映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『色づく世界の明日から』第1話の感想と演出

『色づく世界の明日から』
第一話
「キミノイクベキトコロ」

 

 

演出と作画

時間魔法

星砂時計は時間魔法の必需品で、60年分満月の光を浴びさせ続けてきた。つまり祖母・琥珀が前々から準備していたことになる。高校生時代に孫の瞳美と出会っていて、将来瞳美を過去に送り込むことを知っており、そのための準備を怠らなかった。

「いきなり言われて戸惑うのも無理はないけど、これは決められたことなのよ」
もし琥珀が瞳美を過去に送らなかったら、タイムパラドックスが起きるという意味だろう。

「どうして?」
「行けばわかる」
何も言わずに唐突に送り出すなんて、ちょっとやんちゃすぎですね。

密やかな 静寂(しじま)に沈む 暗黒の
久遠の流れ 照らせよ光
空に星満ち 地には霊満つ
山を越える緑風よ 海に溶ける白雨よ
空渡る雁行 闇を裂く稲妻
世を形作る万象よ 導き賜え
刻よ転

 

星砂時計が発する光は、琥珀の目の上まで照らしている。一方、瞳美は目の下までしか照らされておらず、目は影の中にある。
琥珀はポジティブな感情であり、瞳美はネガティブな感情であることが読み取れる。

「まあ友達や恋人と別れたくないとか、そういうのあるだろうけど」と茶目っ気を出す琥珀
瞳美は顔をそらし、そういった心残りの存在がいないことがわかる。

「別に、そういうのどうでもいい」
このクロースアップのカットでも、瞳美の目は影の中にある。

「瞳をそらさないこと。せっかく行くんだから楽しんでらっしゃい」
おそらくこれが琥珀が瞳美に伝えたかった大切なこと。

「え? ちょっと、私行くなんて一言も……」
このときにようやく自分の意思を表明しようとして身を乗り出す。目が影から出て光に照らされる。

 

時空間

あらゆる事象は額縁に収められた絵画または映像編集の素材であり、その空間をバスに乗って移動する。
これが今作における時空間の解釈とタイムトラベルのようだ。

運転手はポッキーに興味津々。

バスは雲の上を走っている。

瞳美が落下したときの雲が舞い上がるエフェクト作画が良い。

 

窓をノック

窓を開けようとして、窓ガラスをノックしたり鍵をタップしたり。
2078年には実現しているようだ。

 

葵唯翔の部屋

思わずベッドの下に隠れてしまった瞳美。
唯翔が部屋着に着替えだすと、「ひっ!」と心の中で叫び、目をつぶり顔をそむける。
「誰か、助けて」

 

迷子

バンドエイド(ばんそうこう)を知らない。

 

月白家

「それに本当のほうが素敵でしょ? こうして孫の孫に会えるなんて」
本当に。

新聞を読みながら指で良いよと伝える弦。

「失くしたものを見つける魔法は使えないの?」と聞かれて、「はい……」と答える瞳美に陰が。

 

アズライト

瞳美が星砂で失くしたアズライトの場所を見つけ、そのアズライトについて唯翔が母親と会話する場面をつなげるコンテ。

 

白黒

白黒の画は基本的に瞳美のPOVショットだけど、それだけでは説明できないカットもある。
瞳美視点だと思われるカットにも色がついているのでそこはカメラがとらえた画ということになる。
葵の絵で色のついた世界に入り込んだ後、魚ににらまれて色を失ったシーンは第三者のカメラ。

 

 

感想

やっぱり篠原俊哉監督は構図や陰影の使い方が上手。

撮影処理で背景美術の美しさが増している。

篠原俊哉監督は撮影処理でも積極的に画作りしている。
梶原幸代撮影監督と組んだ『凪のあすから』は、海の中の世界を描いていたので水を意識したフィルターやエフェクトをかけていた。またレンズフレアも使われていた。
並木智、富田喜允撮影監督との『色づく世界の明日から』は、浅い被写界深度でぼかした画や、レンズフレアと陰影など光源を意識している。

 

 

 

 

 

スタッフ

メインスタッフ

原作:ヤシオ・ナツカ
監督:篠原俊哉
シリーズ構成:柿原優子
キャラクター原案:フライ
キャラクターデザイン・総作画監督:秋山有希
プロップデザイン:宮岡真弓、石本剛啓
美術監督:鈴木くるみ
美術監修:東潤一
美術設定:宮岡真弓
色彩設計:中野尚美
撮影監督:並木智、富田喜允
3D監督:桐谷太力
特殊効果:村上正博
Special Effects:村上寿美江
編集:髙橋歩
音響監督:山田陽
音響効果:山谷尚人
音楽:出羽良彰
プロデューサー:小倉充俊、山崎史紀、川村仁、辻充仁、前田俊博、青井宏之、柏木豊、田中翔太、和泉勇一、相田剛
プロデュース:永谷敬之
アニメーションプロデューサー:山本輝
設定制作:舘彩華
制作デスク:小西翼
アニメーション制作:P.A.WORKS
製作:「色づく世界の明日から」製作委員会

 

第1話スタッフ

脚本:柿原優子
画コンテ:篠原俊哉
演出:浅井義之
担当制作:今岡奈未

作画監督:小島明日香、宮崎司、井上裕亮、秋山有希

原画:
P.A.WORKS
山方春香 粟田香菜子 村上華帆 渡辺志歩紀 足立裕貴
西澤皓人 臼井沙帆 笠原由博 東雲春奈 辻彩夏
降矢瑞生 米本えり 飯沼篤哉 田中未来 松宮杏実
小島明日香 宮崎司 井上裕亮
 
上村牧子 黒石崇裕 中西彩

第二原画:
P.A.WORKS
川面恒介 渡辺志歩紀 冨田真理 笠原由博 飯沼篤哉
降矢瑞生
 
田中綾子 合田麻美 降籏秀吉
 
中村プロダクション BeLoop 玩拓アニメーション FAIインターナショナル

動画検査:
P.A.WORKS
髙田友美、藤嶋未央、白敷桃子
 
小川智美

動画:
玩拓アニメーション FAIインターナショナル スタジオCL Trycell
日陰工房 Revival TAP

色指定・仕上げ検査:中野尚美(ステラ・ロード)

仕上げ:
ステラ・ロード
越田侑子 門松諭生 遠藤花歩 江口亜紗美 菊地慶翔
永井唯香 早川歩 奥智恵 新井理恵
 
スタジオロード
大場昭子
 
J-cube SILVER LINK. D-COLORS J.C.STAFF
A1-Pictures

背景:
スタジオ・イースター
秋山慎太郎 王葆祺 妹尾想 朝倉大智 曽根原理恵
真鍋暁子 澤谷真理 鈴木くるみ

撮影:
T2 studio
並木智 富田喜允 高橋智弘 久野宙山 朝日康平

モデリング協力:
 
P.A.WORKS
鈴木晴輝 大野陽生
 
IKIF+
石田龍樹 佐藤良樹 渡部里奈 菱川パトリシア
 
PA-X
山崎嘉雅

3D CGI
P.A.WORKS
市川元成 森重柚香 桐谷太力 鈴木晴輝