映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『ボディガード』(1992)の感想

ボディガード』
原題: The Bodyguard
製作年:1992年
製作国:アメリカ合衆国

 

作品について

ミック・ジャクソン監督。

ロマンティック・スリラー映画。

 

 

感想

ホイットニー・ヒューストンの歌は知っているけれど、映画を観るのは初めて。もともとはシンガーソングライターのドリー・パートンの歌で、ホイットニー・ヒューストンはカバーだったらしい。

 

おもしろい。

 

 

ローレンス・カスダン

もともと脚本はローレンス・カスダンが1970年代半ばに書いたもので、スティーブ・マックイーンダイアナ・ロスを想定していた。

2人はデートで黒澤明監督『用心棒』(1961)を鑑賞する。ローレンス・カスダンは『用心棒』からインスピレーションを受けたそうだ。

当時ローレンス・カスダンは広告コピーライターとして働いていたが、映画製作を志していた。8年間で8作の脚本第一稿を書いた。その1つである『ボディガード』の脚本第一稿をワーナー・ブラザースが購入したが、実現しなかった。その後アーヴィン・カーシュナー監督『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980)、スティーヴン・スピルバーグ監督『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981)、リチャード・マーカンド監督『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)の脚本を執筆。『白いドレスの女』(1981)以降、自分でも監督するようになる。1992年に満を持して『ボディガード』を発表。もし新人時代に制作されていれば、映画スタジオ幹部など上からの指示で脚本を改変されてしまっていただろう。力をつけ、実績も残し、人脈を築いたからこそ、『ボディガード』ではプロデューサーを兼任して、自分の思い描いたストーリーをミック・ジャクソン監督たちとともに実現できたのだと思う。

その後のキャリアを見るに、ローレンス・カスダンはひとかどの人物ということがわかる*1

ローレンス・カスダンによると、『ボディガード』の脚本第一稿は本当にいいものが書けたと初めて思ったそうだ。

 

 

1975年に脚本第一稿を書き、エージェントを見つけられたが、そのエージェントをもってしても2年間は売れなかった。エージェントによると67人が断ったと。当時ワーナー・ブラザース幹部だったJohn Calleyが2万ドルで購入。John Calleyはジョン・ブアマン監督を雇った。ローレンス・カスダンジョン・ブアマンを尊敬しており、ジョン・ブアマンと一緒にアイルランドに滞在してfilm treatmentを書いた。「彼は完全に書き換えてしまったが、それでも私は気に入った」とローレンス・カスダンは語った。1978年11月、ライアン・オニールダイアナ・ロスの主演で制作することが決まった。ところがダイアナ・ロスが辞退したため、development hellに戻ってしまった。

初監督の『白いドレスの女』(1981)が成功すると、『ボディガード』を自分で監督しないかと誘われたが気が進まなかった。『再会の時』(1983)を監督することを選んだ。ケビン・コスナーローレンス・カスダン監督と『シルバラード』(1985)の制作中に『ボディガード』のスクリプトを読み気に入った。2人で一緒に製作することにした。『アンタッチャブル』(1987)や『ロビン・フッド』(1991)などの成功で映画スターになっていたので、ケビン・コスナーには自分の作りたい映画を作れるだけの力があった。

 

 

キャスト

フランク・ファーマー:ケビン・コスナー津嘉山正種
レイチェル・マロン:ホイットニー・ヒューストン塩田朋子高島雅羅塩田朋子
サイ・スペクター:ゲイリー・ケンプ;島田敏江原正士二又一成
ビル・デヴァニー:ビル・コッブス;阪脩富田耕生、小林勝彦
グレッグ・ポートマン:トーマス・アラナ;千田光男若本規夫金尾哲夫
ハーブ・ファーマー:ラルフ・ウェイト;小島敏彦、大木民夫加藤精三
ニッキー・マロン:ミシェル・ラマー・リチャーズ;藤生聖子、吉田理保子、唐沢潤
トニー・シペリ:マイク・スター;福田信昭秋元羊介塩屋浩三
授賞式司会者:ロバート・ウール;西村知道堀内賢雄、佐久田修
クライヴ:ナサニエル・パーカー; - 、長島雄一安井邦彦
ヘンリー:クリストファー・バート; - 、伊藤栄次、大滝寛
フレッチャー・マロン:デヴォーン・ニクソン;小松直史、津野田なるみ、内澤祐豊
レイ・コート:ジェリー・バマン; - 、藤本譲塚田正昭
ミネラ:ジョー・ユーラ; - 、小野健一小室正幸
ダン:トニー・ピアース; - 、中田和宏古澤徹
ロータリークラブ会長:バート・レムゼン; - 、石森達幸有本欽隆
スキップ・トーマス:リチャード・シフ; - 、小島敏彦、堀部隆一
デビー・レイノルズ:本人役; - 、高村章子、瀬畑奈津子
エマ:エセル・アイヤー; - 、火野カチ子、小山田詩乃
音響賞プレゼンター:ロブ・サリバン; - 、土方優人、矢崎文也
音響賞受賞者:パトリシア・ヒーリー; - 、八木亜希子加藤優子
少女:エイミー・ルー・デンプシー; - 、鈴鹿千春、 -
少女の母親:シェリー・A・ヒル; - 、石井七央子、 -

 

ソフト版
フジテレビ版 - 1995年10月7日『ゴールデン洋画劇場』20:59-23:34 本編ノーカット
テレビ朝日版 - 1998年10月4日『日曜洋画劇場』約108分

 

 

スタッフ

監督:ミック・ジャクソン
脚本:ローレンス・カスダン
製作:ローレンス・カスダンジム・ウィルソンケビン・コスナー
音楽:アラン・シルヴェストリ
撮影監督:アンドリュー・ダン
編集:ドン・キャンバーン、リチャード・A・ハリス
製作会社:Tigプロダクションズ*2、カスダン・ピクチャーズ*3
配給:ワーナー・ブラザース映画

 

主題歌:"I Will Always Love You"
作詞・作曲:ドリー・パートン
編曲:デイヴィッド・フォスター
音楽プロデューサー:デイヴィッド・フォスター
歌:ホイットニー・ヒューストン

*1:一発屋のようなタイプではない。

*2:ケビン・コスナーの製作会社 Tig Productions

*3:ローレンス・カスダンの製作会社 Kasdan Pictures