『青いパパイヤの香り』感想

『青いパパイヤの香り』
原題(ベトナム語)："Mùi đu đủ xanh"
原題(フランス語)：« L'Odeur de la papaye verte »
英語題名："The Scent of Green Papaya"
製作年：1993年
製作国：フランス、ベトナム
言語：ベトナム語
公開日：1993年6月8日

作品について

トラン・アン・ユン監督・脚本。

ロマンティック・ドラマ映画。

Amazon

青いパパイヤの香り (字幕版)

青いパパイヤの香り HDニューマスター版 [Blu-ray]

BD/DVDは廃盤。

感想

10歳の少女ムイは、没落しかけている資産家の家で奉公する。家の人たちは基本的にムイに優しい。10年後、別のお屋敷で奉公する。ムイが婚約者から初恋の人クェンを奪う。妊娠。

淡い初恋の物語ではなく、泥沼の愛の物語。

おめかしした10歳のムイが可愛い。アオザイというよりはチャイナドレスに見える。

淡々とした映像で話が進む。でも頻繁に心理スリラーみたいな演出と音楽がある。いきなり10年後に飛んだ。

映像美。1951年ベトナムのサイゴンの設定だけど、全編フランスのスタジオで撮影した。トラン・アン・ユン監督はもともとベトナムでロケーション撮影を考えていたが、大変なのでやめたらしい。サイゴンのダウンタウンをセットで再現した。

キャストのほぼ全員がフランス在住のベトナム系フランス人。年配の使用人を演じた俳優だけはベトナムから連れてきた。

ベトナム戦争の時期。

スタインウェイ・アンド・サンズの小型グランドピアノ。ニューヨーク工場製造。

フレデリック・ショパン作曲 前奏曲 第23番 ヘ長調。

フレデリック・ショパン作曲 前奏曲 第24番 ニ短調。

クロード・ドビュッシー作曲『ベルガマスク組曲』第3曲 「月の光」。

Geneviève Ibanez による演奏。

トラン・アン・ユン監督作品は、村上春樹の小説が原作の『ノルウェイの森』(2010)を観た。

ノルウェイの森

キャスト

ムイ(20歳)(Mui à 20 ans)(Mùi năm 20 tuổi)：トラン・ヌー・イエン・ケー(Trần Nữ Yên Khê)
ムイ(10歳)(Mui à 10 ans)(Mùi năm 10 tuổi)：リュ・マン・サン(Lư Mẫn San)
La mère(người mẹ): トルゥオン・チー・ロック(Trương Thị Lộc)
La vieille Ti(bà Ty): グエン・アン・ホア(Nguyên 'Anh Hoa)
クェン(Khuyến)：ヴォン・ホア・ホイ(Vương Hoa Hội)
Le père(người cha): トラン・ゴック・トゥルン(Trần Ngọc Trung)
Thu: タリスマン・バンサ(Vantha Talisman)
Trung: ソウヴァンナヴォング・ケオ(Keo Souvannavong)
Mr. Thuan(ông Thuận): Nguyễn Vân Oanh
Tin: ネス・ガーランド(Gerard Neth)
Lãm: Đỗ Nhật
La grand-mère(bà nội): Võ Thị Hải
Mai: クエン・チー・タン・トゥラ(Nguyễn Thị Thanh Trà)

字幕翻訳：古田由紀子

スタッフ

監督：トラン・アン・ユン(Trần Anh Hùng)
脚本：トラン・アン・ユン(Trần Anh Hùng)
製作：アデリーヌ・ルカリエ(Adeline Lecallier)、アラン・ロッカ(Alain Rocca)
製作総指揮：クリストフ・ロシニョン(Christophe Rossignon)
撮影監督：ブノワ・ドゥローム(Benoît Delhomme)
美術監督：アラン・ネーグル(Alain Nègre)
衣装デザイン：Jean-Philippe Abril
編集：ニコール・デデュー(Nicole Dedieu)、ジャン＝ピエール・ロケス(Jean-Pierre Roques)
音楽：トン＝ツァ・ティエ(Tôn-Thât Tiêt)
録音：ミシェル・ギファン(Michel Guiffan)
整音：Joël Faure
キャスティング：Nicolas Cambois
助監督：Sophie Blondy, Nicolas Cambois
製作会社：Les Productions Lazennec, La SFP Cinema (Société Française de Production), La Sept Cinéma, Canal+
配給：MKL Distribution

配給(日本)：デラ・コーポレーション (1994年8月13日公開)