『天地創造』
原題: The Bible: In the Beginning...
製作年:1966年
製作国:アメリカ合衆国、イタリア
作品について
『旧約聖書』の『創世記』1章の天地創造から22章のイサクの生け贄までを描いた、叙事詩的宗教映画。
65mmフィルム撮影。ディメンション150(Dimension 150)という、Todd-AO方式の派生形で撮影された。
70mmフィルムプリント上映。
感想
原作に忠実なファンタジー映画。
天地創造、アダムとイブ、失楽園、カインとアベル、ノアの方舟、バベルの塔、ソドムとゴモラの滅亡、とファンタジーに向いた話の部分だけ映像化した印象。
ただし、原作に忠実であるがゆえに、エンターテインメントとしては現在の価値観では弱い。公開時はヒットしている。北アメリカで1966年の興行収入2位。でも製作費をかけたので赤字。
昔の長い映画なのでインターミッションがある。
バベルの塔のシークエンスが薄い。あっさりしすぎ。
見るなのタブー
ソドムとゴモラの滅亡の描写が核爆発みたい。
あっさり塩の柱になった。もっと派手なエフェクトを想像してた。
日本神話では、黄泉國から亡くなったイザナミを連れ帰ろうとしたイザナギが、見るなと言われていたのにイザナミの姿を見てしまう。激怒したイザナミに黄泉比良坂まで追いかけられる。
『鶴の恩返し』では、機織りの部屋を覗いてしまう。
この種の話は古今東西に存在している。「見るなのタブー」と呼ばれている。
聖書の映画化
ダーレン・アロノフスキー監督『ノア 約束の舟』は期待してたのとは違った。
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督『バベル』はバベルの塔をモチーフにしているけれど、関係のないオリジナルの話だったし。
セシル・B・デミル監督『十戒』は名作。
ウィリアム・ワイラー監督『ベン・ハー』(1959)も名作。
キャスト
アダム:マイケル・パークス;野島昭生、井上和彦、牛山茂、小川真司、石川進
エバ(イブ):ウラ・ベルグリッド; - 、玉川砂記子、叶木翔子、榊原良子、中村メイコ
カイン:リチャード・ハリス; - 、屋良有作、原康義、江角英明、石川進
アベル:フランコ・ネロ;仲村秀生、田中秀幸、松本保典、田中信夫、中村メイコ
神の使者:ピーター・オトゥール;仲村秀生、家弓家正、山寺宏一、家弓家正、 -
ハム:アンジェロ・ボスカリオール; - 、玄田哲章、 - 、 - 、 -
アブラハム:ジョージ・C・スコット;加藤和夫、有川博、小林勝彦、北村和夫、石川進
サラ:エヴァ・ガードナー;鳳八千代、藤田淑子、吉田理保子、新橋耐子、中村メイコ
ニムロデ:スティーヴン・ボイド; - 、広瀬正志、石塚運昇、寺島幹夫、 -
ノア:ジョン・ヒューストン;塩見竜介、八奈見乗児、大木民夫、久米明、石川進
ノアの妻:プペッラ・マッジョ;京田尚子
ロト:ガブリエル・フェルゼッティ;安田隆、大山高男、 - 、 - 、中村メイコ
ロトの妻:エレオノラ・ロッシ=ドラゴ;野沢雅子、勝生真沙子
ハガル:ゾーイ・サリス;宗形智子、勝生真沙子
イサク:アルベルト・ルカントーニ;野沢雅子、合野琢真
神の声:ジョン・ヒューストン;阪脩、家弓家正
ヘビ:フラビオ・ベンナティ; - 、阪脩
その他
TBS版:玄田哲章、仲木隆司、日高晤郎、池田勝
日本テレビ版:京田尚子、滝沢久美子、速水奨、小金沢篤子、吉田美保
ナレーション:ジョン・ヒューストン;鈴木瑞穂、久米明、 - 、 - 、小山田宗徳
吹き替えはTBS版、日本テレビ版、テレビ朝日版、LD版、レコード版(『こどものための聖書物語 天地創造』)
スタッフ
監督:ジョン・ヒューストン
脚本:クリストファー・フライ
原作:『創世記』
製作:ディノ・デ・ラウレンティス
アソシエイトプロデューサー:Luigi Luraschi
音楽:黛敏郎、エンニオ・モリコーネ (uncredited)
撮影監督:ジュゼッペ・ロトゥンノ
編集:ラルフ・ケンプレン
製作会社:Dino de Laurentiis Cinematografica、セヴン・アーツ・プロダクションズ
配給:20世紀フォックス
美術監督:Mario Chiari
衣装デザイン:Maria De Matteis
メイクアップスーパーバイザー:Alberto De Rossi
ヘアドレッサー:Elda Magnanti
第二班監督:エルンスト・ハース (「天地創造」シークエンス)
特殊効果:Augie Lohman
特殊オプティカル効果:Linwood G. Dunn for Film Effects of Hollywood
サウンドレコーディングスーパーバイザー:Fred Hynes