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百合とアニメと映画の感想

『ルパン三世 PART6』第1話感想: シャーロック・ホームズ

ルパン三世 PART6』第1話「シャーロック・ホームズ登場」

 

 

作品について

ルパン三世』のテレビアニメ第6シリーズ。舞台はイギリス。テーマはミステリー。

菅沼栄治監督。

大倉崇裕さんがシリーズ構成・脚本。推理小説家。静野孔文監督『名探偵コナン から紅の恋歌』(2017)、永岡智佳監督『名探偵コナン 紺青の拳』(2019)の脚本家。『名探偵コナン』のテレビシリーズでも何度も書いている。

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またゲスト脚本家として、押井守監督、辻真先さん、芦辺拓さん、樋口明雄さん、湊かなえさんの参加が発表されている。

丸藤広貴さんがキャラクターデザイン・作画監督川越淳監督『ルパン三世 グッバイ・パートナー』(2019)と辻初樹監督『ルパン三世 プリズン・オブ・ザ・パスト』(2019)のキャラクターデザイン・総作画監督

トムス・エンタテインメント制作。『ルパン三世 PART4』『ルパン三世 PART5』はテレコム・アニメーションフィルムがアニメーション制作していたが、『ルパン三世 PART6』はトムス・エンタテインメントが制作。

50年に渡り次元大介を演じてきた小林清志さんが勇退したため、大塚明夫さんが後を引き継ぐ。

 

 

感想

ロンドン警視庁と秘密情報部(Secret Intelligence Service、通称MI6)の縄張り争い。アメリカのテレビシリーズで描かれるFBI、市警察、保安官などの縄張り争いのようだ。

イギリス国内のテロ対策だと保安局(Security Service、通称MI5)が行う。David Wolstencroft シリーズクリエイター『MI-5 英国機密諜報部』("Spooks")という Kudos Film and Television 製作、BBC 放送のテレビシリーズがあった。おもしろかった。

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失敗した者は処刑する。レイヴン。ショーン・コネリー時代の『ジェームズ・ボンド』の SPECTRE かな。ダニエル・クレイグ時代の新組織 Spectre ではなく。

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取調室にいた被害者を爆弾で殺害されたので、スコットランドヤードの面子丸つぶれ。警察官僚は組織の面子、保身と出世に拘る。だから警察官の犯罪を隠蔽する。

 

アルベールがフランス政府のお仕事でイギリスで活動。espionage。

創作物での派手なスパイとは違い、現実の諜報活動は地味らしい。機密を暴くよりも、公文書やメディアの報道などの合法的に入手できる公開情報から得るオープンソース・インテリジェンス(OSINT)が主流。

イギリスの諜報機関が新聞の求人広告などで募集しているのは有名。

 

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リリー ©モンキー・パンチ/TMS・NTV

ホームズに白紙の手紙を届けさせられたと気づいたリリーが、青くなって赤くなるのが可愛い。危険から遠ざけるためだとわかって怒る。

 

「リリー、大きくなったな」と言うルパンの悪人演出。

ホームズがリリーを3年前に引き取って育てている。リリーの両親の死にルパンとホームズが関わっている可能性がある。

ジョン・ワトスンとメアリー・モースタンの娘とか?

Stony... Secondary School。リリーが安心して暮らせるように、生活費や学費などが必要なので、ホームズは様々な依頼を受けてお金を稼いでいる。それをリリーにとがめられた。

 

おもしろい。

 

 

ベーカー街221B。

Dr ワトスンはどこかな?

シャーロック・ホームズ』は19世紀末から20世紀初頭に書かれたので、Mrs Hudson (ハドスン夫人)。2021年なので Ms Hudson (ハドソンさん)。

 

アルセーヌ・ルパンの作者モーリス・ルブランが、Sir アーサー・コナン・ドイルに無断でシャーロック・ホームズを小説に登場させた。『ルパン対ホームズ』の邦題で知られる小説の原題は、"Arsène Lupin contre Herlock Sholmès"。エルロック・ショルメともじっている。

 

シャーロック・ホームズを演じる小原雅人さんは吹き替えで耳にする人。『DCエクステンデッド・ユニバース』のバットマンなどベン・アフレックの吹き替え、クリストファー・ノーラン監督・製作・共同脚本『インターステラー』(2014)などマシュー・マコノヒーの吹き替え、マット・リーヴス監督『猿の惑星:新世紀』(2014)と『猿の惑星: 聖戦記』(2017)のアンディ・サーキスによるシーザーなど。

三谷幸喜の戯曲『12人の優しい日本人』のオリジナルキャストだったらしい(陪審員1号)。中原俊監督の映画版(1991)は観た。シドニー・ルメット監督、レジナルド・ローズ脚本の傑作映画『十二人の怒れる男』(1957)のオマージュ。

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リリーを演じる諸星すみれさんとは、『インターステラー』で親子の役で共演していたね。ジョセフ・クーパー(マシュー・マコノヒー)とマーフ(マッケンジー・フォイ)。

ハドソンさんを演じる園崎未恵さんも吹き替えで耳にする。園崎未恵さんは『インターステラー』ではアメリア・ブランド博士(アン・ハサウェイ)を演じていた。

 

大塚明夫さんの次元大介もいい感じ。第1話はまだ台詞はあまりなかったけれど、これから馴染んでいくだろう。大塚明夫さんも視聴者も。

 

 

余談

オープニングアニメーションのディレクター・絵コンテは 10GAUGE の依田伸隆さん。様々な作品でPV、CM、OP/ED、MVなどを手掛けている。作画さんや制作さんを擁しているアニメ制作会社ではないが、アニメ業界で勢いのある会社。

 

現在放送中のアニメだと、篠原俊哉監督、P.A.WORKS制作『白い砂のアクアトープ』のPV制作、OPディレクター・画コンテ。ティザーPVの「ごめんお母さん、(やっぱり)私帰りたくない」を最初と最後で繰り返して、込められた意味を変える演出など、優れている。


TVアニメ『白い砂のアクアトープ 』ティザーPV 2021年7月放送開始

 

 

キャスト

ルパン三世栗田貫一
次元大介小林清志(EPISODE 0)→大塚明夫
石川五ェ門浪川大輔
峰不二子沢城みゆき
銭形警部:山寺宏一

八咫烏五郎:島崎信長
アルベール・ダンドレジー津田健次郎

シャーロック・ホームズ:小原雅人
リリー:諸星すみれ
レストレード:志村知幸
ハドソン:園崎未恵
エリオット:濱野大輝
フォークナー:高桑満
ノーラ:渡辺ゆかり
ジョー:米田えん
オリバー:武田太一
マーティン:山橋正臣

 

 

第1話スタッフ

脚本:大倉崇裕
絵コンテ:菅沼栄治
演出:そえたかずひろ

作画監督:丸藤広貴
メカ作画監督:渡辺浩二

原画:
鈴木藤雄 酒井智史 高木信一郎
安藤義信 崎山知明 和田伸一
垣野内成美 山川宏治 大豆生田照美
桑野佳子 敷島博英 中拓郎
滝川和男 竹上貴雄 三浦厚也
津吹明日香 湯本佳典 そえたかずひろ

第二原画:
武本大樹 塩本彩璃紗 桜咲新
原久美子 小保方千奈 兵藤恭子

WHITE FOX えかきや はだしプロ
作楽クリエイト シード

美術監督:松宮由美

 

 

オープニングアニメーション

ディレクター・絵コンテ:依田伸隆
演出:安部祐二郎

作画監督:丸藤広貴

作画:
東出太 崎山知明 竹上貴雄
安藤義信 垣野内成美 清水洋
山川宏治 和田高明 小保方千奈

動画検査:国島裕子

動画:ORANGE

色指定:宮脇裕美

仕上:ORANGE トムス・フォト(T.D.I.) すたじおかぐら

特殊効果:西香代子

2Dデザイン:澤見泰治 西山裕子

CGプロデューサー:川嶋洋樹
CGディレクター:星野申匡

美術:李凡善

撮影:
10GAUGE
松木大祐 小林敦史 泉香織

制作進行:石川梨菜

 

エンディングアニメーション

ディレクター:森山洋

撮影:佐々木明美

 

 

メインスタッフ

原作:モンキー・パンチ
監督:菅沼栄治
シリーズ構成:大倉崇裕
キャラクターデザイン:丸藤広貴
色彩設計:宮脇裕美
美術監督:松宮由美、備前光一郎、小倉宏昌、西澤航、李凡善、竹田悠介
撮影監督:佐々木明美
編集:吉武将人
音響監督:清水洋史
音響効果:倉橋裕宗
録音:池田裕貴
録音助手:金子諒
音楽:大野雄二
企画プロデュース:加藤州平、加藤良太
企画:篠原宏康、桑原佳子
プロデューサー:野﨑康次、塩出正樹
アソシエイトプロデューサー:國府田崇裕、鈴木禎、伴在正行
企画開発:鈴木常泰
アニメーションプロデューサー:徳丸恵一
制作デスク:山崎正
設定制作:伊藤将志
文芸担当:米山昂
制作:トムス・エンタテインメント
製作・著作:ルパン三世PART6製作委員会