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『平家物語』山田尚子監督インタビュー感想

平家物語

 

 

感想


TVアニメ「平家物語」監督:山田尚子インタビュー〈前編〉


TVアニメ「平家物語」監督:山田尚子インタビュー〈後編〉

山田尚子監督は絵コンテ作りについて、「ろうそくだってあるかないかわからない」から「光をどこから取っているんだろう」というようなことを考えていたと述べている。

1170年の殿下乗合事件から1185年の壇ノ浦の戦いの時期を描いた『平家物語』から時代が下って、18世紀半ば(1750年代以降)のアイルランド

スタンリー・キューブリック監督・製作・脚本『バリー・リンドン』(1975)という映画がある。

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完璧主義者と呼ばれたスタンリー・キューブリック監督らしく、ろうそくの光だけで撮影することを試みた。一般的な映画用レンズでは十分な光を集められないので、NASAアポロ計画のためにカール・ツァイスに作らせた Carl Zeiss Planar 50mm f/0.7 というレンズを調達した。全部で10個製造され、1個はカール・ツァイスが保管し、6個をNASAに渡し、3個がスタンリー・キューブリックに売却された。

そういう逸話があるほど、当時存在したろうそくの光だけで(実写の)映像制作しようとするのは無謀な試みである。(現在は技術の進歩で暗闇でも映画を撮影することができる。第11話の記事であげたマーティン・スコセッシ監督は『沈黙 -サイレンス-』(2016)で、大部分のシーンは35mmフィルム撮影、夜闇のシーンはデジタル撮影と、機材を使い分けたそうだ。)

アニメーションは現実に存在しないものを描くが故に、実写では極めて難しいことを描くことができる。それを体現していたのが、山田尚子監督『平家物語』(2021)の画作りだったのだと思う。

 

 

配信

FODで先行独占配信中。
https://fod.fujitv.co.jp/title/5h19

2022年1月からフジテレビ系『+Ultra』でテレビ放送開始。

 

 

メインスタッフ

原作:古川日出男訳『平家物語』(河出書房新社刊)
監督:山田尚子
シリーズ構成・脚本:吉田玲子
キャラクター原案:高野文子
キャラクターデザイン・総作画監督:小島崇史
動画監督:今井翔太郎
色彩設計:橋本賢
美術監督:久保友孝
美術設定:久保友孝、片山久瑠実
撮影監督:出水田和人
撮影監督補佐:富田喜允
編集:廣瀬清志
音響監督:木村絵理子
音響効果:倉橋裕宗
録音調整:太田泰明
録音助手:小泉まい
音響制作担当:丹下雄二
選曲:reflexion
音楽:牛尾憲輔
音楽プロデューサー:中村伸一
音楽制作協力:安場晴生
音楽制作:ポニーキャニオン
歴史監修:佐多芳彦
琵琶監修:後藤幸浩
製作:遊佐和彦、桑田靖、高揚帆、菊池貞和、チェ・ウニョン、東山敦、小川泰
統括:高瀬透子
プロデューサー:竹内文恵、有田真代、尾崎紀子、中村伸一、チェ・ウニョン
アシスタントプロデューサー:菅原花、板垣茜
アニメーションプロデューサー:崎田康平
制作デスク:番匠彩子
制作デスク補佐:神戸秀太
設定制作:進藤嵩平
アニメーション制作:サイエンスSARU
制作:「平家物語」製作委員会(アスミック・エースフジテレビジョン、bilibili、ポニーキャニオン、サイエンスSARU、電通、BSフジ)