映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『魔女の旅々』第7話の感想

『魔女の旅々』第7話「旅人が刻む壁 / ぶどう踏みの少女」

 

 

作品について

絵コンテは髙橋順さんと平池芳正さんの連名。AパートとBパートで別々の演出家が絵コンテを切る、パートコンテかな。

M.S.Cの制作グロス回。

 

 

感想

短編集。対立する2つの国の話と対立する2つの村の話でつないだ1編。

幼いイレイナとお母さんの話がはさまれている。『ニケの冒険譚』のニケはイレイナのお母さんだろうね。

 

ベルリンの壁かな? お役人さんの説明によると南北関係のようだ。

ニケとイレイナとサヤ、時代を超えてつながる……?

壁が壊れたとき、男女・女女・男男のカップルができた。

取り壊された壁の残骸を土産物として販売。

イレイナが買ったがれきに刻まれていたのは誰の言葉でしょう? そう、○○の言葉です!

 

ぶどう酒(ワイン)はイエス・キリストの血。聖餐。
という話とは無縁の、俗な物語。「ぶどう踏みの乙女」(可愛い女性)が踏んだぶどうで作った葡萄酒。「ふみふみ」。

ブドウをぶつけ合う。スペインバレンシア州の街ブニョールで毎年8月に行われる収穫祭「ラ・トマティーナ」(トマト祭り)かな。熟したトマトをぶつけ合う。

「こっちの村」の村長と「あっちの村」のローズマリーちゃんは結婚して子どもが生まれましたとさ。

 

 

白石定規

フェティシズムとか、この話はオタク向けを拭えない。

幅広い年齢層の方たちに見ていただきたいと思っている作品ですので、レンジは広く保ちたいなと。

「魔女の旅々」リレーインタビュー 原作・白石定規 「原作者の自分もアニメが楽しみでしょうがない!」 | WebNewtype

 原作者はこう語ったけれど。

イレイナを話に絡ませるためとはいえ、村の女性たちを無下に扱うのは酷いね。ストーリーテリングが。

女性たちがあきれや怒りの視線で男性たちを見ているシーンが何度かある。見目麗しい女性への、女性たちの嫉妬心を笑いにしようという演出と受け取れる。原作者には無自覚な性差別があるのでは?とも解釈できる。あるいはその描写を通した担当編集者と編集長、プロデューサー、監督、シリーズ構成兼脚本家、各話絵コンテマン、各話演出家。
ミソジニー

 

 

演出

Bパート冒頭ではローズマリーの顔を見せず最後に顔を見せる演出は、ガイ・リッチー監督『アラジン』(2019)と同じだね。映画冒頭の船のシーンには登場せず、最後にジーニーとダリアが結婚して子どもをもうけたことが明かされる。

films.hatenablog.com

このとき、村長が妻に「ローズマリー」と名前を呼びかけない演出がいい。台詞ではなく、映像で視聴者に理解させる演出。

 

 

キャスト

イレイナ:本渡楓
サヤ:黒沢ともよ
フラン:花澤香菜
アムネシア:小原好美
シーラ:日笠陽子
アヴィリア:岡咲美保

 

 

第7話スタッフ

脚本:筆安一幸
絵コンテ:髙橋順、平池芳正
演出:髙橋順

作画監督:森本明慧、小島彰
総作画監督:吉田巧介

 

制作協力:M.S.C

 

 

シリーズスタッフ

原作:白石定規
キャラクター原案:あずーる
監督:窪岡俊之
シリーズ構成・脚本:筆安一幸
キャラクターデザイン:小田武士
総作画監督:小田武士、矢向宏志、長森佳容、河野絵美、吉田巧介
コンセプトデザイン:内尾和正
魔法エフェクト監修:宝井俊介
色彩設計:高木雅人
美術設定:滝口勝久(スタジオちゅーりっぷ)
美術監督:合六弘(マカリア)
プロップデザイン:水村良男
3Dディレクター:向純平
撮影監督:桑良人、板倉あゆみ
特殊効果:イノイエシン
編集:柳圭介
音響監督:藤田亜紀子
音響効果:八十正太
音楽:AstroNoteS
音楽プロデューサー:臼倉竜太郎
音楽制作:ランティス
プロデューサー:菊島憲文、秋田規行、長谷川嘉範、吉江輝成、礒谷徳知、尾形光広
制作統括:山田良輔
アニメーションプロデューサー:早坂一将
アニメーション制作:C2C
製作:魔女の旅々製作委員会(KADOKAWASBクリエイティブムービックランティスAT-X角川メディアハウス)