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『ゴージャス』感想

『ゴージャス』
原題:玻璃樽
英語題名:Gorgeous
製作年:1999年
製作国:香港

 

作品について

ヴィンセント・コク監督・共同脚本。

ジャッキー・チェン製作・主演。

アクション・ロマンティックコメディー映画。

 

 

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感想

新ソフト版吹き替え版。

ドラえもん』のジャイアンを演じていたたてかべ和也さんが、「おー心の友よ」と同じ台詞を言う。娘のいたずらに「よくもやったなー!」と怒って追いかける。

 

ガラスの瓶に入った手紙(message in a bottle)を見つける。台湾の少女が香港に行く。

 

リサイクル会社のオーナーが、毎朝ウォール街の報告を聞く。

 

香港は映画で同性愛者を描くことができたのか。1997年までイギリスが統治していた影響か。2020年からは中国共産党が香港の支配を強めた。中国共産党は同性愛を禁止している。創作物での描写も検閲される。

この映画では同性愛描写はなく、あくまでアルバートはゲイなので恋愛に絡みませんよ、三角関係になりませんよ、というエクスキューズとして利用されているが。

 

 

製作

ジャッキー・チェンは長年ドラマ映画を演じたいと思っていたが、ゴールデン・ハーベストの共同設立者レナード・ホーが何度も説得していた。ファンが好むアクション映画だけやるべき。特に日本など、主要市場で受け入れられないだろうから、ラブシーンは避けるべきだ、と。レナード・ホーが1998年2月16日に死去したこともあり、ジャッキー・チェンはゴールデン・ハーベストから離れて、自分が本当にやりたい映画を作ろうと模索するようになった。ブレット・ラトナー監督『ラッシュアワー』(1998)の世界的な成功で、ちょうど西洋での名声が高まっていたことも作用した。

この映画の脚本はもともと純粋なラブストーリーだった。ジャッキー・チェンはプロデューサーとしてのみ関わり、演じるつもりはなかった。スー・チーがヒロインを演じることが決まり、脚本が書き直され、C・N・チェンの役が作られた。C・N・チェンは主人公に昇格され、アクション要素が追加された。それでも『ゴージャス』は恋愛映画として製作されたため、ジャッキー・チェンのいつものアクション映画とは異なる。

ジャッキー・チェンは『ラッシュアワー』と『ゴージャス』を比較してこう述べている。『ラッシュアワー』は雇われ仕事、『ゴージャス』は自分の子どもだと。『ラッシュアワー』では、ハリウッドの厳格な契約制度があるため、俳優とアクション監督としてしか携わっていない。『ゴージャス』では、プロデューサーであり、編集やキャスティングに大きく関われた。

実はキスシーンが存在するが、日本など東アジアの観客からの拒否反応を恐れてカットされた。ジャッキー・チェンの恋愛描写を見たくないだろうという配慮。

 

 

キャスト

C・N・チェン:ジャッキー・チェン石丸博也
プウ:スー・チー雨蘭咲木子石塚理恵
アルバートトニー・レオン山路和弘藤原啓治
ロンギー:リッチー・レン桐本琢也森川智之
ロウ:エミール・チョウ;大塚芳忠安原義人
プウの父:チェン・ソンヨン;富田耕生たてかべ和也
プウの母:エレイン・ジン;一城みゆ希高島雅羅
チェンの執事ヤン:タッツ・ラウ;星野充昭飛田展男
アラン:ブラッドリー・ジェームス・アラン;落合弘治
警官:チャウ・シンチー(友情出演);星野充昭檀臣幸
暴漢:サム・リー(特別出演)
レストランの支配人:ロー・カーイン(特別出演);水野龍司
レストラン船長の客:ラム・シュー(特別出演);藤本譲

 

旧ソフト版:パイオニアLDC版VHS・DVD収録。
新ソフト版:ポニーキャニオン版DVD・BD収録。演出:市来満。

 

 

スタッフ

監督:ヴィンセント・コク
脚本:ヴィンセント・コク、ジャッキー・チェン、Yiu Fai Lo
原案:アイヴィー・ホー
製作:ジャッキー・チェン、レイモンド・チョウ
製作総指揮:スティーブン・チュン
supervising producer: Lai-Jan Chong
ラインプロデューサー:デヴィット・チェン
撮影:チェン・マンポー
編集:コン・チーリョン、Cheung Ka-fai
音楽:デニー・ウォン
製作会社:ゴールデン・ハーベスト
配給:ゴールデン・ハーベスト (香港)、ギャガ・コミュニケーションズ (日本)