『殺人の追憶』
原題: 살인의 추억
英語題名: Memories of Murder
製作年:2003年
製作国:韓国
作品について
ポン・ジュノ監督。
キム・グァンリムの戯曲『私に会いに来て』(날 보러와요)(1996)が原作。日本でも何度も上演されている。
1986年から1991年にかけて起きた華城連続殺人事件が基になっている。
犯罪ドラマ映画。
韓国のレイティングは15歳以上観覧可。日本ではPG-12指定。アメリカではNot Rated。イギリスでは15。
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感想
吹き替え版。
名作映画。
岩代太郎さんの音楽がいい。
村上春樹の小説を連想させる。
華城連続殺人事件は公訴時効が完成した後に、別の殺人事件で無期刑に処せられて服役していた男が被疑者だと判明した。それを反映して、この映画は未解決のまま長い時間が過ぎ、真犯人がまだ生きていると示唆して終わる。
警察
山路和弘さんはパク・トゥマン役に合わせて「べらんめえ」のお芝居をしている。
小山力也さんのソ・テユン役のお芝居は、過激なジャック・バウアーではなく、毛利小五郎さんの紳士バージョン。と思っていたら、やっぱりジャック・バウアーだった。ジャック・バウアーはすぐ拷問する。
いわゆる「良い警官・悪い警官」ができる。英語でも"good cop/bad cop" routineと言う。
警察の違法捜査や違法聴取、証拠の捏造などが描かれている。日本でも違法捜査は警察の日常。
拷問して「自白」させるのが刑事の技術。
犯罪者警察官が他人の罪を糾弾する。
事件の日には必ず雨が降っていて、FMの音楽番組で特定の楽曲がリクエストされる。その楽曲「憂鬱な手紙」が放送された日は、デモ鎮圧のために警察官が全員出動していて、連続殺人事件の捜査に人手を割けなかった。第5の事件を防げなかった。その事実が発覚したら警察は批判される。
だから警察は不都合な真実を隠蔽する。
撮影
暗い話だから彩度を落としている。撮影と現像とカラーグレーディング。
ポン・ジュノ監督は『スノーピアサー』(2013)までは35mmフィルム撮影だった。『オクジャ/okja』(2017)と『パラサイト 半地下の家族』(2019)はデジタル撮影。
漢字
1980年代を再現しているので、新聞が漢字とハングルを混ぜて書いている。1990年代以降に漢字の使用を廃止するようになったらしい。
キャスト
パク・トゥマン:ソン・ガンホ、山路和弘
ソ・テユン:キム・サンギョン、小山力也
チョ・ヨング:キム・レハ、後藤敦
シン・ドンチョル:ソン・ジェホ、伊井篤史
ク・ヒボン:ピョン・ヒボン、大塚周夫
ペク・グァンホ:パク・ノシク、岡野浩介
パク・ヒョンギュ:パク・ヘイル、石田彰
カク・ソリョン:チョン・ミソン、藤貴子
チョ・ビョンスン:リュ・テホ、長島雄一
その他の声の吹き替え:幸田夏穂、東地宏樹、片岡身江、小島幸子、岩田安生、棚田恵美子、立石凉子、佐々木睦、永井誠、中澤やよい、本田貴子、鈴木貴征、上田陽司、白熊寛嗣、浅井晴美、平田絵里子、樋口真、鈴木里彩
スタッフ
監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ、シム・ソンボ
原作:キム・グァンリム
製作:チャ・スンジェ、ノ・ジョンユン、Moo-Ryoung Kim
製作総指揮:Kang-bok Lee; Jae-Won Choi as co-executive producer
撮影:キム・ヒョング
編集:キム・ソンミン
音楽:岩代太郎
製作会社:CJ Entertainment, Sidus Pictures
配給:CJエンタテインメント (韓国)、シネカノン (日本)
美術監督:リュ・ソンヒ
セット装飾:Hong-sam Yang
衣装デザイン:Yu-sun Kim
特殊メイクアップ効果:Hee Eun Lee
照明:イ・ガンサン
録音:Byung-Ha Lee
音声編集:Seung-yeop Lee
助監督:ハン・ソングン
視覚効果監修:Jong Ik Kang