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『ラストサマーウォーズ』感想

『ラストサマーウォーズ
製作年:2021年
製作国:日本
公開日:2022年7月1日

 

 

作品について

宮岡太郎監督。

青春ドラマ映画。

 

 

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Blu-ray Discは未発売。

本編80分+特典映像114分。映像特典の方が映画よりも長い。

 

 

感想

男子3人、女子3人のグループ。こういう作品は、紅一点や3:2などの人数編成が多いので、同人数は珍しい。

ストーリー、設定、台詞回しなどが、令和時代の子どもというより平成時代の子どもという印象を受ける。監督や脚本家の子ども時代が反映されているのだろう。2人とも1987年、1988年生まれ。プロデューサーもおそらく同年代っぽい。

スマートフォンで猫の短編映画を作っている少年、ウェブ小説を書いている文学少女、ドローンを飛ばしている少年など、一部の設定は2022年らしさがある。

作劇法として、途中でトラブルが起きてそれを乗り越えて目標を達成するのが王道の展開。ただ、明日香が撮影中に台の上から落ちてしまい、それがきっかけで喧嘩になる展開はとってつけたような感じがする。心配した親たちが映画制作を中止させるのはリアル。

陽太のお母さんは心配性。もし子どもが幼い頃に病弱で入退院を繰り返していたとか、事故で大怪我を負ったことがあるなどの背景があれば、お母さんの過保護な言動にも説得力が出る。お母さんの脳裏にフラッシュバックする演出なら、その描写に時間を費やさずに説得力を持たせられる。

脚本家の夏音がアイディアを思いついて「ピン!」と言ったり、コミカルな効果音をよく使ったり、アニメ的な演出が多い。

片思いの女子が引っ越してしまうというのは主人公の早とちりだった。ハワイは旅行、引っ越しは学校に近い家に引っ越しただけ。

 

宮岡太郎監督はクラウドファンディングのページで「少子高齢化が進行したこの時代、寂しいことに、子供たちを主役にした実写映画がほとんど作られなくなってきています。」と述べている。

確かに1980年代、1990年代の日本映画では、子どもたちが主人公で、何かを成そうとする作品をいくつも観たが、2000年代以降はあまり見かけない気がする。

motion-gallery.net

 

films.hatenablog.com

中村巴奈重さんは、桑原智監督『安達としまむら』(2020)など、アニメの劇伴を共同で書いている。TBSグループの音楽出版社「日音」が音楽制作している作品群。

劇伴は短期間で数十曲を作曲して録音・ミックス・納品しなければいけないから、日音の音楽プロデューサーは複数の作曲家に分担させる戦略を取っているのだろう。

 

 

キャスト

宮竹陽太 - 阿久津慶人
高梨明日香 - 飯尾夢奏
栗原夏音 - 羽鳥心彩
早川俊 - 松浦理仁
盛山基雄 - 小山春朋
刈部志穂 - 上田帆乃佳
土方美菜 - 井上小百合
宮竹匠 - 長妻怜央(7ORDER)
宮竹宏 - デビット伊東
宮竹晴子 - 櫻井淳子

 

 

スタッフ

監督:宮岡太郎
脚本:奥山雄太
企画:宮岡太郎
プロデューサー:金丸千尋
協力プロデューサー:保坂慎一郎
撮影:古谷信親
美術:佐々木健一
照明:加藤祐一
録音:大野裕之
編集:宮岡太郎
音楽:中村巴奈重
衣裳:平田実香、深野明美
ヘアメイク:和気れいな
助監督:田中章
制作担当:香川智宏
制作会社:コスモ・スペース
製作:「ラストサマーウォーズ」製作委員会(啓和運輸、住協、入間さんま祭り実行委員会、徳竹正彦、コスモ・スペース、M×2films、吉沢建設、司産業、水村雅啓、テレビ埼玉)
配給:「ラストサマーウォーズ」製作委員会

 

主題歌
「ラストサマーフィルム」
作詞・作曲・歌:はたゆりこ