『イエスタデイをうたって』第11話「はるの嵐」
感想
気丈に振る舞っているけれど内心は心細いハル。
リクオが家に泊まってくれてとても嬉しかったはず。
「私の部屋に来てもいいんだよ?」
――野中晴
冗談半分、本音半分、といった感じの宮本侑芽さんのお芝居。
投げキス。
食パンのトースト、ベーコンエッグ、焼いたソーセージ、コールスローサラダ、ジャムとバター、コーヒー。
ハルの顔を見たら言えなくなったリクオ。
和室を低い位置に置いたカメラから撮影。
映画業界や映像業界において、小津安二郎監督がもたらした影響は大きい。
正座やあぐら、つまり接地のカットもある。畳にカメラを置いているね。
私が知っている範囲だと、床より少し上の位置からテーブルを少し見下ろすアングルで描くアニメは結構ある。床すれすれのレイアウトは少ない気がする。
スーパーでお買い物デート。
豚汁?か御御御付け、鰺の南蛮漬け、サーモンのマリネ?とトマト、てんぷら、茎わかめ?の胡麻和え。
「やっぱり食事は人と食べるほうがおいしいよね」
――森ノ目榀子
柚原チカと同じようなことを言う榀子。
布巾で手を拭きながら電話に向かう芝居が上手い。
浪に「なんかいつもと声が違うね。誰かいるの?」と聞かれ、相手が目の前にいないのに「え? 誰もいないよ」と目を左右に動かす芝居が良い。
榀子の指の動き。感情が乗っていていいねえ。
手が緩んで紙袋を落としそうになって握りなおしたハル。
気づいても気づかないふり。
ハルへの後ろめたさからリクオの背後に隠れる榀子。
ハルの視線から逃れる。
リクオがまったく動かないのが対比になっている。
ハルの感情をどう見せるかに心を砕いている。
ハルを背中で見せたり。ハルや榀子の目を隠して表情を見せなかったり。
ハルが足元を見ていて、涙で視界がにじんでくるショット。
泣き顔をあまり見せないように立ち去る。
リクオは榀子と付き合っているから、ハルを追いかけない、声もかけない。
ハルが去った後、リクオに声をかけようとして止める榀子。
ハルの嗚咽が聞こえてきて、まぶたを伏せる榀子。
どちらか判断に迷う。
「ビジネス 冬目ホテル 空ノ下店街」の看板。
カップボードの下に座布団を敷いて、体操座りで電話。
「榀子先生の操を守る会」。
「リクオをずっとキープして。ずるいよ」
ハルに言われた言葉。
事実だから否定できず、さりとて開き直ることもできない榀子。
「結局、義務感だったんだよな」
浪のふてくされ。
早川親子を料理の面などで甘やかしてきたから。
「あなたがその気にならないなら、無理することないのよ」
杜田先生の言葉を消化しきれない榀子。
狭山杏子さん、ハルとリクオのことを感づいてそう。
いつもより冷たさを含む坂本真綾さんのお芝居。
榀子が髪を耳にかける仕草が良い。
榀子に自分の希望を強く言わないのはリクオの優しさなのだけど、それがこと恋愛においては上手くいかない一因になっている。
榀子がリクオの服の裾を掴む芝居が良い。
服をパッと離す芝居も。
浪にもバレた。
言おう言おうと思って、言えずにいた榀子の失敗。
おわりに
次が最終話でしょ。どうやって終わらせるの?
どこに着地させるの?
スタッフ
藤原佳幸監督
伊藤良太副監督
絵コンテ・演出:伊藤良太
脚本:藤原佳幸
制作進行:寺田玲寛
作画監督:
長尾圭吾
武藤幹
渥美智也
山野雅明
澤井駿
藤原奈津子
寿門堂
海保仁美
金璐浩
上野沙弥佳
永田文弘(永田文宏の誤記)
畠山元
原画:
中岡響香 ウクレレ善似郎
岩崎成希 川上恵里花
冨田佳亨 鹿戸大介
小山ゆうき 葛原詩乃
中辻康成 木村拓馬
堀尾鉱 栗西祐輔
合田麻実 小室有土
上田彩朔 小田裕康
折原貴志 南部広海
新沼拓也
伊藤良太
第二原画:
山本悦子 全後映
齋藤めぐみ 水野公彰
佐藤光晃 安江杏珠
大迫光紘 清水綾乃
石井円香 高嶌聖也
関義裕 原夏海
浦松貴楽 藤田晋也
上宇都辰夫
ポワロ
簡廷軒 余子揚
ライジングフォース
シード
動画検査:
大原真琴 小田道子
狩野洋典
動画:
大原真琴 小田道子
狩野洋典 石井邦俊
佐藤歩野花 八木佐織
石井円香
寿門堂
シード
色指定・検査:竹内優太
仕上げ:
石黒けい 伊藤裕香
竹内優太 呉政宏
真壁源太 芦原明音
寿門堂
シード
背景:
スタジオイースター
坂下祐太 秋山慎太郎
曽根原理恵 干場佳織
妹尾想 石川真理
王葆祺 関口蓮
相澤諒 平田卓也
木津海音 村上悠太
田中伸哉 牧岡聡
片岡乃梨子 香取希
岩田百代
撮影:
伊藤邦彦 工藤康史
杉浦誠一 福岡由惟
水沼賢誠
撮影協力:
デファー
エース・クリエイション
戯画プロダクション
取材協力:
東京武蔵野美術学院
インタニヤ