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『虚構推理』第11話の感想

『虚構推理』第11話「最後の虚構」

 

高木登さん脚本
後藤圭二さん絵コンテ、小川治人さん演出
渋谷一彦さん山川拓己さん齊藤美旺さん作画監督
相澤楓さん吉田理紗さん動画検査
大塚奈津子さん色指定、丸山麻美さん仕上げ検査
山根万里奈さん石塚素晴さん制作進行

 

琴子と九郎先輩の2人が揃ってこそ未来を掴める。城平京さんはそのように配置した。城平京さんはまず話を考え、それに必要なキャラクターを配置する小説家。

よく似た女性「Aさん」。このような話ではそばかすのある女性がしばしば描かれる。そばかすがコンプレックスというキャラクターは児童文学でも時折描かれる。
Aさんの芝居も、そのように描かれている。目の前に美少女が現れ、戸惑い、「私なんか……」と思っているであろう様子が。

今作は、小説では読者の想像に任せていた犯行の詳細な描写を直截に演出・作画するね。

推理小説では、顔のない死体、顔が潰された死体が出てきたら、双子(の可能性)を疑えという共通認識がある。容姿がよく似た他人も同様。ドッペルゲンガーが3人は存在するという説があるし。

フェミニンな七瀬かりん(七瀬春子)からボーイッシュな装いのAさん(七瀬春子)へ変身。

紗季さんが言った通り、掲示板の閲覧者が積極的に謎解きをするように、琴子は4つの虚構を使って誘導している。人間の心理を突く手法で。

六花さんも九郎先輩も未来を決定するために同時に自死

鋼人七瀬の肖像画が割れて、額縁の中に七瀬かりんが現れる。まるでクローゼットや冷蔵庫に隠れているかのように。

七瀬かりんが寺田刑事の顔に大きな石を叩きつけるショットと、鋼人七瀬が九郎先輩の胸に鋼を突き刺すショットのマッチカット。

六花さんがぺたんと床に座り込んでいる。

六花さんが窓の外を見たとき、「岩永琴子」が自分の想定以上に厄介な存在だと強く思ったことだろう。

 

 

『虚構推理』という作品は、事実を解き明かすことが目的の推理小説ではなく、相手が信じたい真実を提示することで問題を排除し、事件を収束させる。

そのためにミステリを緻密に構築し、作品に情報を織り込む。

これこそが推理小説家・城平京さんの真骨頂。