映画の後には紅茶とお菓子を

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『サクガン』第1話感想

『サクガン』第1話「FATHERS & DAUGHTERS」

 

 

作品について

和田純一監督。

サテライトとC2Cの共同制作の『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?』(2017)がよかった。他に『長門有希ちゃんの消失』(2015)、『Caligula -カリギュラ-』(2018)の監督。

和田純一監督が初めてシリーズ構成・脚本を執筆する。

永井真吾さん、望月真里子さん、根元歳三さんがシナリオ。芝村裕吏さんがシナリオ協力。

三塩天平助監督。

いばらの王』『Dimension W』などの岩原裕二さんがキャラクター原案。岡村天斎監督、ボンズ制作『DARKER THAN BLACK』シリーズでもキャラクター原案を担当していた。

望月俊平さんがアニメーションキャラクターデザイン・総作画監督

サテライト制作。

 

当初の題名は『Sacks&Guns!!』(サクガン!!)だった。

 

2018年に、DeNA・創通・文化放送毎日放送の共同企画によるオリジナルアニメ制作プロジェクト「Project ANIMA」の公募コンテストが開催された。

project-anima.jp

第1弾「SF・ロボットアニメ部門」にて準大賞を受賞した戌井猫太郎のSF小説『削岩ラビリンスマーカー』が原案。ちなみに大賞は該当作品がなかった。

「SF・ロボットアニメ部門」はサテライトがアニメーション制作。第2弾「異世界・ファンタジー部門」はJ.C.STAFF、第3弾「キッズ・ゲームアニメ部門」は動画工房がそれぞれアニメーション制作する。

緑川光さんはプロジェクトのアンバサダー、豊永利行さんはプロジェクトアニマによる文化放送のラジオ番組『真夜中のラジオ文芸部』のパーソナリティだった。また2人とも、メメンプー役の声優を選ぶ公開オーディションの特別審査員を務めた。

 

同様の試みとして、2013年にポニーキャニオンが開催した「アニメ化大賞」がある。大賞を受賞した、創作ユニット「Physics Point」の『D.backup(ディー・ドット・バックアップ)』を原案とする中編映画が製作された。

animeanime.jp

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石浜真史監督、志茂文彦さん脚本、A-1 Pictures制作『ガラスの花と壊す世界』(2016)。小粒ながらよくできていたと思う。

 

 

感想

おもしろい。

 

サテライト作品らしい、独特の色彩センスの背景美術。

チャイナタウン。

 

メメンプーが描いた絵はクレヨンっぽい質感。

 

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ウロロップ(お母さん)から送られてきた鉱石には地図が刻まれていた。魔鏡かな。こだま兼嗣監督、古内一成さん脚本『名探偵コナン 世紀末の魔術師』(1999)で、インペリアル・イースター・エッグにはめ込まれていた小さな鏡には、横須賀にあるドイツ風の城が描かれていた。

 

突然、怪獣が出現。

 

リンダとウォルシュは、主人公に影響を与える役割なので、物語から退場した。

ガガンバーがメメンプーはまだ子どもと繰り返すのを、作中で意味づけている。『サクガン』の世界では何歳から大人なのかはわからないが、9才はまだ子どもだろう。

サブタイトル「Fathers & Daughters」は複数形なので、メメンプーとガガンバー、リンダとウォルシュの2組の親子のこと。

 

デカダンス』『メイドインアビス』などをほうふつとさせる。

 

 

演出

幼い少女が男に追われているという導入から、「今度という今度は許しませんよ。お父さんは!」という台詞をきっかけにコメディに転じる演出がいい。音響演出もシリアスな劇伴から、無音を経てコミカルな劇伴になる。

第1話冒頭2分で、これはコメディ作品だと提示する。

 

朝からカップ麺を食べるシーンを、アンテナがついている古いテレビを前景に置いたシンメトリーレイアウトで。翌朝にはリンダが中央に加わる。

メメンプーがボディチェックのスキャナーに向けて足を踏み出す動きと、採掘現場で機械が岩を砕くショットの match cut。

「そんなだから母さん逃げられるんだろ!」と叫んだ直後、エレベーターが到着してチーンと効果音が鳴る。絶妙なタイミング。

 

メメンプーの泣き顔、表情芝居が上手い。

 

 

余談

公式サイトが日本語、英語、中国語の3か国語対応。日本のアニメ業界では珍しい。

sakugan-anime.com

TwitterYouTubeInstagramだけでなく、Weibo(新浪微博)の公式アカウントもある。

 

 

Blu-ray Disc

 

 

 

キャスト

メメンプー:天希かのん
ガガンバー:東地宏樹
ザクレットゥ:花澤香菜
ユーリ:豊永利行
メローロ:細谷佳正
DJ K:神谷浩史
ムゥロ:和多田美咲
ボス:小山剛志
リンダ:津田美波
ルーファス:緑川光

 

 

第1話スタッフ

脚本・絵コンテ:和田純一
演出:三塩天平

総作画監督:望月俊平
作画監督:長坂寛治、浜津武広、槙田路子、宮西多麻子

メインアニメーター:杉江敏治、谷口明弘
LO監修:相馬満

 

 

メインスタッフ

原案:戌井猫太郎『削岩ラビリンスマーカー』
原作:コロニー大会議
監督・シリーズ構成:和田純一
助監督:三塩天平
シナリオ:永井真吾、望月真里子、根元歳三
シナリオ協力:芝村裕吏
キャラクター原案:岩原裕二
アニメーションキャラクターデザイン:望月俊平
コンセプトデザイン:幸田和磨
カイジュウコンセプトデザイン:河森正治
カイジュウ・メカニックデザイン大河広行
メカニックデザイン:ブリュネ・スタニスラス
プロップデザイン:石本剛啓、森岡賢一
色彩設計:長谷川美穂
美術設定:坂本竜
美術監督:大西穣
撮影監督:志村豪
編集:松本秀治
3DCGディレクター:後藤浩幸
2Dワークス:中村倫子
音響監督:木村絵理子
音響効果:中野勝博
選曲:合田麻衣子
録音調整:田中和成
音響制作担当:堀口信哉
音響制作:東北新社
音楽:加藤達也
音楽プロデューサー:川島麻衣
音楽制作:ランティス
取材協力:公益財団法人 環境科学技術研究所
プロデューサー:舟橋貴之、井手響太、畑秀明、原田真史、小出慎太郎、竹山茂人、有田真代、曹聡、太田慎也、堀越大、渡部要一郎
アニメーションプロデューサー:高野健一
制作デスク:浅田貴浩
設定制作:新井美穂、古屋寛通
文芸・設定補助:望月真里子
アニメーション制作:サテライト
製作:「サクガン」製作委員会(創通、文化放送、サテライト、バンダイBANDAI SPIRITS、バンダイナムコアーツ、アスミック・エース、Fosun Entertainment Japan、サミー、NetEase Games、VAP、DeNA)