映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『ワンダーエッグ・プライオリティ』第5話の感想

ワンダーエッグ・プライオリティ』第5話「笛を吹く少女」

 

 

作品について

『君の膵臓をたべたい』の牛嶋新一郎監督が絵コンテ・演出。『イエスタデイをうたって』の演出もよかった。他には『ワンパンマン』の助監督など。

 

 

films.hatenablog.com

 

films.hatenablog.com

 

 

感想

いわゆる「神待ち」。

 

ねいるはアイの家にお邪魔するのを緊張していた。

沢木桃恵は沢木修一郎の姪。アイの母多恵からあっさり情報開示。多恵は修一郎から桃恵のことを聞いていたようだ。

ママに「こんなにお友達がたくさん。よかったわね、アイちゃん!」と言われて恥ずかしがるアイ。むくれるお芝居が可愛い。

ねいる、リカ、桃恵がアイの家に遊びに来たタイミングで修一郎が登場。しかも修一郎の話題が出たまさにその時に。間が良いというか悪いというか。

「私たちだけの誰も知らない物語だね」。この言葉に憧れを抱くアイ。

 

修一郎はアイの絵を展覧会に出す予定で描いていたけれど、小糸ちゃんの言葉でアイは絵のモデルを辞退。小糸ちゃんがその座に納まった。小糸ちゃんがファム・ファタールだった可能性も出てきた。

「自信ある? なかったら辞退したほうがよくない? 先生の人生がかかってるんだから」と言う小糸ちゃんを開放感のある構図で。続くアイのショットは、橋の欄干に囲まれた窮屈な構図で。小糸ちゃんがアイに対して主導権を握っている関係。題名になぞらえれば、小糸ちゃんがアイに対してプライオリティを持っていた。いや、アイは今でも小糸ちゃんにとらわれているので、小糸ちゃんはプライオリティを持っている。

アイの絵を描いていたときは、美術室の中から2人を撮影していた。一方、小糸ちゃんの絵を描いているときは、アイの視点なので、美術室の外から撮影。小糸ちゃんと修一郎は窓枠で分断されている。続くアイの曇った表情も、窓枠に囲まれている。フレーム内フレームの構図。

 

アイの言葉から、アイは多恵(ママ)が大好きだということがうかがえる。

 

ねいるが友達と遊んで笑っているシーンから、ワンダーキラーとの戦闘中にミテミヌフリが笑っているシーンにつなぐなんて、演出・編集がいやらしい(ほめ言葉)。

「ねえ、あなたトリートメントしてる? ちょっと髪が傷んでるようだけど」と、サングラスをかけた少女がワンピースを両手で押さえる芝居がいい。立ち上がるときも両手を添えている。

 

リカは本人が言うように嫌われ役を買って出た。4人でいる時間が大切だから、別れたくない。自分がちえみの救済を諦めることで、3人にも手を引いてほしかった。

ねいるは妹に刺された。意識が回復した後、ねいるを襲った後に妹が命を絶ったと聞かされた。

 

エッグから出てきた少女が死へと誘惑する。だから「笛を吹く少女」。ハーメルンの笛吹き男。

 

 

演出

第5話はワンダーキラーとのバトルを一部分しか描かず、日常シーンと交互に描くね。時間の流れも不連続。

嵐の前の静けさ、なんだろうね。

 

 

方針

野島伸司のこの物語は、やけに性差別、エイジズム(ageism)やルッキズム(lookism)にまつわる話が描かれるね。作品を通して何を描こうとしているのだろうか?

 

 

CD

 

 

 

 

Blu-ray Disc

 

 

 

 

 

 

キャスト

大戸アイ:相川奏多
青沼ねいる:楠木ともり
川井リカ:斉藤朱夏
沢木桃恵:矢野妃菜喜
アカ:内田夕夜
裏アカ:高橋広樹
大戸多恵:白石晴香
沢木修一郎:中澤󠄃まさとも
長瀬小糸:田所あずさ
西城くるみ:安済知佳
鈴原南:佐藤聡美
田辺美咲:武田華
みこ:井上麻里奈
まこ:田辺留依
ハルカ:本渡楓
美和:花守ゆみり
瑞希古賀葵
綾香:千本木彩花
葵:Lynn

 

 

第5話スタッフ

脚本:野島伸司
絵コンテ・演出:牛嶋新一郎

作画監督:助川裕彦

動画検査:川田響子
色指定・検査:渡部侑子

 

 

シリーズスタッフ

原案・脚本:野島伸司
監督:若林信
キャラクターデザイン・総作画監督:高橋沙妃
コンセプトアート:taracod
副監督:山﨑雄太
アクションディレクター:川上雄介
コアアニメーター:小林恵祐
ゲストキャラクターデザイン:久武伊織
プロップデザイン:井上晴日
モンスターデザイン:小林麻衣子
ミテミヌフリデザイン・アニメーション:大鳥
武器デザイン:絵を描くPETER
アニメーション武器デザイン:けろりら
色彩設計:中島和子
美術監督:船隠雄貴
撮影監督:荻原猛夫
3DCG:Boundary
編集:平木大輔
音響監督:藤田亜紀子
音響効果:古谷友二
音楽:DÉ DÉ MOUSE、ミト(クラムボン)
音楽プロデューサー:山内真治
音楽制作:アニプレックス
音楽制作協力:日本テレビ音楽
企画:岩上敦宏、桑原佳子
チーフプロデューサー:三宅将典、中谷敏夫
プロデューサー:植野浩之、中山信宏、塩出正樹
アニメーションプロデューサー:梅原翔太
制作統括:清水暁
制作デスク:成田真一郎
設定制作:染野翔
制作:CloverWorks
製作・著作:WEP PROJECT