映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『マチルダ』(1996)の感想

『マチルダ
原題: Matilda
製作年:1996年
製作国:アメリカ合衆国

 

 

作品について

ダニー・デヴィート監督・製作・出演。

ロアルド・ダールの児童文学『マチルダは小さな大天才』が原作。

脚本のニコラス・カザンロビン・スウィコードは共同プロデューサーを務めている。
ニコラス・カザンは、クリス・コロンバス監督『アンドリューNDR114』(1999)の脚本を執筆。
ロビン・スウィコードは、ジリアン・アームストロング監督『若草物語』(1994)の脚本と共同プロデューサー、グレタ・ガーウィグ監督『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019)のプロデューサー、ロブ・マーシャル監督、スティーヴン・スピルバーグ製作『SAYURI』(2005)の共同脚本、デヴィッド・フィンチャー監督『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008)の原案。

プロデューサーのマイケル・シャンバーグとステイシー・シェアは、ダニー・デヴィート監督のパートナーで製作会社Jersey Filmsの共同経営者。

 

主演のマーラ・ウィルソンは、クリス・コロンバス監督『ミセス・ダウト』(1993)の次女ナタリーや、レス・メイフィールド監督、ジョン・ヒューズ製作・共同脚本、ジョージ・シートン原作・共同脚本の『34丁目の奇跡』(1994)のスーザンなどで知られている。『マチルダ』もマーラ・ウィルソンの代表作の1つ。

両親を演じたダニー・デヴィート監督とリー・パールマンは実の夫婦。

ミス・ハニー役のエンベス・デイヴィッツは、スティーヴン・スピルバーグ監督『シンドラーのリスト』(1993)でヘレン・ヒルシュを、クリス・コロンバス監督『アンドリューNDR114』(1999)でアマンダと孫娘のポーシャを、シャロンマグワイア監督『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)でナターシャ・グレンヴィルを、マーク・ウェブ監督『アメイジングスパイダーマン』シリーズで母親のメアリー・パーカーを演じた。

トランチブル校長役のパム・フェリスは、アルフォンソ・キュアロン監督の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)のマージ(マージョリー・ダーズリー)や『トゥモロー・ワールド』(2006)で反政府グループthe Fishesのメンバーで元助産師のミリアムを演じた。

 

マーラ・ウィルソンの母スージー・ウィルソンが、撮影中に乳がんと診断され、公開の4か月前に死去した。この映画は彼女に捧げられた。監督やプロデューサーたちは、がんと闘病中のスージーが公開前の映画を観られるように手配したそうだ。スージーは娘の晴れ姿を目に焼き付けて、旅立った。監督やプロデューサーや出演者たちはマーラと家族を支えたと。

 

配信

NetflixAmazon Prime Videoでは配信されていない。GYAO!ストアやビデオマーケットでは字幕版が配信されている。

gyao.yahoo.co.jp

www.videomarket.jp

日本ではVHSが発売されたきりで、DVDやBlu-ray Discは未発売。2013年発売の北米盤BDはAmazonにある。

同じソニー・ピクチャーズ日本法人から、ロシア映画のアレクセイ・ウチーチェリ監督『マチルダ 禁断の恋』(2017)のDVDが発売されている。ニコライ2世バレリーナのマチルダ・クシェシンスカヤの恋を描いた話。紛らわしい。

 

テレビ放送

BSテレ東が新春シネマSPとして放送。二か国語放送なので貴重。

www.tv-tokyo.co.jp

 

 

感想

おもしろい。

ロアルド・ダールらしいブラックユーモア。

ファンタジー・コメディー映画。

 

スティーヴン・キングの小説『キャリー』に似ている。ブライアン・デ・パルマ監督の映画(1976)とキンバリー・ピアース監督の映画(2013)。

 

トランチブル校長が体罰で児童を入れる、釘がむき出しの扉の物置部屋は、鉄の処女が元ネタ。

 

演出

大人をローアングル(煽り)の構図で撮影して、大きく強く見せる。子どもをハイアングル(俯瞰)の構図で撮影して小さく弱く見せる。構図による演出。

チョコレートケーキをマクロレンズで接写して、大きく見せる。食べられない、と。

トランチブル校長が家で襲われたシーンはダッチアングルで、トランチブル校長の不安や恐怖を表す。

子どもたちがトランチブル校長を追い出すクライマックスは、ハイアングル(俯瞰)で撮影して、トランチブル校長はもはや学校を支配する権力者ではなくなったことを表現している。

 

 

 

 

 

キャスト

チルダ:マーラ・ウィルソン、矢島晶子
ハリー:ダニー・デヴィート樋浦勉
ジニア:リー・パールマン一城みゆ希
ミス・ハニー:エンベス・ダビドス、佐々木優子
トランチブル校長:パム・フェリス、吉田理保子
FBI捜査官ボブ:ポール・ルーベンス清水明
FBI捜査官ビル:トレイシー・ウォルター、仲野裕
ラベンダー:キアミ・ダバエル、こおろぎさとみ
ブルース:ジミー・カーツ、水原リン
ミッキー:ジョン・ロヴィッツ家中宏
ナレーション:ダニー・デヴィート樋浦勉
その他の声の吹き替え:藤枝成子 喜田あゆ美 亀井芳子 藤堂陽子 筒井巧 木附久美子 松岡恵美子 岩居由希子 津村まこと

 

演出:松川陸
吹替翻訳:徐賀世子
調整:オムニバス・ジャパン
制作:東北新社

 

 

スタッフ

監督:ダニー・デヴィート
脚本:ニコラス・カザン & ロビン・スウィコード
原作:ロアルド・ダール
製作:ダニー・デヴィート、マイケル・シャンバーグ、ステイシー・シェア、リッシー・ダール
製作総指揮:マイケル・ペイサー、マーティン・ブレグマン
共同プロデューサー:ニコラス・カザンロビン・スウィコード
撮影監督:ステファン・チャプスキー
編集:リンジー・クリングマン、ブレント・ホワイト
音楽:デヴィッド・ニューマン
製作会社:ジャージー・フィルムズ*1
配給:トライスター・ピクチャーズ (米国)、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (日本)

 

キャスティングディレクター:Renée Rousselot, David Rubin

プロダクションデザイン:Bill Brzeski
美術監督:Philip Toolin
セット装飾:Jennifer Polito-Gaulke
衣装デザイン:Jane Ruhm
costume supervisors: Donna Marcione Pollack, Patricia McLaughlin
key costumer: Lucinda Campbell
property master: Emily Ferry

key makeup artist: Ve Neill
key hair stylist: Yolanda Toussieng

unit production manager: Michael Peyser
production supervisor: Jeremiah Samuels
post-production supervisors: Lisa Yesko, Chantal Feghali (uncredited)

sound mixer: David Kelson
sound recordists: Kathy McCart, Gary Ritchie
supervising sound editors: Skip Lievsay, Bobby Mackston
re-recording mixers: Rick Kline, Donald O. Mitchell, Frank A. Montaño

特殊効果スーパーバイザー:Michael Lantieri

視覚効果スーパーバイザー:Chris Watts
視覚効果プロデューサー:John Follmer as supervising producer for MetroLight Studios, Lori J. Nelson, Dobbie Schiff as visual effects executive producer for MetroLight Studios, Kendrick Wallace as line producer for Metrolight Studios, Barry Watkins for Cinesite, Anne Putnam Kolbe on post production (uncredited)
digital supervisor: Janek Sirrs for CFC
digital effects producers: Aisling O'Brien for CFC, Janet Yale for CFC

 

For Suzie Wilson

*1:Danny DeVito, Michael Shamberg, Stacey Sher の製作会社 Jersey Films