プレミアムシアター
『プロムス2020ラストナイトコンサート』
『ウィーン・フィル シェーンブルン夏の夜のコンサート2020』
『ロレンツォ・ヴィオッティ指揮カメラータ・ザルツブルク演奏会』
番組
プレミアムシアター
NHK BSプレミアム
2020年11月22日(日)午後11時30分-午前4時25分
Last Night of the Proms
公演:2020年9月12日 ロイヤル・アルバート・ホール
感想
今年はCOVID-19のため特殊な開催となった。ロイヤル・アルバート・ホールは無観客、例年は300人で演奏するBBC交響楽団も65人の中編成。司会者のKatie Derhamはゲストを招き、4人の著名人とはZoomでビデオ通話、その他大勢の視聴者のビデオ通話の画面を並べてバルコニー席に見立てる。病院で鑑賞している人たちと中継で結び、曲が終わると、背後の巨大スクリーンとスピーカーから拍手の音声が流れる。
演奏者や歌手たちはお互いに距離を取り演奏。それでも合唱になっているのは流石。今年の合唱は綺麗な合唱。いつもの、大勢で歌う合唱とは異なる。
指揮者のダリア・スタセフスカは、最終夜は初出演。身振り手振りが激しいタイプの指揮者。
ソプラノのゴルダ・シュルツは、南アフリカ出身の歌手。公式サイトによると、南アフリカのRhodes Universityでジャーナリズムを学び、その後ケープタウン大学で音楽を学び、ケープタウン・オペラで2年間活動し、アメリカに渡りニューヨークのジュリアード音楽院で学んだ。オペラもいいけれど、ミュージカルの2曲が素晴らしい。
スウェーデンの作曲家アンドレア・タロディによる『ソルス(孤独)』のワールドプレミア。ティンパニーの主張を除けば、SFホラー映画で見えない敵が迫ってくるシーンの劇伴のようだった。
『エルサレム』の新しい編曲はスコットランドの印象。よかった。
お約束の『英国の海の歌による幻想曲』『ルール・ブリタニア』『威風堂々』『エルサレム』『イギリス国歌』の流れは、少し物足りないと感じた。ホールに観客がいないため、指揮者が観客に話す演出はなかった。
出演
ソプラノ:ゴルダ・シュルツ
ヴァイオリン:ニコラ・ベネデッティ
合唱:BBCシンガーズ、BBCシンフォニー・コーラス
管弦楽:BBC交響楽団
指揮:ダリア・スタセフスカ
曲目
歌劇『フィガロの結婚』序曲及び「恋人よ、早くここへ」("Deh vieni, non tardar")
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲
『あすの朝』("Morgen!")
リヒャルト・シュトラウス作曲
『ソルス(孤独)』("Solus")ワールド・プレミア
アンドレア・タロディ(Andrea Tarrodi)作曲
ミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』より「夜のワルツ」及び「すてきな人生」
スティーヴン・ソンドハイム作曲・作詞
『揚げひばり』
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ作曲
『エルサレム 雲で陰った丘』("Jerusalem - Our clouded hills")ワールド・プレミア
チャールズ・ヒューバート・パリー作曲
エロリン・ウォーレン(Errollyn Wallen)編曲
『英国の海の歌による幻想曲』
ヘンリー・ウッド編曲
『ルール・ブリタニア』
トマス・アーン作曲
行進曲『威風堂々』第1番「希望と栄光の国」
エドワード・エルガー作曲
アーサー・クリストファー・ベンソン作詞
アン・ダドリー編曲
ミュージカル『回転木馬』より「人生はひとりではない」
リチャード・ロジャース作曲
オスカー・ハマースタイン2世作詞
『エルサレム』
チャールズ・ヒューバート・パリー作曲
『イギリス国歌』
ベンジャミン・ブリテン編曲