『JSA』
原題: 공동경비구역 JSA
英語題: Joint Security Area
製作年:2000年
製作国:韓国
作品について
パク・ヨンサンの小説『JSA 共同警備区域』が原作。
板門店(軍事境界線)の共同警備区域での、韓国軍兵士と朝鮮人民軍兵士の友情・交流を描いた映画。
作品全体としてはミステリー・スリラー映画。
ソフト版吹き替え版。
感想
演出・編集がいいね。
ソフィー・E・チャンが陳述書をめくって、フラッシュバックに入る。また、オ・ギョンピルが寝ているベッドのショットでカメラが下に下がってフラッシュバックに入る。natural wipe。
遺体安置室で遺体を見下ろすソフィー・E・チャンの右腕と右半身のショットと、拳銃を撃つイ・スヒョクの姿のmatch cut。invisible cutでもあるかな。
射撃の銃声とジェットコースターの音をつなげる。ナム・ソンシクの妹に話を聞くシーン。
最初の交流では、暗闇の中で顔にわずかに光がさす画作り。仲良くなってからはランプの光で明るい。状況が悪化してからは再び薄暗くなる。
良い映画。哀しい話。
監督
パク・チャヌク監督は映画評論家から映画監督になり、『JSA』で高く評価されるようになった。
その後は、『復讐者に憐れみを』(2002)、『オールド・ボーイ』(2003)、『親切なクムジャさん』(2005) (以上「復讐三部作」)、『サイボーグでも大丈夫』(2006)、『渇き』(2009)、『イノセント・ガーデン』(2013) (以上「人間ではない存在の三部作」)、『お嬢さん』(2016)など、立て続けに優れた映画を発表している。
映画評論家が映画監督になっても上手くいかないという印象を持っていた。けれどパク・チャヌク監督は違った。
主人公
原作では中年男性の設定だったスイス人将校を女性に変更した。
パク・チャヌク監督はのちのインタビューで「男の軍人しか出てこない映画なんて、むさくるしいでしょう?」とジョークを飛ばしつつ、「女性だという理由だけで相手を見下し、軽んじる軍隊社会の排他的性格も描きたかった」とも語っている。
キャスト
ソフィー・E・チャン(スイス軍少佐):イ・ヨンエ;岡寛恵、石塚理恵
イ・スヒョク(韓国軍兵長):イ・ビョンホン;横堀悦夫、宮内敦士
オ・ギョンピル(朝鮮人民軍中士):ソン・ガンホ;山路和弘、古田新太
ナム・ソンシク(韓国軍一等兵):キム・テウ;五十嵐明、蟹江一平
チョン・ウジン(朝鮮人民軍兵士):シン・ハギュン;猪野学、津田寛治
Swiss Maj. Gen. Bruno Botta: Christoph Hofrichter
Swedish Capt. Persson: Herbert Ulrich
スタッフ
監督:パク・チャヌク*1
脚本:キム・ヒョンソク*2、チョン・ソンサン*3、イ・ムヨン*4、パク・チャヌク
原作:パク・ヨンサン*5『DMZ』
製作:シム・チェミョン*6、イ・ウン*7
音楽:チョ・ヨンウク*8、パン・ジュンソク*9
撮影:キム・ソンボク*10
編集:キム・サンボム*11
製作会社:ミョン・フィルム*12
配給:CJエンタテインメント (韓国)、シネカノン/アミューズピクチャーズ (日本)