『名探偵ピカチュウ』
原題:Pokémon Detective Pikachu
2019年
試写会で観てきた。ネタバレありで気になった点を挙げる。
- 良い点
- ライアン・レイノルズ
- 可愛い
- ミュウツー
- 音楽
- エンドクレジット
- 悪い点
- 話
- アクション
- ハワード・クリフォード
- ルーシー・スティーブンス
- ヨシダ警部補
- 感想
- スタッフ
『名探偵ピカチュウ』
原題:Pokémon Detective Pikachu
2019年
試写会で観てきた。ネタバレありで気になった点を挙げる。
2001年宇宙の旅:
— なおてぃー (@naotie) 2019年4月21日
何度目かの挑戦でようやく通して観られたし、話を理解できた。
知識としては知っていたけれど話はシンプル。各ショットが長いのと言葉をあまり使わずに映像で語るから。
スタンリー・キューブリック監督脚本製作。アーサー・C・クラーク脚本。
2001: A Space Odyssey (1968)
『色づく世界の明日から』
第二話
「魔法なんて大キライ」
公園で瞳美と唯翔を柱で区切っている。立場や考えなどの断絶。
ちゃんと謝れる瞳美。
千草はバイト先のカフェで女性客に人気があるようだ。
サイフォンが置かれている。
千草の話をさえぎる容赦ないカッティング(編集)。
イギリスの学校の生徒と仲良く写真に納まる琥珀。
魔法が苦手と言う瞳美をフレーム内フレーム。
娘が増えたように盛り上がる瑠璃、柚葉、弦。
瞳美を南ヶ丘高校への編入手続きを済ませる。
机をスワイプしたり、トントンと叩く瞳美。60年後の学校は机を操作して使っていたらしい。
黒板を珍しがっていたし、第1話で出てきたように空中投射ディスプレイが発達しているようだ。
瞳美に積極的に声をかけるあさぎ。野次馬っぽさもあるけれど、あさぎと同様に瞳美に声をかける胡桃。
唯翔に魔法を見せてと頼まれる瞳美をフレーム内フレームで逆光。戸惑っている。
星砂。
よほ慈悲に 光よ輝け 星の如く
「やっぱり魔法なんて大嫌い」と呟く瞳美は影の中に。
60年後もオフリーというジュースがあるらしい。
風景のカットと瞳美の虹彩が輝いたことから瞳美は色が見えたと解釈できる。
「また見せてよ、魔法。星とか出せるのって結構すごいと思う。俺の絵なんかよりもすごいって。絶対に。いつか、でいいから」
「私の魔法を喜んでくれる人がいるなんて。魔法なんて、大嫌い」
昼間よりもたくさん星を出せている瞳美、すると電灯がつく。
将は瞳美を意識しだしたのかな。
集中して観ていないと気づきにくい個所があったが、繊細な演出だった。
特に瞳美が色が見えた場面では、第1話のような派手な演出を使っていない。これがポイント。
今回OPとEDがお披露目された。
OPも素敵。ディレクターが10GAUGEの依田伸隆さん、作画演出が浅井義之さん。
EDも素敵。出合小都美さんコンテ演出。縦の空間を利用した構図。
『色づく世界の明日から』
第一話
「キミノイクベキトコロ」
星砂時計は時間魔法の必需品で、60年分満月の光を浴びさせ続けてきた。つまり祖母・琥珀が前々から準備していたことになる。高校生時代に孫の瞳美と出会っていて、将来瞳美を過去に送り込むことを知っており、そのための準備を怠らなかった。
「いきなり言われて戸惑うのも無理はないけど、これは決められたことなのよ」
もし琥珀が瞳美を過去に送らなかったら、タイムパラドックスが起きるという意味だろう。
「どうして?」
「行けばわかる」
何も言わずに唐突に送り出すなんて、ちょっとやんちゃすぎですね。
ヒトヤタナ 静寂(しじま)に沈む 暗黒の
久遠の流れ 照らせよ光
空に星満ち 地には霊満つ
山を越える緑風よ 海に溶ける白雨よ
空渡る雁行 闇を裂く稲妻
世を形作る万象よ 導き賜え
刻よ転
星砂時計が発する光は、琥珀の目の上まで照らしている。一方、瞳美は目の下までしか照らされておらず、目は影の中にある。
琥珀はポジティブな感情であり、瞳美はネガティブな感情であることが読み取れる。
「まあ友達や恋人と別れたくないとか、そういうのあるだろうけど」と茶目っ気を出す琥珀。
瞳美は顔をそらし、そういった心残りの存在がいないことがわかる。
「別に、そういうのどうでもいい」
このクロースアップのカットでも、瞳美の目は影の中にある。
「瞳をそらさないこと。せっかく行くんだから楽しんでらっしゃい」
おそらくこれが琥珀が瞳美に伝えたかった大切なこと。
「え? ちょっと、私行くなんて一言も……」
このときにようやく自分の意思を表明しようとして身を乗り出す。目が影から出て光に照らされる。
あらゆる事象は額縁に収められた絵画または映像編集の素材であり、その空間をバスに乗って移動する。
これが今作における時空間の解釈とタイムトラベルのようだ。
運転手はポッキーに興味津々。
バスは雲の上を走っている。
瞳美が落下したときの雲が舞い上がるエフェクト作画が良い。
窓を開けようとして、窓ガラスをノックしたり鍵をタップしたり。
2078年には実現しているようだ。
思わずベッドの下に隠れてしまった瞳美。
唯翔が部屋着に着替えだすと、「ひっ!」と心の中で叫び、目をつぶり顔をそむける。
「誰か、助けて」
バンドエイド(ばんそうこう)を知らない。
「それに本当のほうが素敵でしょ? こうして孫の孫に会えるなんて」
本当に。
新聞を読みながら指で良いよと伝える弦。
「失くしたものを見つける魔法は使えないの?」と聞かれて、「はい……」と答える瞳美に陰が。
瞳美が星砂で失くしたアズライトの場所を見つけ、そのアズライトについて唯翔が母親と会話する場面をつなげるコンテ。
白黒の画は基本的に瞳美のPOVショットだけど、それだけでは説明できないカットもある。
瞳美視点だと思われるカットにも色がついているのでそこはカメラがとらえた画ということになる。
葵の絵で色のついた世界に入り込んだ後、魚ににらまれて色を失ったシーンは第三者のカメラ。
やっぱり篠原俊哉監督は構図や陰影の使い方が上手。
撮影処理で背景美術の美しさが増している。
篠原俊哉監督は撮影処理でも積極的に画作りしている。
梶原幸代撮影監督と組んだ『凪のあすから』は、海の中の世界を描いていたので水を意識したフィルターやエフェクトをかけていた。またレンズフレアも使われていた。
並木智、富田喜允撮影監督との『色づく世界の明日から』は、浅い被写界深度でぼかした画や、レンズフレアと陰影など光源を意識している。
『やがて君になる』
第2話
「-発熱- / -初恋申請-」
仕草だけで沙弥香に髪の毛を結んでとお願いする燈子。もともと髪の毛を触るという行為は親密な間柄でしか行われない。本来は。それに加えて女性が髪を結ぶことを他人に委ねるということは、その相手を信頼していて心を開いているという意味。
ここで重要なのが、燈子が選挙の推薦責任者を侑に頼みたいと話していること。沙弥香が髪の毛を結ぶということは燈子の話を受け入れてもいいという心理だと解釈できる。
「決めたわけじゃないけど、あの子も役員に誘うつもり。だから今から信頼関係を築いておきたいの」
「そう。つまり私よりも、あの子との信頼を深めたいわけね」
嫉妬か、拗ねているのか。
結び終わった後の、髪の毛の束をふわりと広げる芝居が良い。
チームメイトのレシーブに即座に反応し、沙弥香のオーバーハンドパスとスパイクを決める燈子。
「私たちの間に今更そんなの必要?」
「もう。ずるいんだから。仕方ないわね。ここは折れてあげる」
「ありがとう」
ハイタッチを交わす。
「これで落選なんてしたら、怒るからね?」
「まかせて。絶対会長になってみせる。だから、よろしくね、副会長?」
しょうがないわね、と微笑む沙弥香。
燈子に「君のこと好きになりそう」という言葉の真意を確かめる侑。このとき2人の姿がカーブミラーに映し出されている。鏡に映った自分は本心の自分。
彩度を落とす。時間を止めて切り取る。映画的な演出。
口元を抑えて「どうしよう」とつぶやく燈子も、自分の気持ちに気づいておらずとっさの行動に驚いている。
顔合わせと打ち合わせで、あれ以来初めて視線を交わした侑と燈子。目を見せず口元だけのショット。
加藤誠監督と渡部周さんのコンテ、渡部周さんの演出が良い。
作監の牧野竜一さんと総作監の合田浩章さんが細かく手を入れている。表情芝居に気を使っているなと感じる。
続きを読む『若おかみは小学生!』:良い映画だった。心を何度もえぐられた。途中から涙が止まらなかった。悪い人がいない。誰もが傷つき悩み、それぞれの立場でもがきながら成長していく。出会えて良かったと思える作品。 #若おかみは小学生
— なおてぃー (@naotie) 2018年10月8日
高坂希太郎監督のコンテ演出が素晴らしい。抑えた表現やあっさりした描写でありながら、巧みなカット割りで観客に想像力を働かせる。だから効果的。
— なおてぃー (@naotie) 2018年10月8日
隅々まで行き届いた日常芝居の数々。 #若おかみは小学生
おっこを見守る皆のように、大人たちや真月・ウリ坊・美陽・鈴鬼視点で観ていた。子どもの時にこの映画に出会っていたらおっこ視点で見ていたと思う。
— なおてぃー (@naotie) 2018年10月8日
水領さんはおっこにとってはお姉さん。お買い物の話は母と一緒に楽しんでいたであろう時間。 #若おかみは小学生
木瀬一家がこの映画の肝。文太は交通事故で少女と両親を永遠に引き離してしまった、と思っている。自分にも家族がいるからこそなお一層罪の意識に苛まれている。だからおっこに許してもらえても、春の屋に泊まることが「俺がつらい」と吐露した。 #若おかみは小学生
— なおてぃー (@naotie) 2018年10月8日
あかねと美陽・真月姉妹は、両親の死をおっこが徐々に受け入れるプロセスとして機能している。あかねは母を失った悲しみを直接的に周りに訴え、そして受け入れた。一方、美陽はあまりそのようなそぶりを見せない。時間をかけて受け入れたのだろう。真月も神楽前の禊で涙をぬぐった。 #若おかみは小学生
— なおてぃー (@naotie) 2018年10月8日
ウリ坊はおばあちゃん(峰子)が引っ越した後すぐに屋根から落ちて死んだとおっこに伝えたが、本当だろうか? 60年ほど前。時代的に戦争に巻き込まれて亡くなったと考えるのが自然。両親を失ったおっこに気遣いをさせないためのwhite lie(優しい嘘)ではないだろうか。 #若おかみは小学生
— なおてぃー (@naotie) 2018年10月8日