映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』感想

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊
原題:"Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales" (released internationally as "Pirates of the Caribbean: Salazar's Revenge")
製作年:2017年
製作国:アメリカ合衆国
公開日:2017年5月11日(上海ディズニーリゾート)、2017年5月26日(アメリカ)

 

 

作品について

ヨアヒム・ローニング監督&エスペン・サンドベリ監督。ノルウェー出身の監督チーム。『コン・ティキ』(2012)の監督。

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ジェリー・ブラッカイマー プロデューサー。

ジェフ・ナサンソン脚本・原案(共同)。スティーヴン・スピルバーグ監督・製作『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002)、『ターミナル』(2004)の脚本家として知られる。ジョン・ファヴロー監督・製作『ライオン・キング』(2019)、バリー・ジェンキンス監督による前日譚 "Mufasa: The Lion King" (2024) の脚本。

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テリー・ロッシオ原案(共同)。シリーズで初めてテッド・エリオットとテリー・ロッシオの脚本家チームが脚本決定稿を執筆しなかった。テッド・エリオットは関わっていない。

ディズニー・パークスのアトラクション『カリブの海賊』が原作。ウォルト・ディズニーの構想がもとになっている。

パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ第5作。ゴア・ヴァービンスキー監督『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』(2003)、『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』(2006)、『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』(2007)、ロブ・マーシャル監督『パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉』(2011)の続編。

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シリーズ作品ではあるが、独立した続編(standalone sequel)。前4作品との関連性は薄い。

ファンタジー剣戟映画。

 

パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズは現時点で全5作ある。第6作を開発中。またスピンオフ映画2作品も開発中。

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第6作はヨアヒム・ローニング監督が単独で監督する。クレイグ・メイジンとテッド・エリオットが脚本を担当。

Craig Mazin はミニシリーズ『チェルノブイリ』(2019)のクリエイター・ショーランナー・エグゼクティブプロデューサー。テレビシリーズ『THE LAST OF US』(2023)のクリエイター・ショーランナー・エグゼクティブプロデューサーを Neil Druckmann と共同で務めている。

ホラー映画が題材のパロディー映画『絶叫計画』シリーズ第3作第4作である、デヴィッド・ザッカー監督『最‘狂’絶叫計画』(2003)及び『最終絶叫計画4』(2006)の脚本家の1人。他の脚本家は、1980年代から1990年代半ばにかけて大ヒットしたパロディー映画をいくつも手掛けた Zucker, Abrahams and Zucker のメンバーたち。

トッド・フィリップス監督『ハングオーバー!』シリーズ第2作第3作の脚本(共同)。

クリスティーナ・ホドソン脚本、マーゴット・ロビー主演の女性主人公のスピンオフ映画は開発地獄(development hell)に陥っているようだ。

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ジェリー・ブラッカイマーは、正式に中止になったわけではなく、とてもいいストーリーだがまだ手を加える必要があること、そして現時点では第6作の開発を優先させていることを述べた。

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それとは別に、若い俳優を起用したスピンオフ映画の構想もある。

 

 

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感想

何度観てもおもしろい。

アルマンドサラザールを演じたハビエル・バルデムがいいね。

題名の "Dead Men Tell No Tales" は、サラザールの台詞の通り「死人に口なし」という意味。

セント・マーティン島のシークエンスが長い。3分の1以上の尺をかけている。海賊は陸上でも活動するとはいえ、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズにしては、ジャック・スパロウの島でのドタバタがしょぼい。

セシル・B・デミル監督『十戒』(1954)。モーセが紅海を割って道を作った。『旧約聖書』の『出エジプト記』に記されている。

 

 

製作

開発

第4作『生命の泉』(2011)の公開直前の時点では、ウォルト・ディズニー・スタジオは第5作と第6作を続けて制作する構想だったが、後に第5作のみに変更された。テリー・ロッシオが単独で脚本を担当し、パートナー脚本家のテッド・エリオットは参加しないことが発表された。

ロブ・マーシャル監督が続投する予定だったが、『イントゥ・ザ・ウッズ』(2014)を監督するため断った。

後任に何人もの映画監督が候補に挙がった。初期三部作のゴア・ヴァービンスキー監督の復帰、『バレット・オブ・ラヴ』(2013)のフレデリック・ボンド監督、『スノーホワイト』(2012)や『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017)のルパート・サンダース監督。そして最有力候補がアカデミー外国語映画賞ゴールデングローブ賞 外国語映画賞にノミネートされた『コン・ティキ』(2012)の監督チーム、ヨアヒム・ローニング監督とエスペン・サンドベリ監督。

テリー・ロッシオの脚本は不採用になった。その最大の理由は、ティム・バートン監督『ダーク・シャドウ』(2012)は女性のヴィランを描いていたため、ジョニー・デップが、女性のヴィランの作品に続けて主演するとマンネリになるのではないかと懸念したからだった。

2013年1月、ウォルト・ディズニー・スタジオはジェフ・ナサンソンを雇った。ヨアヒム・ローニング監督とエスペン・サンドベリ監督は、ジェフ・ナサンソンの脚本は「おもしろく、人の心を動かす」と気に入り、2013年5月に監督契約を結んだ。

2013年9月、ジェリー・ブラッカイマーは「皆が好きになるストーリーを思いついたが、まだ脚本に落とし込めていない」と述べ、公開時期を2015年夏以降に延期した。

ゴア・ヴァービンスキー監督、ジェリー・ブラッカイマー製作『ローン・レンジャー』(2013)が大コケしたことで、ウォルト・ディズニー・スタジオは「ジョニー・デップ主演」というだけでは稼げないのではと疑問に思い始めた。ウォルト・ディズニー・スタジオ会長アラン・ホルンは脚本第一稿に対し製作許可を出していなかった。

ジェリー・ブラッカイマーは、脚本と予算の問題で時間がかかっていること、ジェフ・ナサンソンが好評なプロットをもとに第二稿に取り組んでいること、皆が納得する脚本と予算が必要なことを明かした。ジョニー・デップは、これがシリーズ最終作になるだろうからいい結末にしたいと思い、脚本執筆に協力した。

2014年7月に脚本に製作許可が下り、公開日が2017年7月7日に決まった。

 

撮影

プロデューサーのジェリー・ブラッカイマー、衣装デザイナーのペニー・ローズ、エグゼクティブプロデューサーのチャド・オマンを除き、監督や脚本家を含め多くのスタッフが一新された。

主要撮影は2015年2月17日に開始、7月21日に終了した。

1年間のポストプロダクションの中で、再撮影や追加撮影が2016年3月24日から4月13日に行われた。"Herschel Additional Photography" という仮題(working title)だった。

 

ポストプロダクション

VFXは2000ショット。そのうち150ショットはフルCG。

Moving Picture Company(MPC)は水が絡むシーンのすべてを担当した。サラザールのアンデッドの海賊たちは、身体の欠損やふわふわ漂う髪を表現するために俳優の映像をCGIに置き換えた。

Atomic Fictionはセント・マーティン島を担当した。数ブロック分の建物しかないセットの映像に、600棟ものCGの建物を描き加え、ジャングルのエンバイロンメントで囲んだ。銀行強盗シークエンスやギロチンの処刑シーンなど。

Lola VFXは過去回想シーンでジャック・スパロウを若返らせた。ラッセ・ハルストレム監督『ギルバート・グレイプ』(1993)、フィル・ロード監督&クリストファー・ミラー監督『21ジャンプストリート』(2012)の映像を参考にしたらしい。

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テレビ放送

日本テレビ系が『金曜ロードショー』で、2023年8月11日、8月18日に第4作第5作を放送。

kinro.ntv.co.jp

2023年8月11日 21:00-23:19 に、ロブ・マーシャル監督『パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉』(2011)。

kinro.ntv.co.jp

2023年8月18日 21:00-23:09 に、ヨアヒム・ローニング監督&エスペン・サンドベリ監督『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(2017)。

kinro.ntv.co.jp

 

 

キャスト

ジャック・スパロウ - ジョニー・デップ(平田広明)
ヘンリー・ターナー - ブレントン・スウェイツ(中川大志)
カリーナ・スミス - カヤ・スコデラリオ(栗山千明)
アルマンドサラザール - ハビエル・バルデム(大塚明夫)
ヘクター・バルボッサ - ジェフリー・ラッシュ(壤晴彦)
ジョシャミー・ギブス - ケヴィン・マクナリー(青森伸)
シャンサ - ゴルシフテ・ファラハニ(浅野真澄)
ジョン・スカーフィールド - デヴィッド・ウェナム(小原雅人)
スクラム - スティーヴン・グレアム(加瀬康之)
マーティ - マーティン・クレバ(稲垣拓哉)
マートッグ - ジャイルズ・ニュー(後藤敦)
ムルロイ - アンガス・バーネット(石住昭彦)
レンブル - アダム・ブラウン(宮崎敦吉)
ジャック・スパロウ(若き日)- アンソニー・デ・ラ・トーレ
ウィリアム・ターナー・ジュニア - オーランド・ブルーム(平川大輔)
エリザベス・スワン - キーラ・ナイトレイ
ジャックおじさん - ポール・マッカートニー(内田直哉)
幼いヘンリー - ルイス・マッゴーワン(ラヴェルヌ知輝)

その他:
さかき孝輔/宮崎敦吉/蜂須賀智隆/里卓哉/山岸治雄
中博史森夏姫/半田裕典/高坂宙/北田理道
土井真理/野川雅史岡井カツノリ宮本誉之/寺依沙織
関口雄吾/烏田裕志/藤田曜子/熊谷海麗/葉山那奈

 

劇場公開版
演出:中野洋志
翻訳:原口真由美
翻訳監修:James Hubbert
録音:菊池悟史
調整:Shepperton International
制作担当:菊地謙、後藤英二郎(ACクリエイト)
録音制作:ACクリエイト
作監修:河村貴光
日本語版制作:Disney Character Voices International, Inc.
https://fukikaemaniax.web.fc2.com/vhs-dvd/06-b.html#43

 

 

スタッフ

監督:ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ
脚本:ジェフ・ナサンソン
原案:ジェフ・ナサンソン and テリー・ロッシオ
原作(キャラクター創造):テッド・エリオット & テリー・ロッシオ and スチュアート・ビーティー and ジェイ・ウォルパート
製作:ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮:マイク・ステンソン、チャド・オマン、ジョセフ・M・カラッシオロ・Jr.、テリー・ロッシオ、ブリガム・テイラー
撮影監督:ポール・キャメロン
編集:ロジャー・バートン、リー・フォルソム=ボイド
音楽:ジェフ・ザネリ
製作会社:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、ジェリー・ブラッカイマー・フィルムズ
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ

配給(日本):ウォルト・ディズニー・ジャパン (2017年7月1日公開)

 

プロダクションデザイン:Nigel Phelps
美術監督
Supervising Art Director: Ian Gracie
Art Directors: Jacinta Leong, Michael Turner, Tom Nursey, John Dexter, Jennifer Williams
セットデコレーション:Beverley Dunn
衣装デザイン:Penny Rose

Makeup & Hair Designer: Peter Swords King
Head of Make-up, Hair & Prosthetics: Rick Findlater
Makeup Department Head: Joel Harlow
Makeup & Hair Artists: Paula Price, Tamsin Barbosa
Key Hairstylist: Robert Pandini

Supervising Stunt Coordinator: R.A. Rondell
Stunt Coordinators: Tom Harper (US), Kyle Gardiner (Australia), Owen Walstrom (Canada)
Fight Coordinator: Thomas DuPont
Fight Choreographer: Andrew Stehlin

2nd Unit Director: Ubbe Haavind
Additional Director of Photography: Bojan Bazelli
2nd Unit Director of Photography: Bradley Shield
Underwater Director of Photography: Simon Christidis
Aerial Directors of Photography: David B. Nowell, Hans Bjerno, Steve Koster

Music by Geoff Zanelli
Additional Music by Phil Boucher, Paul Mounsey, Steve Mazzaro, Anthony Willis, Zak McNeil
Choir: Metro Voices
Orchestra Conductor: Nick Glennie-Smith
Choirmaster: Jenny O'Grady
Choir Conductor: Gavin Greenaway
Supervising Orchestrator: Bruce Fowler
Orchestrators: Walt Fowler, Rick Giovinazzo, Suzette Moriarty
Score Wrangler: Bob Badami
Score Recorded and Mixed by Alan Meyerson

Sound Designer: Christopher Boyes
Sound Recordist: Craig Walmsley
Sound Mixers: David Lee, Chris Dusterdiek, Simon Hayes
Re-Recording Mixers: Paul Massey, Christopher Boyes
Additional Re-Recording Mixers: Nathan Vance, Tony Villaflor
IMAX Re-Recording Mixer: Scott Millan
Supervising Sound Editors: Christopher Boyes, Jack Whittaker

Production Consultant Special Effects: John Frazier
Special Effects Supervisor: Dan Oliver
Special Effects Workshop Supervisor: Arthur Spink
Special Effects On-set Supervisor: Jabin Dickins

Visual Effects Supervisor: Gary Brozenich
Visual Effects Producer: Tamara Watts Kent

Visual Effects by MPC
VFX Supervisors: Sheldon Stopsack, Patrick Ledda
VFX Producers: Christina Graham, Anouk L Heureux, Rebecca Scott
DFX Supervisor: Richard Little
2D Supervisors: Doug Larmour, Carlos Caballero Valdes, Giacomco Mineo, Zameer Hussain
CG Supervisors: Axel Akesson, Richard Clegg, Ben Jones, Simon Jones
Animation Supervisors: Catherine Mullan, Alexandre Ronco
Asset Supervisor: Patrick Harboun
VFX Production Managers: Kayleigh Harding, Carlos Chacin, Geroge Pembrey, Justin Rosette-Nelligan, Olivia Evelyn
VFX Executive Producers: Philip Grenlow, Laura Fitzpatrick

Visual Effects and Animation by Atomic Fiction
VFX Supervisors: Jim Gibbs, Ryan Tudhope

Visual Effects and Animation by Rodeo FX
VFX Supervisor: Martin Lipmann

Visual Effects by Lola VFX LLC

Visual Effects by CoSA VFX

Visual Effects by Industrial Light & Magic

Medusa Performance Capture by Industrial Light & Magic and Disney Research

3D Conversion by Legend 3D

Stereo [3D] Conversion by Prime Focus World