『イエスタデイをうたって』第12話「遠回り」
感想
浪を追いかけながら振り返る榀子の芝居が上手い。
第7話同様、榀子の「女性の走り方」が上手い。
速度を落として歩幅が小さくなり、その場で足踏み。そして身体の上下動に伴う脚の動き。膝がクッションになる。
息を切らして身体が上下に大きく速く揺れる榀子の芝居が上手い。
「ごめん、ごめんなさい」という台詞だけ切り取ると、DV被害者っぽく聞こえる。
「違うの! 違うの……」と言い訳する榀子の芝居が上手い。2回目の「違うの」は自信がないから俯く。
「俺だってわかってる!」と叫ぶ浪の芝居が上手い。
浪は兄・湧の生前は和室に入ることはなかったけど、亡くなって遺品整理の時は入っている。
追いついて、2人に立ち入れないので、陰から見ているリクオ。
浪に言えなかった榀子と、ハルに言えなかった自分を重ねているリクオ。
洗濯物を畳むハルの芝居が良い。
傷心のハルは実家に帰ってたのね。
榀子がボーっとしている学校の屋上から見える、抜けるような空。レイアウトも良い。
リクオも同じ空を見上げる。
榀子が電話に近づき受話器を取る芝居が上手い。
副担任から担任に昇格した榀子。
ベンチに座って話すリクオと榀子。木漏れ日の背景が綺麗。レイアウトも良い。
奥のスワンボートが動いている。
「気づいたんだ。俺は胸を張って榀子を好きだって言えないことに。それが違和感の正体。榀子はどうなんだ? 俺と浪、本当はどっちの方が大事なんだ」
――魚住陸生
小林親弘さんの低音の、嚙み締めるようなお芝居が良い。
涙が止まらなくなった榀子の、身体が上下に小刻みに揺れる芝居が上手い。
リクオと榀子がお互いの関係を決めたので、空が晴れやかに。悩んでいた時の空よりも彩度が高くなった。
ハルのお義父さんが頷く。
ハルの連絡先を教えてくれた狭山杏子さん。リクオの心が決まったので杏子さんも穏やかな笑みを浮かべる。
リクオの足元からカメラが上に引いていくショットが良い。
リクオの自問自答。
小林親弘さんの試すようなお芝居と、開き直る(強がる)お芝居。
ハルのお母さん、手だけ出して頑張れ、と。
中学生時代のハルがリクオとすれ違ったバス停で、過去の自分の気持ちを見るハル。
カンスケGJ。
怒って拳を突き入れたのかと思ったら、実体だと思わずに行動していたハル。驚くのか。
リクオのPOVショットでティルトしたので、ハルの胸を見たことになるのだけど。
「だから、俺は多分、お前のことが好きだ!」の芝居が上手い。
感極まったハルの芝居が上手い。
しゃくりあげて、顔を震わせて、鼻や頬が紅くなり、目が潤む。泣き顔を見られたくないから俯く。
エンディングクレジットを入れるタイミングが良い。
![f:id:naotie:20200621110851g:plain f:id:naotie:20200621110851g:plain](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/n/naotie/20200621/20200621110851.gif)
![f:id:naotie:20200621111020g:plain f:id:naotie:20200621111020g:plain](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/n/naotie/20200621/20200621111020.gif)
「ま、ま、ま、お、ま……」
「35点!」
「はえ?」
「今の告白、やり直しを要求する!」
「無茶言うな」
「やり直しったらやり直し!」
一連のカットの芝居が上手い。
浪の一人暮らしおめでとうパーティーで女子3人と滝下。
1人の反応から、滝下の彼女だと推測できる。スケッチブックの話題にそらしたのもそれが理由かな。
インターフォンが鳴って、小走りで廊下を手前に駆けてくる女子の芝居が上手い。
撮影処理でキャラクターの大きさを変えるのではなく、ちゃんと動画で変化を描いている。
デジャヴ。
杏子さんも結婚。
配信限定episode #12
リクオのモノローグによるまとめ。
と思いきや、ハルへの告白のやり直し。
すげなく60点を付けられた。
何度もやり直しさせられているらしい。
4人でダブルデートの写真。
おわりに
怒涛のまとめで、ちゃんと着地したね。
スタッフ
藤原佳幸監督
伊藤良太副監督
制作進行:伊勢戸啓介
作画監督:
山野雅明
尾辻浩晃
長尾圭吾
渥美智也
武藤幹
藤原奈津子
澤井駿
大津豪
新沼拓也
宗圓祐輔
寿門堂
原画:
安江杏珠 新沼拓也
大迫光紘 鹿戸大介
伊藤幸 前田義宏
月下歩 扇多恵子
吉野彰敏 濱口明
水野公彰 山本悦子
南部広海 山﨑絵美
曾我篤史 小室有土
大津豪 伊勢奈央子
葛原詩乃 室賀彩花
狩野正志 西島翔平
戸井一樹 朝倉夕貴
藤原佳幸
第二原画:
長尾圭吾 尾辻浩晃
澤井駿 武藤幹
藤原奈津子 山野雅明
朝倉夕貴 清水綾乃
合田麻美 原夏海
酒井ひかる 車谷紗由美
水野公彰 山本悦子
室賀彩花 大清水瑛良
吉野彰敏 全後映
小室有土 大迫光紘
動画検査:
全後映 小田道子
大原真琴 狩野洋典
動画
石井俊邦 小田道子
大原真琴 狩野洋典
清水綾乃 齋藤めぐみ
佐藤光晃
寿門堂
色指定・検査:
石黒けい 呉政宏
仕上げ:
石黒けい 呉政宏
竹内優太 芦原明音
真壁源太
寿門堂
背景:
スタジオイースター
東潤一 宇佐美哲也
干場佳織 石川真理
曽根原理恵 妹尾想
平田卓也 関口蓮
王葆祺 相澤諒
木津海音 村上悠太
田中伸哉 牧岡聡
片岡乃梨子 香取希
岩田百代
撮影:
伊藤邦彦 工藤康史
杉浦誠一 福岡由惟
水沼賢誠
撮影協力:
戯画プロダクション
寿門堂
取材協力:
東京武蔵野美術学院
インタニヤ