄創立88周年記念作品らしい。1872年10月14日の新橋~横浜間の鉄道開業から数えてかな。

傲岸不遜な国会議員だが、懐中時計を拾った人(実はスリ)にお礼を言うという筋を通す。

 

三國連太郎さんがかっこいい。私にとっては『釣りバカ日誌』シリーズのスーさんの印象が強い。

 

子どもの時に家族旅行でブルートレインに乗ったことがある。ホテルや旅館などとは違う、おもしろい体験だった。長距離の移動なら飛行機や新幹線を使うから、廃止されたのは仕方ないね。

 

 

キャスト

矢島敏夫:中村賀津雄
松崎義人:三國連太郎
望月君枝:佐久間良子
松本芳子:中原ひとみ
森原数子:久保菜穂子
政党幹部:上田吉二郎
秘書:大村文武
カメレオンの松:花澤徳衛
時定:波島進
七郎:直木明
サブ:曽根晴美
山本年子:大原幸子
駆け落ちの男:北川恵一
駆け落ちの女:小宮光江
炭坑主吉田:小川虎之助
医者:小沢栄太郎
新郎:木川哲也
新婦:片岡昭子
駈け落ちの男の兄:佐原広二
年子の姉:牧野内とみ子
太った男:曽根秀介
公安官A:八名信夫
公安官B:菅沼正
峰岡:岩城力
立花:友野博司
石川:森弦太郎
運転車掌:岡野耕作
当直助役:沢彰謙
保線係:打越正八
岡山駅長:明石潮
機関士A:北峰有二
機関士B:北山達也
コック:山村修
マネージャー:小塚十紀雄
食堂ガールA:古賀京子
食堂ガールB:岡田悦子
大阪医大の事務局員:滝沢昭
長崎医大の事務局員:片山滉
政党大阪支部員:志摩栄
機関助手:轟謙二
途中の駅長:大野広高
列車給仕:佐藤利夫

 

 

スタッフ

監督:関川秀雄
脚本:新藤兼人
製作:大川博
企画:坪井与、岡田寿之、加茂秀男
撮影:仲沢半次郎
美術:森幹男
照明:銀屋謙蔵
録音:大谷政信
編集:長沢嘉樹
音楽:斎藤一郎
助監督:山田稔
進行主任:登石雋一
協力:日本国有鐵道(日本国有鉄道)
製作:東映東京撮影所
配給:東映