映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『ワンダーエッグ・プライオリティ』第4話の感想

ワンダーエッグ・プライオリティ』第4話「カラフル・ガールズ」

 

 

作品について

小室裕一郎さんが絵コンテ・演出。『Fate/Grand Order ‐絶対魔獣戦線バビロニア‐』第7話で演出デビューしたアニメーター。

 

第4話は「協力」として白身魚こと堀口悠紀子さんがクレジットされている。若林信監督とは『22/7』のキャラクターPV「あの日の彼女たち」以来。若林信さんは山田尚子さんや堀口悠紀子さんから影響を受けて自分のものにしているみたい。

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感想

勇気を出して相談しても否定されることは珍しくない。子どもにとって守ってくれる存在であるはずの親からであれば、声を上げられなくなってしまう。

このケースでは、加害者が父親の上司、しかも専務だったという人間関係ではあるが。それでも。親の感情に任せた言葉が子どもを抉る。

この母親は代償として子どもの自死を背負う。

 

アイとみことまこ、桃恵と美和をクロスカッティング。

卵から出てきて守られる立場だったみことまこもハルカも自ら行動。

 

初めてリムジンに乗って、ドアの肘掛にずっと手を載せているアイが可愛い。淡々とした、でも気を許しているねいると比べて。

 

桃恵と、アイとねいるがすれ違う。韓国ドラマかな。すぐに出会ったので違う。

庭でねいるとリカと会い、街で桃恵はアイと出逢う。

そして4人が一堂に会した。

 

桃恵はハルカを助けたい。ハルカは駅で命を絶ったと思われる。だから桃恵はエッグを通して、電車と関係のある女の子たちと出会う。

桃恵はボーイッシュな容姿に複雑な気持ちを持つ。アイの「泣いてる女の子」「泣いてるモデルみたいな女の子」という言葉が心にしみた。

 

アイは桃恵の名字「沢木」に引っ掛かりを覚える。

 

アカと裏アカによると、男性と女性で自死に至る過程が異なると。男性は目的のため、女性は感情のため。

これはあくまでアカと裏アカの発言なので。肯定も否定もしがたい。

 

 

専務の声は多田野曜平さんだったのか。吹き替えでもアニメでも、どんな役でも演じている。人間以外でも。

 

 

演出

水たまりに映る、焦りを感じているアイのショットがいい。

 

「このまま消えてもいいですか」「うん」の直後に、電車を通過させて1人ベンチにたたずむ桃恵のショットに切り替える演出がいい。

「愛してる。消えたくない。ずっと一緒にいたい」
ここでも電車の通過。

 

病院のエレベーター内で、他の人たちを両脇に固めて顔を見せず暗く描くことで、中央奥のアイとねいるに視線を誘導する。奥行きも出るしね。

 

桃恵とアイ・ねいるがすれ違ったときは、桃恵は影の中。4人がそろって、一緒に光の下を歩く。

 

ドラマの見せ方が好き。

 

 

CD

 

 

 

 

Blu-ray Disc

 

 

 

 

 

 

キャスト

大戸アイ:相川奏多
青沼ねいる:楠木ともり
川井リカ:斉藤朱夏
沢木桃恵:矢野妃菜喜
アカ:内田夕夜
裏アカ:高橋広樹
大戸多恵:白石晴香
沢木修一郎:中澤󠄃まさとも
長瀬小糸:田所あずさ
西城くるみ:安済知佳
鈴原南:佐藤聡美
田辺美咲:武田華
みこ:井上麻里奈
まこ:田辺留依
ハルカ:本渡楓
美和:花守ゆみり
瑞希古賀葵

 

 

第4話スタッフ

脚本:野島伸司
絵コンテ・演出:小室裕一郎

作画監督:堀裕津
作画監督補佐:けろりら
協力:白身魚

動画検査:田畑絵里子
色指定・検査:鳥越栞

 

 

シリーズスタッフ

原案・脚本:野島伸司
監督:若林信
キャラクターデザイン・総作画監督:高橋沙妃
コンセプトアート:taracod
副監督:山﨑雄太
アクションディレクター:川上雄介
コアアニメーター:小林恵祐
ゲストキャラクターデザイン:久武伊織
プロップデザイン:井上晴日
モンスターデザイン:小林麻衣子
ミテミヌフリデザイン・アニメーション:大鳥
武器デザイン:絵を描くPETER
アニメーション武器デザイン:けろりら
色彩設計:中島和子
美術監督:船隠雄貴
撮影監督:荻原猛夫
3DCG:Boundary
編集:平木大輔
音響監督:藤田亜紀子
音響効果:古谷友二
音楽:DÉ DÉ MOUSE、ミト(クラムボン)
音楽プロデューサー:山内真治
音楽制作:アニプレックス
音楽制作協力:日本テレビ音楽
企画:岩上敦宏、桑原佳子
チーフプロデューサー:三宅将典、中谷敏夫
プロデューサー:植野浩之、中山信宏、塩出正樹
アニメーションプロデューサー:梅原翔太
制作統括:清水暁
制作デスク:成田真一郎
設定制作:染野翔
制作:CloverWorks
製作・著作:WEP PROJECT