『白い砂のアクアトープ』第9話「刺客のシンデレラ」
作品について
安藤真裕さんが絵コンテを切った。ローテーションで参加。
高村彰さんが演出。
感想
2021年8月22日(日)から24日(火)の出来事。
知夢の指導役は消去法でくくるに。
閉館寸前の水族館が好きで、建設中の新しい水族館から研修に来た知夢に複雑な心境のくくるは、新人いびり。
料理に手馴れている知夢。
おじいは「伝説の飼育員」と呼ばれている。
シンデレラウミウシ。飼育が難しく、くくるたちはようやく飼育できるようになった。
篠原俊哉監督は『凪のあすから』(2013)でウミウシを描いていた。第5話「あのねウミウシ」は篠原監督自身の絵コンテ。演出は『アクアトープ』にも参加している市村徹夫さん。
ちなみに『凪あす』で潮留美海を演じた小松未可子さんが、第9話で島袋薫として出演していた。島袋薫もアクアリウム・ティンガーラの飼育員。
島袋薫の研修先は月白マリンパーク。名前の由来は、『色づく世界の明日から』(2018)の主人公、月白瞳美と月白琥珀。
チョコの足が治った。
「空気悪すぎて酸素不足」な空也。ウミやんに「魚か」とツッこまれる。
無記名の母子手帳のことを風花に話したくくる。
キジムナーも夜は寝ている。猫と一緒に。
年間パスポートを持っている子どもが、昔飼っていた犬と再会したらしい。
がまがま水族館でのキジムナーのいたずらはそこそこ起きているようだ。
うどんちゃんに対してそっけない知夢。うどんちゃんは「サバサバしている」と解釈したけれど。
お弁当を頼む気はなくても、挨拶はしたほうがいいよね。大人として。まだ子どものくくるを叱るならなおさら。
「お店はどこにあるんですか?」とか「機会があったらお邪魔しますね」とか。
がまがま水族館で研修期間中はビジネスホテルに宿泊している。
お客さんたちとの触れ合いを大切にするおじいのやり方を理解できない知夢。
くくるのはお仕事ごっこと評した知夢。家業の手伝いに過ぎない。働くこと、お金を稼ぐことの意味をわかっていないと。正論。
だからくくるは何も言い返せず、苛立ち、櫂に相手してもらって気持ちを静めるしかできなかった。
水族館は求人が少ないので、狭き門を潜り抜けてアクアリウム・ティンガーラに採用された。知夢は大卒かな?
期待していたのとは違ったので、上司に頼んで研修先を変えてもらうことにした知夢。高校生に教えてもらう、という点は疑問視されても仕方ないが。アルバイトとはまた事情が異なるので。
くくるを煽ったり、「二度と来ませんよーだ」と舌を出したり、知夢も子どもっぽい。
だから「夢を知る」で知夢という名前なのか。そのうち再登場して、知夢の背景が描かれるだろう。
ルカから電話がかかってきた風花。
アクアリウム・ティンガーラの建設現場にやって来たくくる。
第1クールの終盤、折り返し地点に向けて話が動き出した。
演出
料理に手馴れている知夢。一方くくるはご機嫌ななめなので、乱雑に魚を切る。
包丁の持ち方、食材を支える手の形や位置、包丁の動かし方で、料理の経験を表している。
くくるの家は主におばあが作ってくれているようだし。風花はお手伝いしているけれど、くくるのお手伝いは描かれていないのでは?
安藤真裕監督は『花咲くいろは』(2011)で、家庭料理や、飲食業としての厨房での調理を描いていたので、『白い砂のアクアトープ』でも給仕に関する話数の絵コンテを担当しているのかな?
ウミウシの水槽越しに、知夢とくくるをそれぞれ見せる。
棚の柱の間を通る角度。針の穴に糸を通すような感じ。
正面に立っていないくくるを、わざわざ斜めの角度から水槽越しに見せるのには、演出意図があるはず。
ウミウシの話題で盛り上がりそうになり、同じ水槽を通して見せているので、同類という意味かな。性格が似た者同士。同族嫌悪、あるいは、仲良くなれそうという示唆かな。
姉が欲しいというくくるの願望を考えると、生き別れの姉妹という可能性もなくはないが、2人は年齢差があり、母子手帳は死産の可能性を示している。
「なんでこんな、敵に塩を送るようなことをしなくちゃいけないの? おじいのばかー」と心の中でつぶやくくくるに、
「※ここから先はお客様がいる場所です※ 笑顔を忘れずに!」
と扉が無言で問いかける皮肉。
くくるがチョコの足を見ているショット。チョコを支えている風花の身体と腕が、くくるを取り囲む柵になっている。
フレーム内フレーム。閉館寸前で焦るくくるが自縄自縛になっていることのメタファー。精神的に追い詰められている。
知夢がペンギンと初対面したり、ペンギンのお散歩をしたり。第2話で風花の失敗を描いた安藤真裕さんが、第9話で知夢とペンギンを描いた。
おじいに諭されているショットは、おじいが上手で、くくるが下手。おばあに諭されているショットは、おばあが上手で、くくるが下手。
おじいの言葉もおばあの言葉も正論で、知夢に子どもっぽい態度をとったり、他の水族館のことを知らないくくるは反論できない。
食事中の会話シーンで、意図的に構図を変えている。
くくるが仏壇の引き出しに入っている母子手帳の話をしているとき、居間のロングショットで窓ガラス越しに、仏壇に飾られているお母さんの写真が見える。
第5話で岡村天斎さんが、写真立てが見えるような構図を何度か使っていたように。
第5話と比較すると、もしかしたらお父さんの写真かもしれないけど。
安藤真裕さんが絵コンテを担当した話数は、キャラクターの表情がより豊か。絵コンテに描かれた表情を、演出さんと原画さんと作監さんと総作監の秋山有希さんが咀嚼して描いているのだろうね。
Blu-ray Disc
CD
キャスト
海咲野くくる:伊藤美来
宮沢風花:逢田梨香子
照屋月美:和氣あず未
久高夏凛:Lynn
仲村 櫂:土屋神葉
屋嘉間志空也:阿座上洋平
南風原知夢:石川由依
具殿轟介:櫛田泰道
おじい:家中宏
おばあ:定岡小百合
宮沢絵里:園崎未恵
照屋さつき:儀武ゆう子
城居ルカ:菊池紗矢香
マネージャー:前田玲奈
竹下先生:花澤香菜
キジムナー:儀武ゆう子
くくる母:前迫有里紗
くくる父:村井雄治
先生:丹波正人
神里:田中秀幸
仲村真帆:広瀬さや
知念 類:北守さいか
金城看護師長:名塚佳織
上原愛梨:塙真奈美
島袋 薫:小松未可子
雅藍洞凡人:阪口周平
第9話スタッフ
脚本:柿原優子
画コンテ:安藤真裕
演出:高村彰
総作画監督:秋山有希
作画監督:小島明日香、杉光登、林可爲、櫻井拓郎、吉岡敏幸
高田玲大 頼志青 菅原浩喜
浜崎賢一 玉置典彦 河村涼子
吉岡敏幸 櫻井拓郎 ふたふさ
安藤幹彦 高瀬ゆり子 水村十司
第二原画:
大清水瑛良
日影工房 月面
動画検査:
P.A.WORKS
髙田友美 藤嶋未央 白敷桃子
動画:
P.A.WORKS
北原沙恵美 安部紗矢香 福島賢治 二藤部桃汰
茶山咲良 菊池桃佳
DRMOVIE
Min Hong-yi Jung Ju-ri Park Hyeon-ju Yoon Eun-joo
Choi Mi-na Cho Chae-won Lee So-yeong Lee Mi-ok
Gong Jin Lee Seon-mi Ko Jin-ju Heo Young-jin
Kim Boo-kyung Jang Sun-hye Son Yeong-ju Anh Mi-gyeong
Jang Sun-hye Choi Eun-ju Kwan-woo Lee You-jin
Yi Min-kyoung Kim Young-won Lee Eun-bin Lee Da-young
Jeon Hae-jin Jang Chul-ho
つむぎ秋田アニメLab
都築英哲 藤田紗矢香 溝渕美穂 アイシャ ハナ サレハ
山内真月 髙橋諒悟 佐藤結希 島田凌汰
平塚萌 戸井田慶斗 重光亮摩
動仕管理:Kim Seok-jeong
翻訳:Moon Seong-ho
色指定:
ステラ・ロード
遠藤花歩
仕上げ検査:
ステラ・ロード
門松諭生
仕上げ:
ステラ・ロード
越田侑子 江口亜紗美 永井唯香 奥智恵
新井理恵 大場昭子
DRMOVIE
Yoo Young-hye Kim A-jin Hwang Seong-kyeong Park Se-na
Kim Min-lee Lim Jung-a Jung Su-hyun Park One-jung
Kim Min-ju Kim Ok-hee Lee Eun-jeong Kwon Min-kyoung
Jung su-young Jo Ye-jin Kim Min-one Choi Sa-ri
Kim kyoung-hwa Lee Jin-hee
D-COLORS
橋本千春 鴨井さつき 圓次美和 角下瑞絵
那須彩香 小暮将大
J-CUBE
Kil Eun Sook Yoo Haigen Kim Hwa Ryong Hyeon So Hee
Jung Hye Sook Jang Sung Su Baek Soong Hee Kim Tae Hyun
Kim Hee Sook Byun Sang Soon
背景:
スタジオ・イースター
石川真理 秋山慎太郎 曽根原理恵
朝倉大智 阿部真大 干場佳織
志村美幸 田中伸哉 片岡乃梨子
牧岡聡 岩田百代 中村逸人
楊梦龍 小浦未来 今井公平
工藤洋幸 季豊裕 温水陽子
鈴木くるみ
撮影:
T2studio
並木智 朝日康平
福島敏行 高橋智弘
佐藤陽一郎 兼久卓
2D works:村上瞭
3DCG:
P.A.WORKS
森重柚香 田口優香 鈴木晴輝
伊東大毅
3Dモデリング:
P.A.WORKS
井上佑紀 大野陽生 森重柚香
郭超儀 川上真菜美 田口優香
伊東大毅 林誠一郎 鈴木晴輝
市川元成
T2studio
武川佳史 日塔友恵 秋元央
バイブリーアニメーションCG
箕輪綾二 菊地学 河野真一朗
李植 原品貴好
株式会社 Marco
小川耕平 Pan Xiaofeng
IKIF+.inc
佐藤良樹 渡部里奈
Special Effects:村上寿美江
担当制作:大谷マイケル
メインスタッフ
原作:projectティンガーラ
監督:篠原俊哉
シリーズ構成:柿原優子
キャラクター原案:U35
キャラクターデザイン・総作画監督:秋山有希
生きもの設定・サブキャラクターデザイン:牧野博美
プロップ設定:宮岡真弓
色彩設計:中野尚美
美術監督:鈴木くるみ
美術監修:東潤一
美術設定:塩澤良憲
撮影監督:並木智
撮影監督補佐:朝日康平
3D監督:鈴木晴輝
特殊効果:村上正博、村上寿美江
編集:髙橋歩
音響監督・整音:山田陽
音響効果:山谷尚人
録音:松下春香
音楽:出羽良彰
音楽プロデューサー:臼倉竜太郎
音楽A&R:吉池真由美
音楽制作:ランティス
方言監修:儀武ゆう子
水族館監修:魚津水族館
水族館取材協力:足立区生物館、サンシャイン水族館、しながわ水族館、DMM かりゆし水族館、横浜・八景島シーパラダイス
協力:一般社団法人 南城市観光協会
企画:鶴田直一、安藤卓、櫻井優香、辻󠄀充仁、横沢隆、金子広孝、前田吉輝、小川泰
製作:町隆幸、白石俊博、吉江輝成、堀川憲司、篠崎文彦、伊藤幸弘
プロデューサー:藤野麻耶、山口慶、臼倉竜太郎、仲村直人、尾形光広、齋藤宙央、岩佐貴博、大森慎司
プロデュース:infinite、永谷敬之、茂山愛保、浜辺恵那
アシスタントプロデューサー:池亀彩加、池田智和、片山怜子
ラインプロデューサー:橋本真英
制作デスク:小西翼
設定制作:舘彩華
アニメーション制作:P.A.WORKS
製作:「白い砂のアクアトープ」製作者委員会(DMM pictures、フォアキャスト・コミュニケーションズ、バンダイナムコアーツ、ビーグリー、ピーエーワークス、角川メディアハウス、TOKYO MX、AQUA ARIS、BSフジ)