映画の後には紅茶とお菓子を

百合とアニメと映画の感想

『プラダを着た悪魔』の感想

プラダを着た悪魔
原題: The Devil Wears Prada
製作年:2006年
製作国:アメリカ合衆国

 

 

作品について

デヴィッド・フランケル監督。

ローレン・ワイズバーガーの小説が原作。『VOGUE』で編集長アシスタントをしていた経験が元になっている。

 

ウォルト・ディズニー・カンパニーが21世紀フォックスを買収した後に閉鎖されたFox 2000 Picturesが製作。

 

日本テレビ金曜ロードショー日本テレビ版吹き替え版を再放送。今後再放送されるかどうかはわからない。Blu-ray Discなどに収録される可能性は低い。契約上、配信では聞くことはできないはず。貴重。

kinro.ntv.co.jp

視聴者リクエスト企画女性人気No.1だったそうだ。

 

初放送の時の情報。

web.archive.org

 

 

感想

何度観てもおもしろい。大好きな映画の1つ。

 

アン・ハサウェイメリル・ストリープ。オスカー俳優同士の競演*1
キャリアはメリル・ストリープが圧倒的に格上である*2。作中での扱いもメリル・ストリープが主演なので、クレジットはメリル・ストリープアン・ハサウェイの順番。キャストのクレジット順も出演契約に含まれている。だからオールスターキャスト(別名アンサンブルキャスト)の作品では、プロデューサーたちにとってクレジット順を考えるのが大変。

アンドレア・サックスが主人公兼語り手。ミランダ・プリーストリーがもう1人の主人公。W主人公とも言う。

 

アン・ハサウェイ出世作ゲイリー・マーシャル監督『プリティ・プリンセス』(2001)でも、ダサい姿の女の子が華麗に変身するという役を演じた。

 

スタンリー・トゥッチが良い味を出している。映画やテレビドラマなどで、「ヒロインのゲイ友」はどこからきたのか、という記事が興味深い。ステレオタイプな描写をされてしまう。

wezz-y.com

若き日のエミリー・ブラントが先輩役を演じた。

 

日本テレビ版は夏木マリさんが怪演を聞かせている。小林沙苗さんが純真なアンディを演じた。

 

 

題名

題名の『プラダを着た悪魔』とはミランダ・プリーストリーのことだけではなくアンドレア・サックスのダブルミーニング。ファッションに興味がなかったアンディがプラダを着た瞬間の変貌をエミリー・チャールトンは見た。ネイトにとってはアンディは変わってしまった恋人。リリーにとってもアンディは変わってしまった友人。

 

 

ハリー・ポッター

2006年の映画なので、まだ出版されていない『ハリー・ポッター』シリーズの新刊を手に入れてこいという命令。時期的に最終巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』(2007年7月21日発売)かな? でもデザイナーが原稿を持っていたから伝手を使って入手できたというはなしなので、第6巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(2005年7月16日発売)かな?

J・K・ローリングが、あらかじめ書き終えていた第7巻最終章の原稿を銀行の金庫に預けていた、という逸話がある。

 

ハリー・ポッター』シリーズの映画とそれに伴う諸権利はワーナー・ブラザース保有している。『プラダを着た悪魔』のプロデューサーのウェンディ・フィネルマン及び製作会社と20世紀フォックスは、ワーナー・ブラザースに『ハリー・ポッター』の題名やJ.K.ローリングの個人名を出す許可を取ったのだろうね。

映画やテレビ番組のプロデューサーは、作品の中で他者の創作物や知的財産を引用する際に許可を取る。無許可だと、後で揉めて高額の賠償金を支払う羽目になるリスクがあるから。プロデューサーやチェック担当のスタッフは、必死で著作権侵害などしていないかチェックする。脚本段階で引用が必要だとはっきりしているときは許可を取る。取れなければ脚本を書き直す。役者のアドリブや即興もチェックする。許可が取れなければそのテイクは没にする。

 

 

アパレル業界

Silvio Hortaがシリーズクリエイター・ショーランナー・製作総指揮、アメリカ・フェレーラ主演の『アグリー・ベティ』でも、ファッション誌『モード』の編集長アシスタントとしての難題に奮闘する女性の話だった。

 

 

視覚効果

実在の場所で現代の人間のドラマを描くのに、どうしてVFXが必要なのか不思議に思う人もいるだろう。実はVFXは現在の映画やテレビドラマに必要不可欠な存在なのだ。

『アグリー・ベティ』でもニューヨークの街並みをVFXで制作していた。現地でロケーション撮影するより、ロサンゼルスのスタジオでセット撮影して、ポストプロダクションでマットペインティングをデジタル合成したほうが時間もお金も安上がり。このように気づかない視覚効果をinvisible effectsと言う。

この動画は、『アグリー・ベティ』でVFX制作したStargate Studiosが、視覚効果協会に賞選考のため提出した資料。

vimeo.com

ポストプロダクション用にグリーンスクリーンを背景に撮影して、風景をデジタル合成した工程がわかる。

 

 

映画賞

アカデミー賞は、メリル・ストリープが主演女優賞に、パトリシア・フィールドが衣装デザイン賞にノミネートされた。

英国アカデミー賞は、メリル・ストリープが主演女優賞に、エミリー・ブラント助演女優賞に、アライン・ブロッシュ・マッケンナが脚色賞に、パトリシア・フィールドが衣装デザイン賞に、Nicki LedermannとAngel De Angelisがメイクアップ&ヘア賞にノミネートされた。

ゴールデングローブ賞は、メリル・ストリープが映画部門 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)を受賞。プロデューサーが映画部門 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門)に、エミリー・ブラントが映画部門 助演女優賞にノミネートされた。

全米脚本家組合賞は、アライン・ブロッシュ・マッケンナが脚色賞にノミネートされた。

ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の2006年のTop Ten Filmsに選ばれた。

アメリカン・フィルム・インスティチュートが主催するAFI Awardsの「今年の映画(Movie of the Year)」に選ばれた。

女性映画批評家協会賞は、メリル・ストリープがBest Comedic Performanceを、アライン・ブロッシュ・マッケンナがBest Woman Storytellerを受賞した。

 

 

キャスト

ミランダ・プリーストリー:メリル・ストリープ;宮寺智子、夏木マリ
アンドレア・サックス:アン・ハサウェイ小松由佳小林沙苗
エミリー・チャールトン:エミリー・ブラントよのひかり松谷彼哉
ナイジェル:スタンリー・トゥッチ小形満、岩崎ひろし
ネイト:エイドリアン・グレニアー;永井誠、加瀬康之
クリスチャン・トンプソン:サイモン・ベイカー真殿光昭東地宏樹
リリー:トレイシー・トムズ;清水千恵、浅野まゆみ
ダグ:リッチ・ソマー;大久保利洋、 -

 

ソフト版 - DVD・BD収録

その他吹き替え:秋元羊介、石波義人、鉄野正豊、勝田晶子、須部和佳奈、若泉絵子、岸本周也

演出:二瓶紀六
翻訳:松田順子
調整:オムニバス・ジャパン
制作:東北新社

 

日本テレビ版 - 初回放送2010年1月15日『金曜ロードショー

その他吹き替え:山野井仁、吉野貴宏横島亘金尾哲夫高乃麗小室正幸、安藤みどり、広田みのる、安永亜季、恒松あゆみ上田燿司

演出:鍛治谷功、
翻訳:古瀬由紀子
調整:長井利親
効果:リレーション
制作担当:佐藤陽子工藤美紀(ブロードメディア・スタジオ)
日本語版制作:ブロードメディア・スタジオ
プロデューサー補:野地玲子、小川みゆき
プロデューサー:明比雪、稲毛弘之(日本テレビ)

 

 

スタッフ

監督:デヴィッド・フランケル
脚本:アライン・ブロッシュ・マッケンナ
原作:ローレン・ワイズバーガー
製作:ウェンディ・フィネルマン
製作総指揮:カレン・ローゼンフェルト、ジョー・カラッシオロ・Jr.
音楽:セオドア・シャピロ
撮影監督:フロリアン・バルハウス
編集:マーク・リヴォルシー
製作会社:フォックス2000ピクチャーズ、ウェンディ・フィネルマン・プロダクションズ、デューン・エンターテインメント
配給:20世紀フォックス

 

プロダクションデザイナー:Jess Gonchor
アートディレクター:Tom Warren
セット装飾:Lydia Marks
衣装デザイン:Patricia Field

キー・ヘアスタイリスト:Angel DeAngelis
キー・メイクアップアーティスト:Nicki Ledermann

supervising sound editors: Nicholas Renbeck, Paul Urmson
re-recording mixer: Tom Fleischman
production sound mixer: Michel Kharat on Paris unit

視覚効果スーパーバイザー:Randall Balsmeyer (uncredited), Edson Williams for Lola Visual Effects (uncredited)
視覚効果エグゼクティブプロデューサー:Guy Botham for Lola Visual Effects
visual effects producer: Thomas Nittmann for Lola Visual Effects (uncredited)

*1:アン・ハサウェイは後にトム・フーパー監督『レ・ミゼラブル』(2012)でアカデミー助演女優賞を受賞したので。

*2:アカデミー賞では俳優として史上最多の21回ノミネートを誇る。受賞は3回(助演女優賞が1回、主演女優賞が2回)。『プラダを着た悪魔』でも主演女優賞にノミネートされた。