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『陽はまた昇る』(2002)感想

『陽はまた昇る』
製作年:2002年
製作国:日本
公開日:2002年6月15日

 

 

作品について

佐々部清監督。

佐藤正明のルポルタージュ『映像メディアの世紀』が原作。

ドラマ映画。

 

 

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DVDは廃盤。

 

 

感想

おもしろかった。

子どもの頃NHKの『プロジェクトX』を見た。
この映画は事実に基づくフィクション。

前半は加賀谷静男が事業部長に就任して各々が努力を重ね何とかVHS試作機の開発に成功するまで、後半はベータマックスとの規格統一を求められる中でVHSを世に出すまで。
かつて日本ビクターのお荷物とされていた横浜工場ビデオ事業部が、加賀谷静男事業部長らの影響で少しずつ変わっていくさま。
管理部門出身でいずれ本社に戻る大久保修事業部次長も、加賀谷静男事業部長と共に働く中で仕事に意味を見出していく。

加賀谷静男事業部長の語る夢や理想もわかるけれど、武田壮吉社長、金沢紀之副社長、渡会信一専務の言葉も理解できる。今作では主人公に反対する悪役のような立場として描かれているものの、「VHSがたとえ世間に認められても、加賀谷君、君のやり方は私は間違っていると思う」という金沢紀之副社長の考えは正しい。

喧嘩別れのような形で松下電器産業に転職した江口涼平が、休みを取って手伝いに来た場面はおいしいところを持っていくなと思った。

現在でも慕われている松下幸之助氏は、このようなところが所以なのだろうと感じられる。

西田敏行渡辺謙が要。
西田敏行の感情芝居が巧み。クロースアップで映されるショットで特に強く感じ取れる。

長男の加賀谷猛を演じた樹音(FUZZY CONTROLのボーカル兼ギタリスト、JUON)が良い。

大島ミチルさんの音楽が素敵。

 

 

キャスト

加賀谷静男(日本ビクタービデオ事業部長):西田敏行
大久保修(日本ビクタービデオ事業部次長):渡辺謙
江口涼平(日本ビクタービデオ事業部システム開発課員):緒形直人
加賀谷圭子(加賀谷静男の妻):真野響子
柏木夏佳(ソニー研究員):篠原涼子
平井友輝(日本ビクタービデオ開発課長):中村育二
服部一義(日本ビクターシステム開発課員):田山涼成
新田泰介(日本ビクタービデオ開発課員):蟹江一平
加賀谷猛(加賀谷家の長男):樹音
小野俊夫(日本ビクターシステム開発課長):加藤満
大木良弘(日本ビクタービデオ開発課員):崔哲浩
小島孝志(日本ビクタービデオ開発課員):永倉大輔
杉沢浩(日本ビクタービデオ開発課員):西田聖志郎
宮下茂夫(日立製作所ビデオ事業部長):新克利
大野久志(三菱電機事業部長):石丸謙二郎
ビクター協力工場の社長:上田耕一
寺山彰(ソニー社長):江守徹
村上雅恵(居酒屋「きのや」の女将):倍賞美津子
ビクター協力工場の社長:中原丈雄
ビクター協力工場の社長:村田則男
着付け教室の先生:内田明里
加賀谷勇次(加賀谷家の次男):石田法嗣
ビクター協力工場の社長:佐藤正明
水泳コーチ:木原光知子
居酒屋の客:降旗康男
小出収美(通産省電子機器課長):國村隼
渡会信一(日本ビクター専務):津嘉山正種
金沢紀之(日本ビクター副社長):石橋蓮司
門脇光蔵(ビクター協力工場の社長):井川比佐志
武田壮吉(日本ビクター社長):夏八木勲
松下幸之助(松下電器産業相談役):仲代達矢

 

 

スタッフ

監督:佐々部清
脚本:西岡琢也佐々部清
原作:佐藤正明『映像メディアの世紀』
製作:高岩淡
企画:坂上順、西村元男
プロデューサー:厨子稔雄、小松茂
ラインプロデューサー:菊池淳夫
撮影:木村大作
美術:福澤勝広、新田隆之
照明:礒野雅宏
録音:高野泰雄
編集:大畑英亮
音楽:大島ミチル
音楽プロデューサー:北神行雄、津島玄一
音響効果:佐々木英世、西村洋一
装飾:若松孝市
衣裳:山田夏子
製作担当:林周治
助監督:瀧本智行
製作:「陽はまた昇る」製作委員会(東映JVCピクチャーズ、東映ビデオ、シチエ、加賀電子、日本出版販売)
配給:東映