2019年6月から8月にかけてNHK BSプレミアムの『コズミックフロント☆NEXT』で初放送されたシリーズ「ザ・プラネッツ」。BBCのドキュメンタリーシリーズ"The Planets"を再編集したもの。イングランドの素粒子物理学者ブライアン・コックス教授がプレゼンターとしてホストしたドキュメンタリーの新作だ。
今作の大きな特徴は優れたVFX(視覚効果)で太陽系の歴史を描いたこと。そのVFXを制作したのが、ロンドンのソーホー*1にあるVFX制作会社Lola Post Production。
イギリスの公立大学「オープン大学」と提携し、BBC StudiosとLola Post Productionが番組を作り上げた。
BBC Science Unitの責任者で"The Planets"のエグゼクティブプロデューサーAndrew Cohenによると、印象的なオープニングシークエンスはPixarの『リメンバー・ミー』からインスピレーションを受けたそう。『コズミックフロント☆NEXT』ではカットされていて見ることはできないけれど。
VFXスーパーバイザーのRob Harveyによると、コンピューターパワーやコストの面から、CGIだけではなく実写映像も使い分けたそうだ。
例えば金星の高温な地表に水滴が降り注ぐ映像は、キャンピング用のホットプレートに降り注ぐ液体窒素をスローモーション撮影したもの。この映像は後処理で加工せずそのまま本編に使ったと。
また、土星の中心に降下する際に、巨大な電気の嵐を突き抜ける映像は、フラッシュバルブに液体窒素を振りかけた。
Lola Post ProductionのVimeoやBBC Sky At Night MagazineのYouTubeの動画を見ると、制作の舞台裏がわかる。興味深い。
vimeo.comLola Post ProductionのVFX Breakdown。*2
www.youtube.com"The Planets"のBlu-ray DiscやDVDの映像特典らしい。その一部分。